ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
サポーターがいるといないでは大違い。
ある程度ドロップアイテムや魔石を得たら地上に戻って、なんて事をせずリリが全部回収してくれる。
時間のロスもなくなり、戦いに集中できたベルは7階層のモンスターを次々蹂躙していく。その戦いぶりは、彼が気付いてるのか知らないが明らかに7階層で燻って良い実力ではない。
なので当然稼ぎも増える。
「「34000ヴァリス…………」」
金貨の詰まった麻袋を見て、2人は顔を上げる、
「「やぁーーーーー!!」」
大稼ぎ、と言ってもいいだろう。実質戦闘要員がLv.1一人のパーティとしては破格の金額。
「すごい! すごいですベル様! ドロップアイテムは数えるほどしかなかったのに、お一人で3万以上も!」
「夢じゃないよね!? 現実だよね!? 1日でこんなに稼げるなんて、リリのおかげだよ! サポーター万歳!」
「馬鹿言っちゃいけませんベル様。モンスターの種類やドロップアイテムの数にもよりますけど、Lv.1の5人パーティの稼げる金額が25000ヴァリスなんです。ベル様は、お一人でそれ以上の働きをしたのです!」
「いやぁ! 兎もおだてりゃ木に登るって言うじゃない! それだよそれ!」
「
椅子の上に登ったリリとイエーイと手を叩き合うベル。ベルの高揚感は留まることを知らない。
「ではベル様、そろそろ分け前をいただけます?」
「うん。はい」
ドバッと17000ヴァリスをリリに渡すベル。
「……………へ?」
「ああ、これで普通に美味しいご飯を神様に食べさせてあげれる」
「いや、あの………これ!」
喜びに震えるベルに、リリは慌てて叫ぶ。ベルはどうしたの? と首を傾げる。
「これは、いったい」
「え? えっと、リリの分け前だけど。あ、そうだ! 良かったらリリも一緒にご飯食べに行かない? 奢るからさ!」
「べ、ベル様!」
善は急げとばかりに片付けを始めるベルに、リリが叫んだ。え? と不思議そうな顔をリリに向けるベル。
「独り占めしようとは、思わないんですか?」
「? どうして?」
心底不思議そうに尋ねるベル。金を独占するなど思いもよらなかったのだろう。
「僕一人じゃこんなに稼げる筈ないもの。リリがいたからでしょう? だから、ありがとう」
これからもよろしくね、と言葉を添えた。
リリと会えて本当に良かったと、微笑んだ。全てが本心で、本音。
「……………」
「ほら、行こ、リリ」
差し出されたその手を取ることなく、それでも歩き出すリリ。ベルも歩き出し、リリはその背中をぼぅっと見つめる。
「………………変なの」
ある時、ダンジョンで起きたとびっきりの殺し合い。
階層を破壊し、モンスターを蹂躙し、ダンジョンを泣かせた怪物同士の戦い。それは、一時的にウラノスの神威を無視させた。
新たな空間を生み出す間、ダンジョンはずっとウラノスを無視し続けた。
異端になりきらず、されど何かを求めるモンスター。
それは白い。と、兎の同胞を殺す。これではなかった。
それは赤い。と、同胞の血をぶち撒ける。これではなかった。
それは光っていたような気がする。と………
「なりかけか………」
異端でも、さりとて真っ当な怪物とも言い切れない雄牛を踏みつけながらリリウスは呟く。
戦いも終局に差し掛かった時のアンフィス・バエナ。モンスターでありながら、食らう相手に拘りを見せたリンドヴルム。話に聞いただけだが、シャバラとシュヤーマと相対したワイバーン。綺麗なものに憧れた沼の王。
憧憬の種とも言おうか。それを持っている。そしてそれは、リリウスでは開花させられない何かだ。
「ミノタウロスねえ…………」
ふと、頭を過る弟子の顔。彼があと一歩踏み出せないのは、その心に深く刻まれたトラウマ。
「…………ぶつけるか」
ミノタウロスの角を掴み、引き摺る。ただのミノタウロスでは駄目だ。徹底的に鍛えて、神々も認める偉業に相応しい敵とする。
それが出来ずに死ぬなら、どのみち黒竜が下界に解き放たれた時、共に解き放たれる竜の一匹に喰われて死ぬ、名も記されぬ冒険者になるだけだ。
ミノタウロス君
この後うっかり殺されるけど、一度宿った憧憬の種は消えず、自分を探しに来る英雄に何度も殺される
そろそろ200話。みんなは何が読みたい?
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シヲモトメルノハ【タナトス】
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モトメルノハ【ディオニュソス】
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チカラヲモトメルノハ【フレイヤ】
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ヒビカスノハ【ゼノス】
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ドウケルノハ【ロキ】
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勇蹄再演【バロール戦】