ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
24階層北
赤い髪の女と、白髪の男。
鏡面のような緑肉の一部に写る冒険者の集団を見る。
「………チッ。あの
忌々しげに呟くのはレヴィス。
規格外。
「ほう、【
白髪の男はクックと笑う。
「ちょうどいい、あの時の腕の借りを、返させてもらおう」
「………何故この階層なんだ?」
「どういうことですか?」
ポック、ポット、メリル達Lv.2と寄生されていた冒険者達………彼等の護衛として数人抜け、機動力と索敵に長けた獣人を中心に再編されたパーティーで、リリウスが呟く。
問い返したのはアスフィ。
「こんな浅い階層なら見つかるだろ。もっと深い階層でも良いはずだ」
「中層なんだけどなあ、ここ」
リリウスの言葉にルルネが呟く。
もちろんリリウスは食人花を地上に運ぶルートについて知っているのだが………それでも今まで見つからないようにやってきた。
(………俺の帰還……俺を巻き込む、にしてはやはり階層が浅いか。となると……)
並の派閥ではどうしようもない現状を現在の上位派閥に対応させる。それはつまり30階層と同じ
有力派閥なら間違いなく対応に乗り出す。
(メリットがないな。単純に趣味と考えるか………何も知らぬまま終らせられるのではなく、戦力を蓄えてぶつけ合いたい。その為に存在をアピールする………今回の戦力補充を行うにしても有力派閥に潰される可能性が高まる低階層での量産の矛盾はこれだろ)
現状、あの迷宮を知るリリウスが、攻略できる戦力がオラリオにないと判断したように向こうもそう判断して余裕ぶってるのだろう。
厳密には【フレイヤ・ファミリア】が【ロキ・ファミリア】並みに足を揃えられるなら、あんな迷宮簡単に攻略出来るだろう。確かLv.8こそ現れなかったがLv.7は増えたらしい。あのクソ猫はランクアップしなかったが。
でもそうなると
頭使ったら腹が減る。いや、何時でも減ってるけど。ムシャリと食人花の肉を食う。肉なのか野菜なのか。と………
「ぎひひゃはははは!!」
数人の人影が飛び出してくる。
体からキノコを生やし、同時に食人花の一部を生やした人間達。
リリウスが蹴った小石が先頭の個体の脇腹をえぐるも、菌糸が伸び傷を癒す。
「ふぅひ、ふひひひ! ここ、殺すう! たくさん殺して、私はあの子とおおおお!!」
「まだ、ごいをおおお!!」
「がざあああん!!」
ダラダラと唾液を垂らし理性などまるで感じさせない
「邪魔だ」
「失せろ雑魚どもが」
Lv.4に匹敵する、中々の存在。されど此方はLv.9と6。第2級程度、数を揃えたところで相手にもならない。
「彼処だ」
「あれか」
道の奥、女の形をしているようにも見える巨大なキノコを見つける。ベートが片足を上げ、リリウスが乗る。
ベートがLv.6の身体能力で蹴り飛ばした。
確かなコントロールが食人花や
「────!?」
咄嗟に胞子の霧を出そうとした女体茸は魔石をえぐり取られ消滅した。
「がっ!?」
「ぎぎゃ!!」
本体を失ったことで菌糸が灰へと変わり、偽りの不死身を得ていた
リリウスが直ぐ様魔石をえぐり取って殺そうと指を曲げ………
「………あ?」
突然柱が落ちてきた。
何本も落ちて通路を塞ぐ。分断された。
「…………………」
すん、と鼻を鳴らし人とモンスターが混ざりあった匂いに振り返るリリウス。おまけにむせ返りそうなほど血の匂いが濃い………。
振り返ると、白髪の男が立っていた。仮面で顔は見えない。だが知っている………。
報告にあった
「赤髪の仲間か」
「レヴィスのことか? そうとも、だが一つ言っておこう。レヴィスより強いよ、私は」
「そうか」
「くく。久しぶりの再会だというのに、貴様は相変わらずだな」
再会という言葉に首を傾げるリリウス。男はああ、と仮面を外す。
頬のコケた素顔が顕になる。色の抜け落ちた白い髪………幽鬼のように不気味な男だ。
「………………………誰?」
「チッ………」
Lv.6のベートの蹴りでもろくに傷がつかない。食人花と同じ、否、それ以上の打撃耐性。
「仕方ねえ、行くぞ」
「お、置いていくのかよ!?」
ベートの言葉にルルネが叫ぶ。返答はない。代わりに食人花と
「あのガキが俺達の中で一番強い。心配してる暇があるならまずはてめぇが生き残れ」
実際リリウスが死ぬような事態に陥るのならば、それはこのパーティの全滅を意味する。
「そうだな。私達は、あいつを心配出来るほど強くない」
フィルヴィスはそう言うと純白の障壁でモンスターの突進を防ぐ。
「ウィリディス、これを」
「? これは、詠唱?」
「シュヤーマの背に乗って、必要な時に唱えろ。回復魔法が発動する」
犬でも魔法を持っているのに、と少し落ち込むラウル。しかし、と壁の向こうを見る。
リリウス・アーデを知らない者はこの世界にいない。Lv.9というのはそれだけの存在なのだ。
その上で、分断。まさか、敵は彼を倒す算段をつけているのでは…………?
60階層。
穢れた精霊の本体が居を構えたそこはダンジョンにありながらダンジョンならざる精霊の領域。
精霊でありながら我が子である穢れた精霊に、ダンジョンは戸惑いその所業を傍観している。ちょうど我が子でありながら人類殲滅の本能を持たず、どころか憧れさえする
だがダンジョンはダンジョン。モンスターはモンスターだ。
怪物達が例外なく
何度も襲撃し、えぐり取り、喰らい、焼き払い、喰われ、取り込まれていった。
完全な陣を敷いた魔界の前では最早糧と成り果てた。階層を無視して集ったモンスターの坩堝は、リリウスをして地獄と表現する。
その地獄を越えた先に広がる本来の地獄………。そんな地獄に転がる魔石。
男はその魔石を取り込んだ。
酒に酔い、恐怖を忘れ、一瞬先で怪物が特に意識を向けることなく踏み潰してしまうような弱い存在。気にもとめられない男は、しかし力を手に入れた。
「エニュオ………おお、忌まわしき神の中にあって、貴方の言葉は、貴方の言葉だけは『彼女』にも匹敵する!!」
誇張でも何でもなく、この男こそ最強の
「勝てんだろうな、あの男は」
酒を飲みながら、その神は呟く。
そもそも、
準備は終えた。オラリオに齎す破滅は彼なくして敢行される。精霊を操作する為の駒は、幸いにも彼等の同族を増やす研究をしていたおかげで適正者を見つけた。
「さよならオリヴァス・アクト………ああ、君は今どんな顔しているのか、それだけは知りたかったなあ」
顎が砕かれ片目が潰れた顔をしていたオリヴァス・アクト。ありえない、と残った目を見開く。
魔石の一部がえぐられ、移植された竜の腕は既に灰へと還る。
「馬鹿なあ………馬鹿なあ!! この私が、この、オリヴァス・アクトがこんなところでええええ!!」
放たれた蹴りが腹にめり込み、壁をぶち抜き吹き飛ばされていく。
「…………やっぱり知らねえな。こんなに強い相手、忘れないと思うが」
情報の小出し
リリウスの第3魔法の特性
・神懸魔法
・二元論
エイプリルフール、皆が見たい嘘は?
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バーサーカーリリウス(/Zero)
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英雄派リリウス(ハイスクールD×D)
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冒険者リリウス(このすば)
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死に戻らないリリウス(リゼロ)
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魔物リリウス(ガッシュ)相棒エピさん