ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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赤い翼

リリウスが性格が凶暴だったりぽやっとする理由。

お腹が減ると苛立ったりボーっとするよね。苛立つ必要がない相手にはとても大人しくなる。だからアリーゼ達は簡単に抱っこ出来るんだね。

 


 

「生贄!?」

 

 命が見つけた情報によると、殺生石と呼ばれるアイテムを造るつもりのようで、殺生石とは()()()()()()()()()()()である。

 

 過去、狐人(ルナール)が同族の死体から作り出した『玉藻の石』と呼ばれる『妖術』を増幅させる石。それに『鳥羽の石』と呼ばれる月光を浴びると色が変わり光と魔力を放つ特殊な鉱石を素材に生成される殺生石は満月の夜、狐人(ルナール)の魔力に干渉するに留まらず魂を取り込む。

 

 するとその殺生石を持つ者は狐人(ルナール)の持っていた妖術が使えるようになるのだ。

 そして、最も凶悪なのは()()()殺生石の欠片全てに同じ効果があるということ。

 

 魂を肉体に戻す方法はある。ただし、砕けた殺生石の欠片が失われれば残った欠片から魂を戻しても赤子同然。最悪廃人となる。

 

「それを、春姫さんに!?」

「はい。春姫殿の持つ『妖術』を量産し、団員すべてを強化し【フレイヤ・ファミリア】に襲撃するつもりです」

 

 そのうえ相手を弱体化させる異常魔法(アンチステイタス)呪詛(カース)も用意している。勝てると『勘違い』する訳だ。

 

「でも、どうして僕を…………」

 

 ベルはふと疑問を口にする。命ならまだ分かる。春姫の古い知り合いの彼女なら春姫が儀式を拒否した場合の人質になり得る。だがベルと春姫はまだ知り合ったばかり。理由が分からない。

 

 春姫の救出は説得も含めて命が。ベルは敏捷を生かし囮になることにした。理由は不明だが、扱い的に狙われているのはベルのようだからだ。

 

「クソが! 何が起きている!」

 

 と、二手に分かれたまさにその瞬間運が良いのかイシュタルと出くわすベル。

 

「【リトル・ルーキー】!? この騒ぎ、貴様の仕業か!?」

「違います!?」

「ふん。だがまあ、丁度いい……まずは貴様を『魅了』してやる」

 

 

 

 

「………猫の匂いがする」

 

 リリウスはピタリと足を止める。どぉ、と落ちてきたのはアマゾネス。上を見ればアレンが居た。

 

「【女神の戦車(ヴァナ・フレイヤ)】!?」

「貴様、どういうつもりだ!」

 

 リリウスはアレンから視線を外しスンスンと鼻を鳴らす。自分に何の感情も向けない事に苛立つアレン。次の瞬間、リリウスが消えた。

 

 

 

「げふぇ!?」

 

 アマゾネスを襲っていたダークエルフがリリウスに蹴られ壁にめり込んだ。

 

「リリウス!」

「イスカ………」

 

 そのアマゾネスはイスカだ。どうやら【フレイヤ・ファミリア】が【イシュタル・ファミリア】を襲撃しに来たようだが、緊張しいのヘグニは人が沢山いて顔を見る余裕もなくなりアマゾネスを無差別に襲っていたようだ。

 

 Lv.7へと至ったヘグニは【フレイヤ・ファミリア】内の2番手の白兵戦を得意とする戦士。Lv.5のイスカには荷が重かったようだ。そしてリリウスの相手には軽すぎた。

 

「【フレイヤ・ファミリア】の襲撃か……」

「そうみたい。でも、どうして急に………」

 

 イシュタルは確かにフレイヤを敵視しているが、フレイヤはイシュタルを特に気にしていない。なんならむしろ自分につっかかってくるイシュタルを暇つぶしの相手だと好んでいるまである。

 

「イシュタルがフレイヤが横恋慕している相手を攫ってな。その報復だろ」

「え、横恋慕? フレイヤ様が……? その人をイシュタル様が!? こ、恋の話題なの?」

 

 ワクワクドキドキ、こんな時に興味津々なイスカ。

 リリウスは暫く虚空を見つめる。

 

「恋の三角関係に………三角………三? 多角形にイシュタルはいない。イシュタルはフレイヤに嫌がらせしたいだけだ。先にイシュタル殺す事にしたのは俺なのに」

「え、殺す? だ、ダメだよ! ギルドに怒られる!」

「……………じゃあもうフレイヤにやらせるか」

 

 結果論ではあるがリリもノエルも無事だったし、結果が変わらないなら自分で手を下すまでもないとイシュタルから興味を失うリリウス。そもそも顔が分からない。歓楽街にはイシュタル傘下の神もいるだろうし………。

 

「それじゃあ【イシュタル・ファミリア】の団員の保護を手伝って」

「やだ」

 

 無事なのは結果論であって、リリ達が襲撃されたことは変わらないのだ。

 

「手伝って」

「……………………分かった」

 

 リリウスは渋々頷いた。まあ、傘下にいるが方針に支配されるのを嫌い恩恵も貰ってない無所属(フリー)まで襲撃されているようだし………。

 

 リリウスはふとヘルメスを見つけた。何やらアスフィに得意げに語ってムカついたので近くの石を投げて気絶させた。

 大方、イシュタルがフレイヤの懸想相手を見つけたのは彼がフレイヤにイシュタルを排除させる為に情報を流したからだろう。一言『ぶっ潰してくんない』と異国の珍味でも持ってくればその日の内にリリウスが潰していたものを。

 

 ベルへの『試練』のつもりだろうか? まあちょうどいいか、とリリウスは女主の神娼殿(ベーレト・バビリ)を見る。

 

 格上、格下との戦いの経験はあれど同格は少ない。アマゾネス共にはベルの成長の餌になってもらおう。

 

「でもあっちでもこっちでも爆発に火事………人手が足らない」

 

 白の芸術(アルスワイス)なら人手は足りるだろうが、とリリウスは空を見ると跳んだ。イスカがえ、と視線で追いかけ上を見ると一匹の大鷲が旋回しておりその背に乗るリリウス。

 

 ヒューマンの子供サイズとは言え人一人乗ってこゆるぎもしない。

 

「【馬の尾を偽りし千の蛇。白は黒に。栄光は退廃に。忌まわしき嘘つき共は不死を求める故に、我が身は天を暴く】」

 

 リリウスの口から紡がれるは詠唱。しかしリリウスの魔法ではない。『代理詠唱』。スパルナの魔法。

 

「【維持の称賛。雷光の友誼。この身は蛇を喰らい栄光を再び灯す】」

「【ラクタパシュカ】」

 

 地上にてエルフの魔法剣士が放った炎がアマゾネスに当たることなく空へと向かう。

 

 屋根の上でドワーフに向かい放たれる魔剣の炎が空へ向かう。

 

 建物を焼く炎が、今まさに発生した爆炎が、歓楽街の蹂躙を楽しむ神のタバコの火が………例外なく歓楽街中の炎が蛇のように長く伸び空へと向かいスパルナに集まる。

 

 【赤い翼を持つ者(ラクタパシュカ)】。その魔法効果は集炎魔法。魔法だろうと魔剣だろうとただの炎だろうとそれこそモンスターの炎だろうと、指定範囲内全ての炎はスパルナに集まる。例外はスパルナ以上の魔力。ただし魔法の発動中、『魔力』は詠唱者と共有される。

 

 リリウスの魔力を超える者は居ない。精々がリヴェリアの【レア・ラーヴァテイン】の炎柱一つの支配を維持が精々か。

 

 歓楽街の炎は条件を満たせずスパルナに飲まれ、スパルナが炎球を生み出すとリリウスの剣から現れた炎の蛇が喰らう。

 

 歓楽街の炎を鎮火したリリウスは地上を一瞥する。すぐに白の芸術(アルスワイス)を落とし対処に向かわせた。

 

 暫くすると空へと昇る光が見えた。どうやらイシュタルが帰還したようだ。

 

 

 

 

 翌日。自分を抱き枕代わりにするアリーゼとイスカを起こさぬようそっと起きるリリウス。

 魔石で動く冷蔵庫を開け中の食料を確認すると朝飯を作る。全部食べたくなったが我慢して残し【アストレア・ファミリア】が起きる前に帰った。

 

 

 さて、タラスクの甲羅を【ゴブニュ・ファミリア】に預けたは良いが、Lv.5の鍛冶師である椿を呼ぶ………即ち二大鍛冶派閥の合同作成となり連絡のために時間を要するとの事だ。

 

「……帰ってきたかリリウス。手紙が届いている」

「手紙?」

「アフロディーテからだ」

 

 リリウスは目にも留まらぬ速さでソーマの持ってきた手紙を奪い取る。

 どうやら劇団を引き連れオラリオに来るらしいのだが……同時に冒険者依頼(クエスト)

 

「……………邪竜カドモス?」

 


 

次回! ベートさん、女にモテるのだん!

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