ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
「………………」
てててててっ。
「……………」
ちらっ。
さっ!
「………………」
ててててててっ!!
ついてきている。懐かれた?
面倒な。と、角を曲がり冒険者の身体能力を以て壁を駆け上がる。
リリを見失わないように慌てて駆け出した幼女は、しかしリリの姿を見失いキョロキョロ辺りを見回す少女。
「…………ふぇ」
そのままじわっと瞳が潤む。
「うえええん!! おねえちゃん、どこぉ!」
「…………………」
あれだけ大声で泣いていれば、何れ誰かに見つけられ【ガネーシャ・ファミリア】辺りに保護されるだろう。ならリリには何の関係も…………
「どうした?」
「!?」
足早に去ろうとしたリリは、聞こえてきた声に立ち止まる。
「迷子か?」
「うぅ………?」
「ん? お前………」
屋根の端まで走り覗き込めば、見覚えのある白い髪。やっぱり、色はともかく髪質は似てる。自分も伸ばせば良かった。じゃなくて!
「にっ………!」
自分を口を慌てて押さえる。子供に甘いとは言え兄の事だ、精々【ガネーシャ・ファミリア】とかに送るとか、その程度の筈。
「行くところがないならうちに来るか?」
「────!!」
リリは直ぐ様屋根から飛び降りた。
「あ、おねえちゃん!」
と、幼女はリリに飛びつく。
「………おねえちゃん?」
「ええ! 見つけてくれてありがとうございます冒険者様! この子はリ、私の連れでして!」
ハーフならともかく純血の獣人に化けてる。説得力はないか? いや、でも血の繋がらない相手を兄姉と慕う孤児はダイダロス通りに行けばかなりいる。
「そうか………」
「………………」
「仲良くな」
そう言うと、去っていく。
兄にも知られていない、主神のみが知る魔法に、匂い消しまで使ったのだ。気づかれなかった事に安堵を覚え、けれど気づいて欲しかったとも内心で思う。
我ながら、未練がましい。何がしたいんだ、自分は。
「おねえちゃん…………?」
「はぁ………ついてきてください。ええと…………」
「……………?」
名前、どうするか。ふと空を見上げれば建物の隙間から覗く太陽が鬱陶しい。太陽…………
「行きますよ、ノエル」
「ノエル?」
「貴方の名前です。リリはリリです」
「ノエル………リリ? リリおねえちゃん!」
仲良くな、と、こちらが誰か分かっていったわけじゃないだろう兄の言葉に、それでも従ってしまうのは、褒められたいとでも、思っているのだろう。
「奇跡の執行者。下位ではない、お伽噺に片足を突っこんでる存在が2人も」
「妾は伝説の存在だがな」
リリウスの言葉にドゥルガーが現れ笑う。
怪物祭の件といい、
地下勢力の動きに、少しこじつけだが成長スキルを持っているであろうベル。
歴史は動く。最後の英雄神話は、もう間もなく。
「……………」
英雄橋の空席の座。そこに収まる英雄は、果たして。
次回、200話記念。
勇蹄再演
それでは、冒頭を少しだけ。
ヴリトラとリリウス。異端児と人間の中の規格外。
戦いの余波だけで『破壊者』と称される怪物を消し飛ばす真なる破壊者達は確信していた。
この深度で自分達の戦いの妨げになる怪物は生まれ得ない。
ビキリと、灼熱の大地が罅割れても両者は気にしなかった。獣の戦いに割り込む身の程知らずは真っ先に喰い殺して続ければ良い。
そんな、2匹の獣の勘違い………傲慢な思い上がりは
「「────!!」」
目の前の宿敵よりもまずこの化け物を殺す。殺さなくてはならない。規格外のサイズを持つヴリトラが炎纏う牙を、リリウスが全てを喰らう炎を纏う剣を向け
「グオオオオオオオ!!」
視線が向けられる。即ち、絶体絶命。
「──!!」
リリウスの片腕が消し飛んだ。視線を向けられたが故の不運。幸運なヴリトラはそのまま単眼の王に噛みつき、魔石ごと噛み砕こうとする。
自分より遥かに小さい筈の巨獣が腕を薙ぎ、ヴリトラの巨体を吹き飛ばす。
誰も自分達の邪魔を出来ない。そんな、獣達の思い上がりは…………漆黒の巨獣の出現が、一瞬で吹き飛ばした。
そろそろ200話。みんなは何が読みたい?
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シヲモトメルノハ【タナトス】
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モトメルノハ【ディオニュソス】
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チカラヲモトメルノハ【フレイヤ】
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ヒビカスノハ【ゼノス】
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ドウケルノハ【ロキ】
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勇蹄再演【バロール戦】