ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
「話が盛り上がっているようだな」
「あら〜、皆仲良く出来ているのね」
と、モンスターと人の奇妙な宴に新たな影が現れる。
黒いローブで全身を隠した黒衣の人物と、白髪の
リリは一部を見て思わず「でっ………」と声を漏らした。
「この子達は、人が大好きだものね〜。仲良くしてくれて嬉しいわ………飴をあげましょう」
飴と言いながらだされたそれはどう見ても
「あ、ど、どうも………」
先程リド達から貰った
「えっと、貴方は………」
「私はエウロペ。貴方がベルちゃんね? まあまあ、リリウスの言う通り真っ白な髪なのね………うふふ。リリウスもそうだけど、なんだか親近感が湧くわね」
大人の女性だ、とベルは思った。年上の女性の知り合いの多いベルではあるが、年の離れた女性ともなれば神々やミアぐらい。ミアは確かに大人の女性だが肝っ玉母さんと言うか、親しみは覚えるがそういう目で見れない相手。
この人はなんか甘い匂いがする。思わずドギマギするベルをリューや春姫がジーと見つめる。
「この方は? 冒険者、ではありませんよね?」
中層に2人で来れる冒険者となると数が減る。ましてやこれ程の美女となれば話題にならないなどあり得ない。多くの冒険者を調べていたリリが知らないとなると、彼女は冒険者ではないのだろう。
「私はエウロペ。ええ、冒険者ではないわ。ここに住んでいるの」
「ここって…………ダンジョンに!?」
「そんなに驚くことじゃないわ。リドやタロス達は強いし、ダンジョンがこの子達の為に用意してくれたここも、色んな階層にあるから」
因みにこの未開拓領域はモンスターの生まれない
「ダンジョンが?」
「リド達はそう思ってるわ。私も、そう思うの……モンスターはこの子達を嫌うけど、ダンジョンはこの子達を生かそうと思ってくれているって」
そう言って微笑むエウロペの顔には慈愛に溢れていて、ベルは釣られて笑う。
「そうですね。そうだと、いいですね」
「それで、結果は?」
リューは一人、アリーゼ達と接触していた。
あの後ウィーネをダンジョンに残し地上に戻ってきた【ヘスティア・ファミリア】………ウィーネの涙を思い出し気が滅入りながらもリューは
そう、ベル達は尾行されていた。
【イケロス・ファミリア】。
「逃げられちゃったわ。慣れてるのね、ダンジョンを………私達以上に」
「逃げられた? 貴方達が?」
「主犯達にね。捕まえたのは殆ど平団員………」
と言うかそういう時囮にするために連れていたのだろう。まあおかげで色々聞き出せたが。
「新しい買い取り先も分かったし、またネーゼ達に出張を頼むことになりそうね」
『里』に保護された
【イケロス・ファミリア】を叩こうにも
「【
でもリリウスに謝らせることが先らしい。
「まあ【
カーバンクルのカールとバーバリアンのバー・バル曰く空の檻か、死体が転がっていたらしい。リリウスが何度か出撃してもその頃には売られているか殺されているか。
リリウスを呼ぶ原因になっているからか、生まれたばかりでも捕まっていない個体が増えているが。逆に言えば、【イケロス・ファミリア】はリリウスに喧嘩を売っているのだ。
「こわい物知らずかよ」
「あるいは、それでも優先したいのか…………」
「あの
レヴィスはディックスと言う男に問いかける。
ディオニュソス曰く『里』の者ではない
オラリオが人質にされている現状、深くは入りこまない。リリウスは
「おとなしく生まれたてを襲えばいいものを」
「はっ。何も知らねえ生まれたて殺して楽しいものかよ。ある程度育って、怪物の分際で夢なんざ持つ奴等を踏みにじらねえと気が済まねえ!」
嫌悪、厭悪………そして嫉妬を含んだ声色にレヴィスはくだらないと鼻を鳴らす。要するに『宿願』を植え付けられた男が夢を持つ何かに当たりたいだけというわけだ。
「ん?」
サーガラの背中でドラゴンの肉を食っていたリリウスは急に光ったフィルヴィスを見る。Lv.4ほどしか無かったフィルヴィスの気配が強まり膨大な魔力が溢れ出す。
「っ! クソ、やられた!」
分身を解除したのだろう。破壊されたか、自害したか。正規手順ではない魔法の解除。苦しげに呻くフィルヴィスはしかしすぐに顔を上げる。
「【イケロス・ファミリア】が
「あのカスども………。だがまあ、それぐらいなら…」
なにせ理知がある。そう分かりやすく暴れたりはしないだろう。
「攫われたのは
「里の連中は?」
「幸い死者はいない………」
それはリリウスに対して完全に喧嘩を売るどころか殺してくださいというようなものだからだ。
「そうか………いい加減殺すか、【イケロス・ファミリア】」
リリウスは特段ウィーネに思い入れはない。まだ知り合ってもいないのだから。だが、今回のこれは明らかに
「オオオオオオオオオオ!!」
と、吼えるは深層の階層主。下層の階層主を超えるヴェノムスカイ・センチピード・ドラゴンすら恐れ従う真性の竜。片手の指を食われご立腹のようだ。
ヘビの特徴を持たない竜にリリウスは舌打ち。
「アステリオス、先に地上に向かえ」
「む………」
「お前が弱いからじゃねえ。新入りで、連携が取れねえ」
だから抜く。この階層主はなるほど強いが、それでも【ゼウス】と【ヘラ】の精鋭にも迫るであろうリリウス達の脅威になりえない。
問題は階層主に呼ばれた竜の群。無限に湧き出る竜が邪魔だ。道を広げてもすぐに塞がる。が、その数瞬で十分。
リリウスはヒョイとアステリオスを持ち上げる。
「…………え?」
「体丸めてろ。ぶつかると手足千切れるぞ」
「え? え!?」
困惑し、しかし慌てて足を抱え丸くなるアステリオス。リリウスは蹴り飛ばした。
竜の鱗も骨も砕きながら吹き飛ぶアステリオス。
ブラックライノスの亜種である漆黒の
原作通りのところはスキップスキップ。異端児編は3巻分だからね。オラトリオ含めるともっと