ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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哀れな者達

いやね、Lv.8と9がいても、攻略出来ないダンジョンのヤバさは解っていたつもりだったんだよ?

でもベルはともかく、他の成長を考えれば黒竜戦って最大がLv.8の連合軍のハズじゃん。

竜の谷から来たモンスター(ベートの故郷滅ぼした奴)Lv.3程度じゃん?

なんだよ、Lv.7級のドラゴンがたくさんいるって。

タクシャカになったリンドヴルムですら竜の谷じゃ弱い方だったんだなぁ、Lv.7に迫るのに。

 


 

 神は問う、そのサポーターは信用に足りるのか、と。

 

 彼女を仲間にした日にナイフを紛失し、持っていた何者かを追っていたリューが彼女と見間違えた。

 偶然、と片付ける程、ベルだって子供ではない。

 

 魔法という知識がないからこそ、()()()()()にたどり着く。

 

「神様、それでも僕は………」

 

 

 

 

「おじさん、まけてくれたら、うれしいです」

「あはは! 商売上手だね嬢ちゃん、仕方ない、まけるよ」

「もっとまけてくれたら、もっとうれしい」

「え、あ、いや…………あ、アハハハ。少しだけだよ?」

 

 

 

「よくやりましたノエル。フフン、チョロい。オラリオの大半はロリコンです」

 

 まけにまけさせたノエルの交渉術を褒めるリリ。撫でられ嬉しそうなノエル。

 何をしていたかと言えば、商品を買う際ノエルを前面に出してまけさせた。

 

 因みにノエルの服は小人族(パルゥム)の少年少女冒険者用の装備だ。幼女のノエルとサイズが合う。

 

「ただ笑顔だけでは揺らがない相手も居ますからね。嘘泣きを覚えましょう」

「うそは、よくないよ?」

「大丈夫です。男は女のいろんな顔を見れて幸せになるんですから」

「しあわせー?」

「ええ、幸せです。男なんて女と話せればそれだけで幸せなんですよ」

「おー、しあわせー」

 

 リリの教育の下、悪女の道に進み始めるノエル。止められるのものは誰も居ない。

 

「………子供に何を教えてんだお前」

 

 いや、居た。偶々通りかかった。呆れた顔のライラだ。

 

「これはこれは、【狡鼠(スライル)】様。先日はどうも、ご覧の通り次やらかさないよう、合法的な交渉術の練習です」

「根に持ってんなあ。お前、あたしのこと嫌いか?」

「好きですよ。ええ、そんなに小さいのに第一級、憧れますね」

「へえ、小さいから。なら、フィンのファンか?」

「いやですねえ、()()()()()()()、憧れる理由なんてないでしょう?」

 

 へぇ、とライラは兎人(ヒュームバニー)の幼女の言葉に目を細める。

 

「嫌ったことはありましたよ。ですが、だからこそ見えてしまった」

 

 憧れという色硝子の向こうから見てないからこそ、気付いた。

 

 恋という目隠しをしないからこそ、見抜いた。

 

「私には兄が居ます。あの人も、もう少し満たされればこういうでしょう。『知るか、あんなクソガキ』と……子供の頃見た夢に憧れ、そのくせ(さか)しいから夢は夢にしかないと決めつけて、夢に騙る。そんな自分をもう大人と決めつけ進んでない」

 

 彼が何時からああなのかは知らない。知るつもりもない。ただリリにとってフィンは、哀れな子供でしかない。

 

「因みに、あたしは?」

「…………貴方は………なんかよくないことを言ってしまったのを聞かれたくない人に聞かれた時、『と、ライラさんが言っていました』といいたくなります」

「おいこら、ふざけんな」

 

 

 

 

「ライラに、友が………?」

 

 偶々通りかかったリューは、ライラが他所の派閥と仲良さそうに話している姿を見て戦慄していた。

 と言うかこの前、ベルのナイフを持っていた小人族(パルゥム)の男と間違えた兎人(ヒュームバニー)

 

「いやはや、いいですね。見目麗しい少女達の友情とは」

 

 と、不意に聞こえてきた声。また神か、と思い振り返るも、違った。ヒューマンの男だ。

 

「おっと、失礼。馴れ馴れしかったですね」

 

 なんというか、特徴のない男だ。特徴がないのが特徴とでも言おうか。街の雑踏に紛れればすぐに見失いそうな顔。

 

「………………」

「ああ、そんな怪しい物をみるような目で………いえ、それも仕方ないことですね」

 

 ははは、と笑う男。怪しい。神々の言うロリコンだろうか?

 

「いえ、なに、あのような家族を持つことが叶わず、ええ………うらやましく思ったのですよ」

「………………」

 

 嘘は、ついていないように見える。神ならざる人の身での、所詮は勘だが。

 

「そうですか、申し訳ない」

「いえいえ、私が怪しいのは事実ですので。しかし、そうですね………やはり、そういうのを知ると申し訳なく思いますか?」

「それはどういう………?」

「穿った言い方ですが、哀れでしょう? かわいそう……つまりは、普通じゃない。不平等だ、と………」

 

 リューは、男が何を言いたいのかが解らなかった。

 

「………不平等、ですか。ええ、それは………否定しませんが」

 

 【アストレア・ファミリア】では輝夜とライラ等が恵まれない立場だろう。リリウスもそうだ。

 恵まれた人間がいる一方、恵まれない人間もいる。本人の努力で抜け出る事ができる、なんて絵空事も言わない。

 

「私は、この不平等をなくしたいと思っているのですよ」

「それは、素晴らしい考えですね」

「ええ、ありがとうございます。では………」

 

 

 

 

 

 

 ダンジョン中層。

 ミノタウロスは巨大な黒い塊を振り下ろす。轟音とともに地面がひび割れる。

 

「隙が大きい」

 

 その剣を踏みつけるながら放たれた蹴りが腹に叩き込まれ、ゴボッと血を吐きながら吹き飛ぶ。

 

 張り巡らされた鎖にぶつかるミノタウロス。

 

 鋼のような体を持つミノタウロスの砲弾を受け止め、罅一つ入らないそれは『3番釣り針』。

 

 増殖する『ウダイオスの根』に再生能力と硬度を併せ持つ『ヴリトラの鱗』を混ぜた第一級特殊武装(スペリオルズ)。熱、電気に対する伝導率が非常に高く、血や魔石の匂いに誘われたモンスターが鎖に絡まりリリウスが時折流す電撃と熱に焼かれ死体を晒していた。

 

 その死体から魔石を抜き取るとミノタウロスに投げ渡す。ミノタウロスは魔石を捕食し、魔力を燃焼し破裂した内臓を癒やす。

 

 傷の回復に魔力を消費する為、食った量に対して強化率は低いが、それでも他のミノタウロスとはもはや別種と言えるだけの潜在能力(ポテンシャル)

 

 雷に反応するのは、未だ情景に届かぬ、されど怪物の本能すらいずれ塗りつぶす思いの種の影響か。雷に打たれて死んだか?

 

「………ブフゥー! フゥゥブゥ!」

 

 傷を癒やしたミノタウロスが立ち上がる。手も足も出ない相手に、闘志を燃やす。

 

「…………来い」

 

 

 

 

 3時間後、ダンジョン58階層『竜の壺』最下層…………の、更に下。

 

 ミノタウロスの調教を切りあげたリリウスは異端児(ゼノス)の一部を連れ訪れていた。

 

「59階層の『あれ』は放置するのか?」

「【ロキ・ファミリア】が近々到達階層更新に挑むらしいからな………竜の谷雑兵の露払いすら、今のオラリオは満足に出来ねえ」

 

 だから試練になりそうなあれは放置する。リリウスの試練にはなり得ないし、ウダイオスよりちょっと強い程度で取れる魔石が一つでは旨味もない。

 

 なので更に下に来た。

 

 ロングコートを羽織った女のようにも見えるダボダボの毛皮と長い毛を持つスネグーラチカの群れに、青い氷のような肌を持ったオーク共よりも遥かに巨大なヨトゥンの軍勢。

 

 第一級にも匹敵する潜在能力(ポテンシャル)を持つモンスターの群。しかも、此方はスペックを発揮できない極寒環境。

 

 ニタニタと醜婆の如き顔で笑みを浮かべるスネグーラチカ。ヨトゥンも高硬度の氷で出来た棍棒を振り上げる。

 

「よし、食い尽くすぞ、お前等」

エイプリルフール、皆が見たい嘘は?

  • バーサーカーリリウス(/Zero)
  • 英雄派リリウス(ハイスクールD×D)
  • 冒険者リリウス(このすば)
  • 死に戻らないリリウス(リゼロ)
  • 魔物リリウス(ガッシュ)相棒エピさん
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