ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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怒れる兎

前回のあらすじ(大嘘)!

 

何故かめっちゃ見てくる女の子とともに高校に転入してきたリリウス。学校の帰り、妙な空間に迷い込む。それは人を襲う魔女の結界で!?

 

リリウス 転校生。イレギュラー。魔女の正体に直ぐに気付く。人を食べる魔女を食べる。魔法少女だって食べようと思えば食べれる食物連鎖の頂点。

 

ほむら 彼は一体。彼、よね? ていうか何で子供が中学に? 時を止めて射撃しても肌に銃弾通らない。

 

まどか 人の為に魔法少女になろうとしたらボロクソ泣かされる。それ以外の時は案外仲がいい。

 

さやか 泣かされる。

 

杏子 泣かないけどボコされる。

 

マミさん 心強い魔法少女

 

ごんべえ なんかキャラが被ってるなと思ってる。

 

インキュベーター 質量保存とエネルギー保存に喧嘩売ってるリリウスを宇宙の電池にしようと目論むリリウスとごんべえの餌

 


 

 敵の攻勢が弱まった。それを敵戦力が減ったのではなく、誘われていると判断したのはレフィーヤとアーディ。

 

 派閥こそ異なれど、都市三大派閥の副団長と準幹部は敵の狙いを見抜く。とはいえ、行く以外の選択肢はない。ここで引いて戻ったところで、蛻の殻になっているだろうからだ。

 

 そして辿り着いた最奥。

 無数の金属パイプ、コード、液体の中に何かが浮かぶ硝子の筒。

 

 ここに繋がる道は他にもあるが方角はほぼ同じ。つまりこここそ未開拓領域の端。

 

「ウィーネ、ノエル!」

「反応…………ありませんね」

 

 ベルの言葉が響くが返事は返ってこなかった。少なくともこの近くにはいないのだろう。

 

「来るのが早いよぉ〜。まだ準備が終わってないんだけど?」

「誰ですか!?」

 

 代わりに響く男の声。ベルがナイフを構え睨みつける。

 

「誰、と聞かれても、名前はミュラーとしか答えられないなぁ。ついでに言うなら、所属は闇派閥(イヴィルス)の残党」

闇派閥(イヴィルス)っ!!」

「3組の侵入者のうち、一番乗りは君達かぁ。都市を賑わす【リトル・ルーキー】に【千の妖精(サウザンド・エルフ)】に、都市の憲兵様たちの副団長………他の者も実力者っぽい。こりゃ止められないわけだ」

 

「………ミュラー、と言いましたね。この領域(テリトリー)はなんなんですか? 苗花(プラント)ではないんですか?」

苗花(プラント)を知っているんだ? 話が早いねえ」

 

 ここは、名付けるなら実験場(ラボラトリィ)。生産工場の苗花(プラント)と異なり、その名が示す通り実験を行うための場所。

 

 苗花(プラント)が何個も潰され、工夫を凝らし冒険者に見つかりにくいものを用意したのだとわざわざ説明する。

 

「それでは貴方が、異端児(わたしたち)にも見つからない領域を築いた張本人?」

「──────────……? 君は、まさか………」

 

 ミュラーの貼り付けていたような笑みが崩れ、レイをジッと見つめる。

 

「…………モンスターの、喋る個体?」

「!!」

「ふっ、うふふ………ははははははははははははっ! まさか、まさかまさか! こんなところで会えるなんて!」

 

 うってかわり、心からの狂気的な笑みを浮かべるミュラー。レイが怯えるように肩を震わせた。

 

「【イケロス・ファミリア】に融通してくれと何度お願いしても断られてさぁ! ずっと欲しかったんだよ、最高の『実験台』!」

「実験台?」

 

 ()()そのように扱う発想がまず出ないベルはミュラーの嬌笑にただただ困惑していた。

 

「あ〜…………となると、人質の中にいたあの女の子も、そういうことだったのかなぁ? あ〜〜〜。勿体ないことしたなぁ〜!」

「なんニャ、こいつ………! いきなり騒ぎ出して、目の色を変えて、気持ち悪いニャ!」

 

 アーニャが鳥肌を浮かべながら叫ぶ。

 

「………ああ、失敬失敬。興奮したりすると、いつも周りが見えなくなるんだ。お客さんの前ではしたなかったなぁ」

「急に落ち着いたニャ!」

「まぁ、とにかく。君達招かれざる客が来てヤバい状況になっていてね。僕は慌てて逃げ出す準備をしている最中なんだ。君達………特に美しい『異端』の君と別れるのはとても残念なんだけど………見逃してくれないかなぁ?」

 

 異端児(ゼノス)に嫌悪や疑念の目を向けないというのに、レイはこの男と融和は不可能だと、直ぐに察した。

 

「わかりきってる答えを聞かないでください」

「大人しくすれば痛くないよ」

「ウィーネやノエルは、どこにいるんですか!? 僕の仲間を返してください!」

「寸秒も待たず交渉決裂ー。嗚呼、悲しいー」

「…………………………」

 

 コロコロと態度の変わるミュラーを、クロエは鋭い目で睨む。

 

「クロエ? どうしたニャ? なんだかめちゃくちゃ怖い顔をしてるニャ…………」

「無意味にペラペラと事情を話しすぎ。口では危機(ピンチ)っていうけど、余裕は崩さないまま。この手の輩は愉快犯か、狂ってるか………あるいは『薄汚い策』を仕込んでる!」

「あはは、バレた? まー、時間稼ぎだよ。駒を用意する為の、ね」

 

 と、別の場所につながっているであろう通路からモンスターが現れる。しかし、その姿は異様。

 

「コボルトと………食人花が混ざってる!? 気味の悪い緑肉(にく)がモンスターにへばりついて! これって………!」

 

 似たようなものを知っているレフィーヤは顔を歪めた。

 研究者というのは己の成果を自慢したがるもので、ミュラーがわざわざ説明してくれた。このコボルトがミュラーの作り出した存在。怪人(クリーチャー)の技術提供を受けて混ぜられた混成種(キメラ)

 

 より強力で生産しやすい個体を、という話でコボルトと食人花(ヴィオラス)を掛け合わせてみた。

 

「で、さ? 手頃な冒険者が中々捕まらなくって、困ってたんだ。戦闘記録(データ)が足りないって。せっかくだから、戦闘記録(データ)、取らせてよ。思う存分、殺し合ってさ」

 

 その言葉とともに襲いかかるコボルト混成種の群。生産しやすいというだけあり、その数は多い。何より………

 

「動きが速すぎニャア! こんなのもう低級モンスター(コボルト)じゃないニャア!」

「おまけに背中から何本もの触手がー! いやー、陵辱の宴ー!! ミャーの趣味じゃないから少年を狙うニャ! きっとアヘへウヘヘな顔で喜ぶ筈ニャー!」

「喜びませんよ!!」

 

 因みに喜ぶのはクロエである。

 

「速い動きに、複数の触手による攻撃! 爪牙は勿論、外皮まで強固になっています!」

 

 敏捷に優れる小型級に、大型級の攻守を取り入れた異種混成(ハイブリッド)。単純に性能が強い。

 

怪人(クリーチャー)の存在を知ってね、作ってみたんだ。もし命令を聞くようになれば優秀で立派な兵器になる。けど………」

 

 ミュラーはチラリとレフィーヤを見る。

 

「【帯びよ炎、森の灯火。撃ち放て、妖精の火矢。雨の如く降りそそぎ、蛮族共を焼き払え】【ヒュゼレイド・ファラーリカ】!!」

 

 魔力に惹かれ突っ込む群れを火矢が焼き払う。

 

「モンスターを、全て焼き払った!」

「フハハハッ、魔砲こそ戦場の華よ! 守っていた甲斐があったニャー!」

「ん〜………魔導士に引き寄せられちゃう傾向があるねぇ。まだヴィオラスの特性が強いなぁ。人に混ぜるよりはマシかなぁ」

「………人………なら、あれは……」

 

 18階層に現れた人とモンスターの混ざりあった闇派閥(イヴィルス)信者を思い出すレフィーヤ。

 

「あれねぇ、失敗作。モンスター同士を混ぜるより凶暴になるし、一ヶ月ぐらいで死ぬしさ」

「貴方、人の命をなんだと思って!」

「ええ、別によくない? どうせ君達に敵対してるんだから、殺すんでしょ?」

 

 レフィーヤの激昂になんで怒るの、と言いたげなミュラー。

 

「こっちも改良の余地あり、と。ただまあ、数さえそろえば第2級冒険者と渡り合えるってのは収穫だったかな。でぇ…………」

 

 アーディが容赦なく斬り殺していく。物量による時間稼ぎしか出来ない。

 

「あんまり長居できないね。戦闘記録(データ)も取れたし、そろそろ逃げよっか」

 

 部下を引き連れ去ろうとするミュラー。獣人対策か、ご丁寧に匂い消しをまいていく。

 

「逃がしません!」

 

 が、レイが頭上を飛び越え立ちはだかる。

 

「へぇ、流石はモンスター。大した脚力に加え、随分と身軽だ。しまってある『翼』も使わずに、ここまで飛び越えてくるなんて」

「! 飛行種(わたし)の正体に気づいて………!?」

「でも、いいのぉ? 僕は我が身大事なヤツだけど、貰えるものは貰っておく主義だよ?」

「触手!? うあぁー!?」

 

 まだ潜ませていたコボルト混成種がレイを背後から捕らえる。正体を隠すために翼を出さない服装故に何時もより 動きが鈍り捕らえられてしまう。

 

「超絶美女が触手の餌食にー! なんか絵面がエッチー!」

「クロエ少し黙るニャ!」

 

 けど締め付けられ息が荒くなるレイは実際結構エッチ。触手が胸の谷間に挟まり布が押し付けられ胸の形がはっきりと………。

 

「ははははは! なんて幸運! 実験場(ラボラトリィ)はもう駄目だけど、こんなお土産が手に入るなんて! いい被検体が手に入った! 色々しよう! 沢山実験しよう! 皮を剥いで、爪と牙を埋め込んでみて、壊れたら直して!」

「っ!」

「大丈夫、大切に使うよ! 約束する! 君が喋れなくなっても、泣き叫んで笑えなくなっても、隅々まで使いきる! 可愛い道具(モルモット)として、命も尊厳も、何もかも奪ってあげるか、ら…………!?」

 

 瞬間壁が爆ぜ、現れるリリウス。ミュラーは忘れていた。武装した喋るモンスターに手を出すな、闇派閥(イヴィルス)にて誰もが言われた厳命。群れの一員となった彼等に手を出す事は、そのままリリウス・アーデに喧嘩を売るという愚行。

 

 音と匂いである程度の状況を把握していたリリウスは視覚情報により全てを理解し、ミュラーを見据える。

 

 即座にミュラーを殺そうとしたリリウスが動きを止めたのは、自分以上の怒りを感じ取ったからだ。

 

「──────()()

「ん?」

「その人を、()()

 

 深紅(ルベライト)の瞳がミュラーを見据えた。

 

「人? 何を言ってるのぉ? これは『怪物』で──『道具(モルモット)』だよ! 心置きなく辱めて利用できる、最高の実験台だぁ!」

「──────ぁ」

 

 レフィーヤは見た。その瞳に瞋恚の炎が灯った瞬間を。そしてその体が沈んだ瞬間、少年の姿は掻き消えた。

 

「──は?」

 

 そして灰に代わるモンスターの群れ。

 

「………………モンスターの胸を、一瞬で…………」

「ぶった切って、灰に変えた?」

「はああああ!!」

 

 駆け抜ける白き光。

 純白の猛攻が奔り、モンスターが1体、また一体と解体されていく。

 

「はぁ!? 待って待って待ってぇ!!」

 

 ミュラーの顔から余裕が消える。再びモンスターが灰に変わる。

 

「なにソレェェェェェェェェェェェェェ!?」

「【ファイアボルト】!!」

 

 突き進む炎雷。抵抗を許さずモンスターの群れを焼き尽くす。

 

「一人で、モンスターの大群を…………」

「片っ端からぶっ飛ばしまくってるニャア! 白髪頭、何時の間にあんなに強くなったニャ!?」

「あれ………? これもう、ミャー達より強くね?」

「『覚醒』………?」

 

 アーニャ、クロエ、レイがその圧倒的な強さに呆然と声を漏らす。

 

「ウィーネと、異端児(わたしたち)と…………好敵手(かれ)と出会って、あの冒険者(ひと)は覚醒するほどに強く!!」

「あれがLv.4!? 冗談やめてよ! こんなの、()()()…………!」

「せああああ!!」

 

 

 レイを拘束していたコボルトが魔石を砕かれ灰に還る。急に拘束を解かれ地に落ちそうになったレイをベルが抱きとめる。

 

「べ、ベルさん……」

「この人を傷つけるなんて、させない。もう、異端児(この人達)を奪わせない! レイさんは、僕が守る!」

「べ、ベルさん………!」

 

 己の肩に回された力強い腕。かかる吐息の熱に、決意の咆哮。レイの顔がほんのり朱に染まる。

 

「なんか、メスの顔になってるニャ!?」

「? なるも何も、レイはメスだろ」

「見せびらかすなー!! 爆発しろー!!!」

「爆発は良くない」

恒例、100話区切りの特別編

  • リリウス、グルメ時代に立つ(トリコ)
  • マクールの竜退治(幼年期の冒険)
  • 迷宮偶像(アイドル)
  • 平行交差(原作時空)
  • 問題児たちがオラリオに来るそうです
  • リリウスは使い魔(ゼロ魔)
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