ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
最後に次のコラボの顔出し
オラリオへ戻ってきたリリウス。
ソーマが何やら手紙を差し出してきた。
アポロンからの招待状だ。何でも『神の宴』を行うらしい。
「今回は眷族を連れていけるらしい。飯、喰い放題」
「そうか。お前、こういうの別段好きじゃないだろ?」
「あの、ほら………ディオニュソス? 彼奴の酒凄いから、あって聞いてみたい」
「【ディオニュソス・ファミリア】なら解散したぞ」
数日前、食人花の匂いに連れられてリリウスが【デメテル・ファミリア】を誘拐しようとしていた食人花を引き裂いた後、デメテルがギルドに告発したのだ。
結果、眷族一人と共に行方不明。確かエルフの誰か。フィルヴィスは「えぇ……」と困惑していた。
善神として名の知れたディオニュソスの裏の………或は真の顔はオラリオの住民に神への恐怖を植え付けかねないとして表向きには酒を求めて旅に出たということになっているが。
何でも、ディオニュソスという神は時折ワインを求め「ヌゥウウウボォォォ!!」と叫ぶ奇行を目撃されるのだとか。
「なんだ、そうか…………」
「デメテルから素材を買ってたらしいから、頼めば良いんじゃねえの?」
リリウスの言葉にソーマはふむ、と考え込む。
一流を超えた、文字通りの神業にて育てられたデメテルの素材。成る程、それを使えばソーマの作る
「俺にもプライドがある。知識を分け合うなら兎も角、他の神の力を借りるのは………
「そうか」
ソーマは材料を作るところから自分でやりたいらしい。こだわりと言う奴だろう。趣味神ここに極まれり。
「オラリオメリーみたいなのは他人に飲ませるなよ」
あれ飲んだリリが酔っ払った結果、何故か暴君になって舐め腐った新人を調教したり、そのくせリリウスにはめっちゃ甘えたりと色々すごかった。
因みにリリウスは酔っても性格が変わらないタイプだったようだ。味は滅茶苦茶旨いので、リリウスは良く飲んでいる。
フィルヴィスに飲ませたら面白いことになったが自殺しそうだったのでもう飲ませない事を決めた。
「へ〜、神の宴ですか。リリウスさんは行くんですか?」
昼。豊穣の女主人で食事をとっていたリリウスとリリ。何故か当たり前のように座るシルは会話に混じって来た。
「飯が出るからな」
「ふふ。リリウスさんらしいですね。でも眷族が一人…………リリウスさん、たとえアレンさんが来てても、喧嘩しちゃ駄目ですからね」
リリウス・アーデとアレン・フローメルが仲が悪いのは最早公然の事実だ。
「そもそも連れて来るなら猪だろ。いや、オセロの白い方?」
自慢の眷族を連れて来るなら、普通は団長。社交の場と考えれば新たな副団長となったインテリ脳筋眼鏡も妥当ではあるが。
「時にシル様? 兄様が店に来ると毎回話しかけてきますが、まさかベル様狙いではなく単なるショタコン?」
「む、嫌な言い方ですね。違いますよ〜。私がリリウスさんとベルさんに向けている感情は別。ほら、私って可愛いじゃないですか?」
こいつ、とリリは思った。しかし実際可愛いのは事実。
「だから、本気で叱ってくれる人ってミア母さんしか居ないんです。でも、
その時のことを思い出しているのか、何処か嬉しそうに語るシル。
「だから、そう………私は悪い事をしたらちゃんと叱ってくれるリリウスさんがいいのであって…………つまりリリウスさんを『お兄ちゃん』と呼びたいんです!」
「キシャー!!」
「キャー、リリお姉ちゃんが怒ったー!」
「だぁれがリリお姉ちゃん………え、リリが姉? なんで?」
「あ、そうだよね。ごめんね、リリ。お姉ちゃんうっかり」
「
何なんですかぁ、と項垂れるリリ。基本的に冒険者を振り回す彼女が振り回される側に回るのは珍しい。
「リリウスさんは、私がまた悪いことしたら叱ってくれますか?」
「ミア直伝の拳骨喰らわせる」
なんて会話をした翌日、【アポロン・ファミリア】の
ベル達と合流したリリウスはそのまま会場内へ入る。
「じゃあ、俺は帰る」
ソーマは手続きを終えるとリリウスを残し帰った。マジでリリウスを連れて行くためだけに来たようだ。
リリウスはそのまま食事に向かおうとしたが『美の女神』が他派閥の団長であるベルを誘惑していたので頭を殴って、隣にいた猫が殺しに来たので気絶させてから食事に向かった。
自由か、この男。
「おかわり」
「こここ、これで全部ですぅ………」
出されていたローストビーフを全て食い終えたリリウスは大皿を給仕していたカサンドラに差し出すもひーん、と涙目のカサンドラ。
運んでも運んでもリリウスは満足しない。ダフネに助けをと求めるも目を逸らされた。
だから『真っ白な獣に太陽が開いた宴の食べ物が食い尽くされ、テーブルには空の皿しか残らない夢』を見たって伝えたのに。
確か、獣を止めるには業火の花か象の詩が必要なのだ。
カサンドラは赤い花を差し出してみるが首を傾げたリリウスはパクリと食べた。
「あらあらリリウス、お花は食べ物じゃないわよ」
「お腹空いてるの? ご飯ならこんなに在るのに」
と、そこへやって来るのは【
団長のアリーゼは当然だが、アーディは………シャクティが気を使ったか、妹の方が馴染めると判断したのだろう。
「こういう場所では他の人の分も考えないと駄目よ?」
「お肉ばっかりじゃなくて、野菜も食べよ? あっちにデメテル様作の野菜盛りがあったよ〜」
と、リリウスは二人に連れて行かれた。カサンドラはホッと一安心。
「あら、ヘルメス様とベル君じゃない?」
「本当だ。どうする? ベル君良い子だから、ヘルメス様に何か吹き込まれるかも」
会場を歩いているとベルとヘルメスを見かける。2人の言葉がヘルメスという神の信頼度を良く表している。
「…………ゼウスとヘラについて話してる。ベル、何も知らないな」
英雄譚好きなくせに。因みにリリウスから話したこともない。少し、話しにくいのだ、ヘラに関しては。
「後黒竜」
「ふ〜ん? ヘルメス様が見つけた英雄候補ってことかしら?」
「見つけたのは俺だ」
「あ、怒ってる? どうしようアリーゼ」
「後ろから抱きしめてお肉の場所まで運んで食べさせましょう」
よし来た、とアーディがリリウスを抱える。アリーゼがフォークで刺した肉汁溢れるステーキをパクリと食べた。
「あ、見てリリウス! ベル君がアイズちゃんと踊ってる!」
「あの子もやるね〜。リリウス、私達も踊ろう!」
「おっと、ここはお姉ちゃんが先よ!」
アリーゼとアーディが先に踊るペアをかけて争い出す。と………
「じゃあ、私と踊ってくれるかしら?」
デメテルが現れた。
まさかのボスキャラに2人は固まる。
身長差があり親子の遊戯会にも見えるはずなのに、リリウスが踊るのが上手いのでなかなか様になっている。
何時の間にか周りの踊りを完コピしていたらしい。
「この前は助かったわ。私だけじゃ、もっと最悪なことになってた」
「?」
「ほら、ディオニュソスの………ここじゃこれ以上は言えないけど」
「ああ………」
都市の外ということもあり住民には知られてないが、大量の食人花が現れてその隙にディオニュソスは逃げた。
何やらリリウスを見て興奮した匂いを出していたが、何処かであったことがあるだろうか?
取り敢えず気持ち悪い視線だな、としか。
「ところで今度、頼みたいことがあるのだけど」
「神の娯楽に興味はない」
「今なら私の畑で作った
「やる」
その後なんやかんやあり、ベルが【アポロン・ファミリア】の眷属をボッコボコにしたとかで
そして結局【アポロン・ファミリア】と【ヘスティア・ファミリア】は
基本的に特殊な事情を除き、死者を出さずに互いを高め合うために、ついでに金も動くロイマンの策略。
とは言えギルドには権力はあれど眷族は居ない。
大掛かりな準備に眷族が居たほうが早いと【ガネーシャ・ファミリア】は駆り出される。
外に妙な気配を感じたリリウスは
「妹ちゃん、一年だけ移籍するんだっけ?」
「まあ元々同盟組んでるようなものだしな」
そもそも強すぎるリリウスの探索にはついてこられないので、元よりベルと行動する時間の方が多いし。
アーディはそれもそっか、と納得した。
「ところで、妙な気配って?」
「似たようなのを覚えてる。狂三お姉ちゃん達が現れる前………帰る前。何かに穴が空いた気配」
「丁度方角もシュリーム古城跡地だからな」
住み着いている盗賊達が何か知らないだろうか?
その頃、シュリーム古城跡地近く。
近隣の街や村へ向かう馬車を襲っていた盗賊達は、何やら祭りでもあるのかアグリスに向かう馬車が多いのに気付いた。
森の中に隠れながら移動しているのは知っている。馬鹿な奴等だと、盗賊達は笑う。
この辺りの地形、モンスター、動物の分布は把握済み。ここらは自分達の庭なのだ。
数人引き連れ森へ向かい…………しかし、可笑しい。
馬が草を食べている。人間の姿は見えない?
「おい、様子を………」
見てこい、そう言おうとした時、ズシンと地面が揺れる。
オーク? ブラッドサウルス? いいや、この辺りには居ない、何より、足音が大きすぎる。
何が、と振り返り見たのは、10
不気味に微笑むそれは、固まる盗賊の一人を捕まえた。
「え? あ、うわああ! な、なんだ!? 離せぇええ!!」
暴れる。意味がない。振りほどけない。
ぐぁ、と大きく開く口。真っ白な歯の奥に広がる口内の闇。何が起きているのか、直ぐに理解する。
「ああああ! 嫌だぁ、食べないでえええええぎぃ!」
パキリ。頭蓋骨はナッツのように噛み砕かれた。
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