ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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この未知の世界でもジャガ丸くんを!

 一面の雪景色。まだ高い山には雪が残っている。

 アイズはジャガ丸くんの材料を求め訪れる。

 

「アスアスパラパラ」

 

 アスパラが跳ねてる。

 

「トマトトマトー!」

 

 トマトがヘタを回転させながら飛んでいる。

 

 それらを風で吹き飛ばすアイズ。斬ったら死んでしまう野菜達。手加減しようかと思ったがカズマが収穫クエストも同時に受けたので、あまり傷がつかない程度に斬って倒す。

 

 ある意味ではダンジョンより繊細な剣技が求められている。

 

「変な光景ですね。野菜が襲ってくるなんて。この世界の農家って、駆け出し冒険者より強さが必要な職業では?」

「一応、野菜の収穫は冒険者の仕事ではあるらしいですよ?」

「それにしてもどうして動くんでしょう? 植物なのに」

 

 斬ってみても筋肉があるようには見えない。ていうかあったらもう動物だ。動いてるからそもそも動物? それはそう。

 

「野菜も生き物だしな。人間に喰われまいと反撃してくるんだとさ。なんせ、料理されても逃げ出す野菜が居るぐらいだし」

 

 それはもう生き物という括りにいれていいのか? いや、トカゲの尻尾とか切れても動いてるし………。

 海には切られると増える生き物も居ると言うし。

 

「それにしても、野菜の収穫でこんなに疲れるなんて………」

「大丈夫ですかベル・クラネル。アイテムも尽きて来てますから、無理はしすぎないように」

 

 冒険者のアイテムが消費される野菜の収穫…………文字にするとすごい違和感。

 

「心配してくれてありがとうございます、ウィリディスさん」

「べ、別に。Lv.2と言っても貴方は駆け出しですからね。なかなか動けると言っても、そもそも私のほうが年もレベルも上なので、気を使ってあげてるだけです」

「それでも、ありがとうございます。嬉しいです」

「〜〜〜!!」

 

 アイズと仲が良いことに嫉妬し、素直に感心する部分や心配していることを言葉に出来ない自分と違い真っ直ぐなベルにレフィーヤはむむむ、と唸る。

 

「ま、まあ。この程度のモンスター相手なら、心配する必要もないようですから? 特別に……と・く・べ・つ・に! 足手まといではなく戦力としてみてあげます。だから、ちゃんと怪我したら遠慮したり格好つけて隠したりしないように」

「はい!」

「………………羨ましい」

 

 その光景に、カズマがポツリと呟く。

 

「え?」

「羨ましい。俺のパーティーにはお荷物しか居ないのに、ベルにはこんなに可愛い相棒がいるなんて!」

「か、かわ!? って、相棒!?」

「うちのドMクルセイダーと違って凄腕でしかも美人の剣士に稽古つけてもらってるし…………! お前あれだろ! 元の世界にも他にも可愛い女の子の知り合いがたくさんいるだろ! 女の知り合いばっかなんだろ!?」

「そ、そうなんですかベル・クラネル!?」

「ええ!? そ、そんな事ありま………」

 

 オラリオで出来た知り合い。

 師匠(男)。

 英雄の子孫(男)

 宿屋のおじさん(男)。

 本屋のおじさん(男)。

 

 うん、男が沢山だ。

 

 ジャガ丸くん屋台のおばさん(女)。

 薬屋の神様(男)。

 薬屋の眷属(女)。

 憧れの冒険者(女)。

 街娘(女)。

 酒場の店員達(全員女)。

 サポーター(女)。

 治療院のお姉さん(女)。

 ウィリディスさん(女)。

 

「……………あれ? 否定出来ない?」

「え、その反応………まさか、本当に? ふ、不潔! 変態! 出会った可愛い女の子全員に手を出したんですか!?」

「いやいやいや誤解です! 知り合っただけです!」

「とか何とか言って、かわいい女の子に出会ったら男は簡単に喜ぶってルームメイトが言ってました!」

「う、嬉しいのは否定しませんけど………でも全員僕なんて興味ありませんよ! ほら、僕って……本当に、弱くて、情けないし」

「…………それは卑下しすぎですよ。貴方は、前に進もうとしてるじゃないですか」

 

 自身を卑下するベルに、レフィーヤはムッと顔をしかめる。Lv.6の冒険者にあれだけ毎朝ボコボコにされても、次お願いしますと立ち向かえる第3級冒険者なんて、【ロキ・ファミリア】にも居ない。 

 

 その根性だけはレフィーヤも認めてやっていいと思っている。

 

「俺は一体何をみせられてるんだ」

 

 カズマは、ベルが羨ましかった。

 自分のところには変態クルセイダーと頭のおかしい爆裂娘と役に立たない女神。

 

「畜生! 俺とベルの何が違うってんだよ! ベルだって駆け出しだろ!? 俺より何処が優れてるんだー!」

「顔と性格と覚悟」

 

 エピメテウスの言葉はとても残酷であった。

 

「コーン………」

「ん? 何か聞こえたような。もしかして、ジャガイモ!?」

「ジャイアントォォォ………コオオオオオオン!!」

 

 ジャイアントコーンが現れた!

 

「ジャイアントコーンだ!」

「ジャイアントって、こんなのデカすぎます!」

「くっ! 【ファイアボルト】!!」

「待てベル! そいつは爆裂種だ!」

「誰か今爆裂を求めました?」

「お前じゃねえ引っ込んでろ!」

 

 ポーン! と炎に炙られたジャイアントコーンが爆発した。

 

 

 

「たくさん捕まえた」

 

 むふふ、と嬉しそうなアイズ。これでベルにジャガ丸くんを作ってもらえる。

 

 そういえばいきの良いジャガイモを厳選しようとして皆のこと忘れてた。でもすごく強い人もいたし大丈夫かと振り返る。

 

「穀物のくせに大した爆裂でしたね。負けていられませんよ!」

「やめろロリっ子! お前等もケンカしてないで止めろ!」

「この、待ちなさいベル・クラネルゥゥゥゥ!!」

「ごめんなさいわざとじゃないんです! あ、後服焦げて………もっと隠してください!」

「ど、何処見てるんですか! ていうか貴方のせいでしょうがあああ!!」

「…………みんな、楽しそう?」

 

 何やら爆発したようで、積もった雪が吹き飛んでいた。そのクレーターの中に満足げなダクネス。杖を振るめぐみんに、止めるカズマ。

 

 追いかけっこしているレフィーヤとベル。それを眺めるエピメテウス。

 

「………私だけ、仲間はずれ? ぐすん」

 

 少し落ち込んだアイズだが、帰ってジャガ丸くん作ってもらえば機嫌も治った。

 

 やはり食材は新鮮に限る。生け捕りにしたジャガ丸くんはとても美味しかった。

 

「モグモグ………ベルには悪いけど、やっぱりお店のほうが技術は上。でも、素材の味が生きている」

「うわ! このジャガ丸くん、本当にまだ生きてます! 料理されてるのに!」

「ええ!? すり潰したのに!」

エイプリルフール、皆が見たい嘘は?

  • バーサーカーリリウス(/Zero)
  • 英雄派リリウス(ハイスクールD×D)
  • 冒険者リリウス(このすば)
  • 死に戻らないリリウス(リゼロ)
  • 魔物リリウス(ガッシュ)相棒エピさん
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