ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
「メロンに行く」
「【デメテル・ファミリア】か?」
「……………?」
「……………?」
リリウスの言葉にソーマがいちご狩り的なものだろうかと尋ねるとリリウスは不思議そうに首を傾げ、その態度にソーマも首を傾げる。
「兄様、メロンではなくメレンです」
「………………おお」
「ああ………」
ぽん、と手をたたくリリウスとソーマ。リリはとってもキュンとした。
「でも、メレンに何をしに?」
「デート。この前ほかの精霊と一時的とは言え契約したから、ドゥルガーが拗ねた」
リリウスの中から出て、人間体の褐色少女になって街でふて寝している。無視するくせに、かまってやらないと余計拗ねる。
「でも兄様、そう簡単に出れるんですか?」
言い方は悪いが、オラリオは上級冒険者を閉じ込める。戦力流出を恐れて、と言えば聞こえは悪いが最も早く英雄が育つこの地から英雄候補を遊ばせる余裕がないとロイマンは認識しているのだ。
まあ、それを利用して特に出ても問題無い冒険者からも金を取れる仕組みを作り余計な顰蹙も買う豚だが。
そんな理由でオラリオ外へ出るなど早々出来ない。ましてやリリウスはオラリオ最強………でもこの最強、オラリオの外で
「問題ない。ギルド直々に
それは数少ない抜け道。一度に大勢は不可能だが、親交のある派閥がオラリオの外の素材を取りに行かせるという名目で旅行に行かせることもある。
まあ無駄な金を払うから余程善神でもないと行わないが。主にミアハとかミアハとか、或はミアハ。後はミアハなんかがそうだ。
「今出させたっていいました?」
「言ってたな。それもギルド依頼………」
「ギルドを私物化してやがりますよ」
「流石にないか?」
「流石兄様です!」
「そうか」
行ってくる、とドゥルガーを抱えるリリウス。う〜と手足をジタバタさせるが、仮にも精霊、本気で暴れたらもっとやばいので、本気で嫌がってはいないのだろう。
リリウスが手を離すと更に拗ねる。面倒くさい女である。
ピュイ、指笛を鳴らすとスパルナがやって来る。その背にトン、と乗るとスパルナは翼を羽ばたかせ空へと飛んでいった。
「良かったのか、リリルカ?」
「ソーマ様は、リリを神々の言うブラコンか何かだとお思いで?」
「え?」
「え?」
違うのか、と首を傾げるソーマ。なんでそこで疑問符を浮かべるんですか、とリリ。
「リリは馬に蹴られて死ぬのはごめんですので」
取り敢えず次の探索に向けてポーションを買っておこうと【ディアンケヒト・ファミリア】に向かう。と、小柄なギルド職員に手を引かれるベルがいた。
「……………?」
こっそり近付き聞き耳を立てる。
「あ、あの………僕、なんで呼ばれたんですか?」
「実は、貴方にデートをしてほしいのです。彼女を救うために」
「またですか!? 昨日の今日で!」
昨日もデートしてたのに?
「き、昨日の今日!? ど、どういうことベル君!」
「あ! いや、すいません、言えなくて! そ、その………デートって?」
「実は…………」
何でも、モテる秘訣を学べるという胡散臭いことこの上ない本を掻き集めたミイシャ・フロットというベルの手を引いていたギルド職員が
そしてそれに呪われたエイナは、異性も同性も関係なく口説きまくってしまう存在になるらしい。
モテない女達の未練によって作られたなんか面白い呪いの書だ。精神に深く食い込み、アミッドでも解呪できないらしい。
厳密には呪いを殺せるがエイナが廃人になる。
そこで正規の手段。呪いの大元たる怨念を消し去るという手段を取ることにしたのだとか。
つまり、男とイチャイチャする!
白羽の矢が立ったのはベル・クラネル。なるほどなるほど?
「話は聞かせてもらいました!」
「わぁぁ、誰!?」
扉を勢いよく開け中に入ってくるリリ。
「おもし………もとい兄様が居ない暇つぶ………でもなく、とにかく協力しましょう!」
「ねぇ、誰なの!?」
「リリ?」
「知り合いなの、弟くん…………?」
「えっと、まあ………」
ベルはリリを師の妹にしてパーティー仲間であることを伝える。この子が、と視線を向けるエイナ。ベル君と、2人で冒険してたのかぁ。
「リリはこう見えても恋愛マスター。交際経験はないけど、相談に乗った冒険者様のパーティー内の恋愛を解決して来た実績があります!」
まあその冒険者達は、三角関係に罅が入りパーティーの連携が取れなくなったり、三角関係ではないけど私生活を優先するようになった温度差で喧嘩したり、三角関係以上に複雑な関係になって拗れたりして、全部パーティーが解散したりカップルが破局したりしたのだが。
「解りました。協力お願いします」
「いいんですか、アミッドさん?」
「私も面倒な相手を好きになってしまい、まともな恋愛経験など積んでいませんし、ミイシャさんは言わずもがな」
「うぐ!」
「まあベル様は、つい最近【剣姫】様と2日間たぁぷりデートして、指輪まであげたし、リリの手助けは必要ないかもしれませんが」
「リリィー!?」
「どどど、どういうことベルくぅぅぅん!? 私、何も聞いてないよ!? 最初に相談したの、私だったよねぇ!!」
「違うんです誤解なんです嘘じゃないけど話を聞いて下さいリリ説明してー!」
早口でまくし立てるベルにニヨニヨと笑みを向けるリリ。ミイシャは目を擦る。一瞬、小さな角と先の尖った尻尾が見えた気がしたからだ。
「おう、リリウス! シハチとモハチに会いにきたのか?」
メレンに付くと【ニョルズ・ファミリア】の漁師達が声をかけてくる。
海は地上と違い十五年前までモンスターの原種がダンジョンから飛び出し続けていた。そんな海で仕事をする彼等は当然恩恵を刻まれ、殆どの漁師はオラリオの雑多な冒険者等よりも強い。
「キュイキュウ、キュキュッ」
「キュッキュキイ!」
デッキを歩き深い所に訪れてやるとシハチとモハチが顔を出す。海の底で見つけた真珠をリリウスに渡してきた。
「ほらドゥルガー、やるよ」
「つーん、じゃ」
まだ拗ねているが声を出すようになってきた。機嫌が治ってきてるらしい。
「きゅ、きい、きゅきゅう!」
「きゃうきゃう」
「あ? クソ花が出た?」
シハチ曰く、このロログ湖にはよく食人花が出現するらしい。全部現れるたびに玩具にして遊んでいるけど。
運び込んだルートは地下のあの迷宮として、運び込む理由は?
必要ないだろ、ここに食人花を配置したところでオラリオに対して影響はない。
オラリオを目指す冒険者が減らせる、と言うのならもっと早く存在が明るみになるだろう。つまり少なくとも人間を襲ってはいない。
「主様?」
「解ってる。お前とのデートが優先だ」
機嫌は直ってきたが、さてどうするか。
食べ物巡りで喜ぶのは自分。ドゥルガーが喜ぶもの…………殺戮?
リリウスは木と縄を借り、裏に魔石の欠片を差し込み魚の血を塗って、スパルナに引かせロログ湖の上を疾走した。
背中にはドゥルガー。飛び出してくるモンスターをドゥルガーが生み出した武器で殺戮していく。
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