ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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白兎の出会い

 適正階層が下がったベルに、エイナが装備を買い揃えるよう進言。ベルは当初冒険者の先達で師匠でもあるリリウスに頼もうと思ったのが、最上位冒険者と新人冒険者では感覚が合わないだろうとエイナが連れて行くことになった。

 

 新人鍛冶師………ランクアップを果たせず、ブランドを名乗ることが許されない者達の商品が並ぶ売り場には掘り出し物があるとのことだ。

 

 そしてベルが手にしたのは白いライトアーマー。

 ヴェルフ・クロッゾなる鍛冶師の作品。道具に惚れ込むとは、ああいう事を言うのだろう。

 

 そしてエイナからのプレゼントである緑玉石(エメラルド)のプロテクターが新しい装備。エイナの瞳と同じ色だが、エイナに他意はない。少なくとも本人はそのつもりだ。

 

 

 

 でも結構ドギマギしたベルは心の中のアイズに謝る。僕はヴァレンシュタインさん一筋!

 此奴、仮にもハーレム目指してたんだぜ?

 

 と、帰路につくベルがぶんぶん頭を振っていると、ふと足音が聞こえた。路地裏の奥からバタバタと慌ただしい。足音は、2つ?

 

 ホーム近くで面倒事、と思うと放置するのも不安。

 のぞき込んでみると、真っ白な影が飛び出して来た。

 

「えっ!?」

 

 ベルに気付き慌てて方向を変えようとして、そのまま転ぶ。

 白い毛を持つ垂れ耳(ロップイヤー)兎人(ヒュームバニー)。ヘスティアよりも背の低い、幼女と言っても良い少女。真っ白な肌には小さな傷跡に、包帯など。怯えたように見上げてくる瞳は弱々しく、庇護欲を誘う、何処かで見たような気がする少女だ。

 

「追いついたぞ! 手こずらせやがって!」

 

 そして新たにやってきたのは20代ほどの男。冒険者であろう男は背中に比較的大きな剣を担いで、ニタニタと少女を見つめる。

 

 ベルは少女を庇うように男の前に立った。

 

「…………あぁ? ガキ、邪魔だ。そこをどきやがれ」

 

 男の目にはどうやらベルは映っていなかったらしい。こうして前に立たれても、意識するのは少女のみ。

 

「あ、あの。この子に、何をするつもりですか」

「うるせえぞガキ。なんだぁ? そろいの白髪、兄妹かなん………か…………しら、が?」

 

 ギロリとベルを睨んでいた男は、しかし目を見開き後ずさる。

 

「っ! てめぇ、まさか【(カリ)】の弟子!? ベル・クラネルか!!」

「え、あ………はい」

 

 相手が誰であるか悟った男は面白いぐらい狼狽える。ベルは『別に師匠(あの人)、僕の為に報復とかしないと思うけど』と心の中で呟く。むしろ修行がより厳しくなりそう。

 

「ま、待て落ち着けって。そいつ、どう見てもサポーターなのによ、結構持ってたんだよ! どうせ盗んだんだ、俺等で山分けしようじゃねえか」

「……………盗むのを、見たんですか?」 

「あ、いや………さ、サポーターだぞ!? ひょっとしたら、パックかもしれねえ」

「?」

 

 生憎とベルは、サポーターを見下すという冒険者のあり方を理解できないようだ。

 

「っ! クソが、ムカつくんだよ!」

 

 そんな、真っ当な人間が気に食わないのか男が剣を抜き、ベルもナイフを抜く。

 

「調子に乗ってんじゃねえ! 選ばれたと思い上がるな!」

「そこまでだ」

 

 と、新たに響く声。振り返ると、荷物を抱えたリューが居た。今日は酒場の制服ではない。

 

「し、【疾風】!?」

「彼は私の親友の一人の伴侶となる方です。手を出すのは許しません」

 

 彼女は何を言っているンダ。

 

「くっ、くそ!」

 

 流石に分が悪いと判断したのか、男は逃げ出す。

 【疾風】リュー・リオン。ベルの憧れであるアイズと比べられる第一級。正義の女神の眷族に目をつけられてはたまらないという様に男は逃げ出した。

 

 なら最初からこういうことをしなければいいのに、とは思うかもしれないが、彼は第一級がすごいとは知っていても実感がわかなかったのだろう。

 

「大丈夫ですか?」

「あ、はい。あの……ありがとうございます。助かりました」

「いえ、差し出がましい真似を。貴方ならきっとなんとかしたでしょう」

 

 そんなことはないんじゃないかなぁ、とベルは苦笑する。初めての対人戦に発展しかねない状況に、内心結構ビビってた。

 

 リリウスも攻撃してくることはあるが、殺しに来ることはないし。

 

 リューはどうやらファミリアの夕食の材料の調達の帰りだったらしい。ベルはふと少女に向き直ろうとしたが、少女の姿は何処にもなかった。逃げたのだろうか? 怖かったもんなあ。

 

 

 

 

「簡単にひっかかってくれましたねえゲド様。ま、おかげで種は植えれましたが」

 

 ジャラジャラと銀貨や金貨を弄ぶ白髪の少女。それなりの価値があるそれを、あっさり道端に捨てる。

 

「【響く十二時のお告げ】」

 

 それは夢が終わるように石塊へと変わり、石畳を叩く。獣人の少女の姿はそこになく、一人の少女は夕日を背に、影の中へと消えていった。

 

 

 

 

 

 さて、その翌日。ベルは中央広場(セントラルパーク)までやって来た。まだ新人故か、冒険者の波に飲まれながらも立ち止まりバベルを見つめる。

 

 脳裏に過る金色に思いを馳せ、今日も頑張ろうと胸に誓う。その時…………

 

「お兄さん、お兄さん、白髪頭のお兄さん」

 

 自分を呼んだと思わしき声に振り返る。自分の横を通り過ぎる冒険者ばかり。

 

「お兄さん、下ですよ」

 

 下? と視線を下げる。居た。身長およそ100C(セルチ)程の小柄な少女。ギョッと目を見開くのは、彼女が背負うバックパックが小柄な体の二周りは大きいから。

 

 不意にベルは既視感を覚える。確か昨日の………

 

「君は」

「先日はありがとうございました。お礼をさせてください」

 

 そう言って、背負うバックパックを指さす少女。

 

「サポーターなど、お探しではありませんか?」

 


 

謎の少女

垂れ耳(ロップイヤー)兎人(ヒュームバニー)

ベルと知り合ったサポーターの少女。容姿はどこかで見たことがある気がする。

目線、顔の伏せ方、親しい相手への態度など、所作の一つ一つが庇護欲を誘うぞ。

 

選択肢

(A)君、なんだか師匠に似てるね

(B)何処かであったことないっけ?

(C)よろしくね

 

 

 

 

 

 

 

 

Cを選んだ貴方。好感度は特に変動なしだ

 

Bを選んだ貴方。ナンパかと思われるも、騙しやすいと少し警戒心が薄れた。好感度僅かにアップだ

 

 

 

 

Aを選んだ貴方。好感度がだだ下がりだ。リリウス関連は好感度を一定値上げてからじゃないとマイナスになるから気をつけよう。初期にやると好感度が上げにくくなるぞ。

そろそろ200話。みんなは何が読みたい?

  • シヲモトメルノハ【タナトス】
  • モトメルノハ【ディオニュソス】
  • チカラヲモトメルノハ【フレイヤ】
  • ヒビカスノハ【ゼノス】
  • ドウケルノハ【ロキ】
  • 勇蹄再演【バロール戦】
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