ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
現在ダンジョンで暗躍しているのは当然
更に世界最強のリリウス・アーデも第一級を引き連れ向かい、ついでに今話題の最速で駆け出しからLv.4になったベル・クラネル。Lv.3でありながら第一級にも引けを取らない火力を誇るレフィーヤ・ウィリディス、後報告を受けた
きっとその事実を知った者達は、普通ならこう思うだろう。『俺達が一体何をしたってんだ』と。悪事をしたのだ。
「あら、【
「アリーゼ・ローヴェルと………やあ、ライラ」
「よおフィン。こんなところでばったり出くわすとは運命感じちまうなあ」
「目的が同じならそういうこともあるさ。それに、それだとアリーゼ・ローヴェルも僕の運命の相手ということになるよ?」
ライラの言葉をフィンはキザに流す。オラリオの殆どの女冒険者なら頬を赤らめるだろうがアリーゼはカラカラと笑う。
「あら、駄目よ。私にはリリウスがいるもの」
「…………………リリウス、か」
「? 確執は消えたと聞いていたのだけど」
じゃなきゃ手を組めるとは思えないが。
「ああ、いや。ついこの間修行させられてね」
「きつかったのか?」
「
「「…………………」」
アリーゼとライラは顔を見合わせ、もう一度フィンを見る。
「バロールの、それも変異種と戦わされた」
「……………よく勝てたな」
「まあ…………
「リリ坊が手伝ったとか、そりゃそうだよな」
「いや、後ろで腕組んでた」
でも、一人ではなかった。あの場では一人だとしても、戦っていたのは一人じゃない。生まれたばかりのはずのバロールが、それでも幻視する過去を刻んだ古の英雄達。そんな
「リリウスって、少しスパルタなところがあるものね」
「「「少し?」」」
ライラ、フィン、リヴェリアは首を傾げた。
「いいなあ、リリウスさんの、修行」
因みにアイズもいる。一晩寝て回復した彼女は
「アイズは彼に弟子入したのではなかったか?」
「『俺は下に潜るからそいつ等に鍛えてもらえ』って………」
目つきの鋭さを表現したいのか目元を上に引っ張るアイズ。
「その後、ちょっと大変だったな」
「何かあったのか?」
「えっと…………私が、出てきた?」
「なぜ疑問形」
「私だけど、私じゃない………でも
アイズの中の幼女のアイズが『変なとはなんだー』と抗議の声を上げる。
「変?」
「ええと、折紙さんみたいに、ベルの事を『ペロペロ、クンカクンカ、ハスハスしたい』って………」
「折紙? ああ、彼女か………え、まって、彼女?」
あんなのが出たの、という顔のフィン。と言うかベルって…………そうか、彼も大変だな、と親近感が湧くフィン。
「その私が、ベルを誘拐して結婚しようとしたの」
「……………大変だね、彼も」
「【
「まああたしみたいに結婚しようぜっていう良識的な女と違って、何故かもう結婚した前提の話をする女に目をつけられてるからな、フィンのやつ」
「あ、でも………」
と、アイズは己の胸に手をそっと当てる。
「あの子は、きっと私の本心に近い部分」
「────」
「リヴェリア!?」
リヴェリアが何もないところでスッ転んだ。
「ほ、本心? な、何を言われたか知らないが、気にするなアイズ。お、お前はそんな事をしたいとは思ってないだろ?」
立ち上がり土埃を払うリヴェリア。アイズもうん、と頷く。流石にペロペロとかしたいとは思ってない。あ、けど…………
「膝枕したり、髪をもふもふしたりはしたいかな…………………後、膝枕、されたい……かも」
「……………」
「リヴェリア!?」
エルフの王族はゴシャと膝をついた。冒険者じゃなかったら膝の皿砕けてるんじゃないかあれ。
「おち、おちつ、おお、落ち着けアイズ。膝枕なんて、あれだ。お前には早い!」
「膝枕って年齢制限あるの?」
「エルフはそうなんじゃね?」
「今度リオンに聞いてみましょう」
「あのポンコツは固まるだろ」
リヴェリアはふらふらしながら立ち上がる。エルフらしいところもあれど、ガチガチの価値観に縛られてないから耐えられた。リオンなら耐えられなかった。
「それで、そのもう一人の彼女はどうなったんだい?」
「ベルと結婚しようとしてた」
「ヴェ」
エルフの王族にあるまじき妙な声を出してぶっ倒れるリヴェリア。なんか今回のリヴェリア面白いな、とちょっと思うフィン。
「アイズちゃん。さっきその子の事自分の本心に近いって言ってなかった? ベル君と結婚したいの?」
「別に?」
「あら即答」
ベルがちょっと可哀想になるアリーゼ。しかしアイズは『けど……』と続ける。
「………側に、いて欲しい………かな。ううん、いて、欲しい」
「アイズ………」
ベルが頑張ってるのは知ってるし諦めない根性があるのも知ってるリヴェリアは少し複雑。
アイズは無意識に左手の薬指を右手の指で擦る。
「側に、いてほしい。他の誰かのところに行かないでほしい。私を見てほしい。でも、誰かの為に何もしないベルは見たくない。私だけ見て、他の人の涙を見ないベルは、なんか違うの。ベルは、誰にでも手を差し伸べちゃう。なのに、やっぱりそれは、ちょっとさみしいな、って」
アイズの中の小さなアイズが姿を消し、アイズの口は動く。
「だから、あの子も私の一部。ベルを閉じ込めようとしたあの子もきっと、私にもある醜い部分」
それをアイズは認めた。
「それって……結局お前はリリ坊の弟子とどうなりてえんだ?」
「うん、と…………側にいて、それから……側に、いる? うん。側にいて欲しい。お父さんとお母さん、みたいに」
それは2人のように自分
「リヴェリア、足が生まれたての子鹿のようだよ」
「問題ない。要するに、ベル・クラネルに婿の作法を教えればいいんだな?」
「リヴェリア、正気に戻るんだ」
なんというか、リヴェリアとアイズにあの派閥の影を感じるフィンであった。と………
「「「オオオオオオオオ!!」」」
気が高ぶり漏れたリヴェリアの魔力に反応したのか食人花の群れが現れた。読み通り、
情報のちょい出し
リリウスはそれを見た。
確信するにも、あまりに現実離れした、
今のオラリオの総力をもってしても届かなかった【ゼウス】と【ヘラ】、それに加え海戦に優れた【ポセイドン】の派閥をして数多の死者を出した………順序を考えれば、ベヒーモス戦よりも位階の高い英傑達をして敗色濃厚だった正真正銘の怪物。
あれを取り込むにしても時間がかかるだろう。その前に殺さなくては、世界が詰みかねない。ベヒーモス・オルタ同様オリジナルに劣るだろうが、それでも十分な化け物。
雲でも退いたか、強くなった月明かりを浴びながら息を大きく吸い潜ろうとするリリウス。水底に目を向け、気付く。違う、光源は
光が昇る。夜の闇を照らす幻想的で禍々しい破滅の光。神の送還を思わせる光の柱が無数に空と海を繋ぐ。
「あづ………!!」
光熱により急激に膨張した海が爆ぜ、吹き飛ばされるリリウス。液体から気体と姿を変えた海が空へと昇る上昇気流。光から逃れた巨大船があったとしても、空へと巻き上げられ砕かれていたことだろう。
海から昇る上昇気流が何を生むかなど、船乗りでなくとも知っている者は知っている。上空で冷えて凍り付いた水分が乱気流の中周囲の熱を奪い、冷えた空気がリリウスを海面へと叩き落とす。
たった一体の怪物が復活した。それだけで天は星々も月の明かりも忘れ、代わりに雷光を灯す。海は恐慌するように荒れた。
地の上にそれに並ぶものは他になく、恐れというものを知らない。何者も戦い、それを屈服させることは出来ない。
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