ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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判明と推測

「もぐもぐもぐ…………薬の味………人為的に混ざってんなあ。『神秘』持ちがいるのかもな」

 

 食人花の融合体を食いながらリリウスは言う。

 農薬だらけの野菜でも食ってる気分だ。さっさと隠れ里のだいほんめーとかいう特大チョコ食いたい。

 

「神秘持ち………人造迷宮(クノッソス)の製作者とかいう男かのう」

「タナトスから聞いて予想した人物像的にそれはねえな」

「タナトス………邪神だぞ」

「だが、眷族と割りと真っ当に向き合ってる神でもある」

 

 死を司るが故に相容れないが、どっかの女神みたいに街娘に扮してはっちゃけないと本音で話せないわけでも、いす………いず? 春姫の元主神のように子供達を愛しているといいながらその魂を輪廻から外すのを厭わぬわけでも、真面目に聞いた恋愛相談に対して黒いフード被って見守るように教え相手を怯えさせるように仕向けどう振られるか賭けたりするわけでもない。

 

「俺は好きだぞ、あの神。善神ではないが、道具にされても玩具にはされない」

 

 そう、だから…………()()から連想する策が実行されるなら、それはタナトスの仕業ではない。

 

「う、うぅ…………」

「だれ、か………」

「……………これは、冒険者?」

 

 緑肉に取り込まれた冒険者達。誰も彼も衰弱こそしているが、飢え死にしないようにか口の中に管が通っている。生かさず殺さず、ここで食糧庫(パントリー)のかわりに冒険者から魔力を吸っているらしい。

 

「お前等、そろそろあの蟻の巣に潜るんだろ?」

「うむ」

「足が遅い奴は連れてくな。こうなる可能性がある」

「なに………?」

 

 リリウスの言葉にガレスが訝しむように視線を向ける。

 

「じゃなきゃ精霊も蟻の巣もわざわざ見せるかよ。その時が来るまでこっそり育てりゃ良いんだ」

 

 だがしなかった。そこには必ず理由がある筈。

 

「俺とエピメテウスを抜けば、あれを単騎で討ち取れるのはレオンと猪ぐらいだ。今はフィンもか………お前達は必ず()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 それはつまり、数多の『餌』が巣に自ら飛び込むということ。

 

「いや、しかし…………そのような扱い方で区別がつくのか?」

「つける必要ねえだろ、タナトスじゃねえんだから」

 

 つまりはディオニュソス(エニュオ)。デメテルから聞く限り、狂神(きょうじん)の類。死を振りまきながらも子供達の在り方を重んじるタナトスと異なり、自分が作った舞台で蠢く者達を指差しゲラゲラ笑う神。

 

「確か元【ディオニュソス・ファミリア】の連中が真意を知りたいとか言って同行を願ってるんだったか? 断われ。元より役立たずで………今はそいつ等の本当の主神も行方不明なんだろ」

 

 元【ディオニュソス・ファミリア】………現【()()()・ファミリア】。女神ペニアは本来眷族を持たない。だから都合が良かったのだろう。ディオニュソスを主神と信じている者達は何時の間にか彼女の眷族になっていたらしい。彼女が送還されればただの人になり、最悪なタイミングはダンジョンにいる事だが、彼等彼女等は落伍者。

 

 それでも慕う主神の為になら危険にだって飛び込むだろう。

 

「本来は蟻の巣で自分の死を偽装して、ついでに死体を食わせるまでが予定だったんだろうな」

「何故そこまで解る?」

「あん? むしろなんでわかんねえの?」

 

 本来なら見せずに隠しておくべき手札、精霊の分身(デミ・スピリット)人造迷宮(クノッソス)を敢えて見せた。

 

 死体を一気に処理できれば自分の送還()を何時でも偽装出来る状態にしていた。

 

 女神デメテル、女神アストレアから【ロキ】【ガネーシャ】に共有された天界でのディオニュソスと言う神。

 

 最後に死体の処分と有効活用を同時に出来るであろう光景を今日見つけた。

 

「ここまで情報が揃って、わからないなんてことあるのか?」

「「「「………………」」」」

 

 嫌味一切なく、馬鹿にしていないのに馬鹿を見る目を向けるリリウス。リリウスからすれば推理でも推測を立てるでもなく、出された情報から読み取るただの作業なのだろう。

 

「流石です、兄様!」

 

 

 

 

「……………とまあ、あくまで僕の推察だけどね」

 

 一方その頃、フィンもまたリリウスと同じような説明をリヴェリアとアイズにしていた。

 

「用意周到と言うか…………神デメテルと神アストレアから神物像(じんぶつぞう)を聞いておいてよかったよ」

 

 フィンの中で固まっていた神のイメージとしては、相手が人間であろうと卓について視線を合わせてくれる者達。零能に身を落とし、()()()()()を楽しんでいるからこそ、上から目線でもルールを合わせる者達。

 

 しかしディオニュソスはそもそもその盤上に盤外から剣を振り下ろす。対戦中のタナトスとオラリオ(プレイヤー)を無視して。

 

「どうする?」

「突入を取りやめることは出来ないよ。それならそれで結局羽化した精霊が暴れるだろうから」

 

 現状フィン達に出来るのは餌にされるであろう冒険者を突入組から省くこと。決戦が始まってから出来ることは、早期に精霊を討ちそもそも発動させない事。

 

 最適は、死神との契約により人造迷宮に入らぬリリウスを投入するためにヴァルカなる眷族を討つ事。リリウスなら人造迷宮ごと緑肉を凍りつかせることが可能だろう。

 

「Lv.7になっても出来ないことって多いね。ほんの10と少し前なら、幹部にかなりの数いた程度の位階だと、改めて思い知らされたよ」

恒例、100話区切りの特別編

  • リリウス、グルメ時代に立つ(トリコ)
  • マクールの竜退治(幼年期の冒険)
  • 迷宮偶像(アイドル)
  • 平行交差(原作時空)
  • 問題児たちがオラリオに来るそうです
  • リリウスは使い魔(ゼロ魔)
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