ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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怪物(ニンゲン)

前回のあらすじ(大嘘)!

 

 リリウスは目が覚めると見知らぬ荒野にいた。出会った人間に尋ねてもその地に聞き覚えはなく。道中出会った女達に、天の御遣いかと尋ねられた。

 

リリウス 天の御遣い。ステイタスが機能しなくなり弱体化中。ただし頭がとても冴える。技量、恩恵とは別の覚醒、武装は据え置きで戦闘力は第一級程。向こうでは排便してなかったとか普通に言うのでますます天の国出身と勘違いされる。太平を齎す存在とか言われてるが本人は胡散臭いと思ってる。原作主人公とは逆に女達が頑張って落とす必要がある。年齢を勘違される。

 

蜀 リリウスとの相性は3番目。次女はリリウスを天の御遣いか疑っている。敵は老若男女関係なく殺すからね。三女はリリウスによく懐く。はわあわコンビはリリウスと話が合う。璃々と一番仲がいい。紫苑に関してはむしろ苦手らしい。逆に桔梗とは良く飲む。メインヒロインは恋。次点がはわあわコンビ。

 

魏 一番長い期間リリウスの性別を勘違いしている。三国の中で二番目に相性がいい。ただし個人で見れば料理が上手くて頭が良くて面倒見もいい華琳が外史で一番。次点は流琉。どっちも飯。分かりやすいな、コイツ。メインヒロインは華琳と恋。

 

呉 目が赤くなって凶暴になって強くなるのがリリウス的には親近感が湧く。国としては三国の中で相性が一番いい。特に猫好きは超懐き、猫と話せるリリウスを崇拝する。メインヒロインは恋。次点は冥琳と明命。

 

呂布 外史という世界において『三国志最強のキャラ』として出力されたためリリウスが降りたと同時に強化されてる。この世界における殺し愛系ヒロイン。

 

管理者 ただでさえリリウスに勝てないのに呂布までヤバいわで涙目。卑劣な手を使いリリウスを怒らせた結果ステイタスを復活させる。

 

オカマ管理者 リリウスは普通に接する。なんで服着ないんだろうとは思われてる。

 

袁紹、袁術 王として会えば相性最悪。場合によっては国を乗っ取る。逆に王として出会わなければ愉快な奴等と判断される。子供の袁術は場合によっては蜂蜜を分けてくれる。

 

董卓軍 三国を含め外史の中で一番相性がいい。個人として月は4番目ぐらい。恋と毎日楽しく殺し合い(デート)。ここに落ちた場合、他の国がどれだけ手を組もうと勝てない。

 


 

「全滅…………嘘でしょ!? 一体、何匹いたと思って!」

「57匹」

 

 その数の下層クラスのモンスターを殲滅するLv.4。それも一方的に…………そんな事が可能なのはベルぐらいだろう。事実Lv.4の中でもトップであるはずのアーニャ達も苦戦していた。

 

「パーティには少し、遅刻してしまったかな」

 

 コツコツと足音を響かせ現れるフィン。キザなセリフは変わらないらしい。

 

「【ロキ・ファミリアぁ】!」

 

 アイズもいた。アイズはベルに気付くと驚いたように目を見開いて、抱きしめられたレイを見て少し目を細めた。

 

「アイズさん!」

「それに団長!」

 

 ベルとレフィーヤも心強い味方が増えたことに笑みを浮かべる。

 

「レフィーヤ、それにベル・クラネル。君達もいたとはね………道中で行方不明になっていた冒険者を保護していたため、ここまで来るのに時間がかかってしまった。すまないね」

「沢山のリリウスさんがいて、運ぶの手伝ってくれた。皆、もうこの領域の外に出て地上に運ばれてると、思うよ」

 

 念の為リヴェリアが回復魔法で体力を回復させながら向かったらしい。

 

「沢山の、リリウス!? あの時と同じ?」

「おミャーはどこに反応してるニャ」

「結局1人も連れ帰れなかったんだよね」

 

 一人ぐらいならバレなさそうだったのに全部解けて消えてしまった。雪だもの。

 

「侵入したパーティの一つは、【ロキ・ファミリア】? 【千の妖精(サウザンド・エルフ)】がいる時点で、嫌な予感はしてたけどさあー!」

「ミュラー様! 放った強化コボルトでも、敵の進軍を止められません! 侵入者の中には第一級の姿が!」

 

 と、リリウスが破壊した壁の近くの通路から新しく闇派閥(イヴィルス)が駆けてきた。

 

「連絡が一足遅いよねぇ。そりゃ分かるよ、目の前にいるんだからさぁー! ああ、まいったなあ。欲をかかないで、さっさと逃げ出しておくんだったなあ」

「方角的にベートとガレスのことだろ」

 

 そして一応足止めされているらしい。それでも突き進んでくるが。それでも飛び越えたリリウスよりは遅れている。

 

「………………君は、誰かな? 白髪の女の子の第一級なんて聞いたこともないよ」

「? ああ………」

 

 リリウスは自分が女の服を着ていることを思い出す。

 

「確かに、女の子と間違えちゃうくらい可愛い!」

「むぎゅ」

 

 アーディがリリウスを抱き締めた。

 

「間違えるー? え、じゃあ………白髪の男の小人族(パルゥム)? うわ、うっわぁー! なんでぇ? 君が彷徨うような階層じゃないじゃんここぉー。ああ、喋るモンスターか…………」

 

 ミュラーはガシガシと頭をかく。

 

「もう貴方達を守るモンスターはいません。大人しく投降してください!」

「捕まっちゃうのはちょっとなぁ…………まだ、やりたいことが沢山あるんだ。『コア』、ここに出して」

「! あ、あれはこの実験場(ラボラトリィ)と繋がっています! 接続を解除すれば!」

「今ここで一網打尽にされるよりましでしょぉ? もとからこの施設は放棄するつもりだったんだし。だからさ、やってよ、早く」

 

 ヒソヒソと部下に命じるミュラー。躊躇う様に苛立つように顔を歪める上司に、部下は慌てて頷く。ミュラーは時間稼ぎに回る。

 

「ねぇ、冒険者諸君! 僕を捕まえる前に、残りの行方不明者の居場所、知りたくなーい?」

「君を捕まえた後にでも、いくらでも吐かせることは出来る。だから聞くに値しない。時間稼ぎもさせない」

「さっすが【勇者(ブレイバー)】、暗黒期を終わらせた光の象徴の一人。小細工も効かないかぁ。でもさ、本当にちょっとだけ聞いてよ。もう大体解っていると思うけど、この実験場(ラボラトリィ)は冒険者の『魔力』で成り立ってるわけ」

「…………………?」

 

 アーディは己の腕の中のリリウスが大人しいのに首を傾げる。普段なら知るか、とミュラーを殴り飛ばすだろうに。何か、待ってる?

 

「生かさず殺さずで捕らえてある上級冒険者達の檻。そして魔力を吸い上げる、この領域の『発生機関』…………そんな大掛かりで場所を取る装置、一体何処に据えてあると思う?」

「まさか!」

 

 フィンが察する。リリウスもアーディの胸から顔を出した後匂いを嗅いでからずっとある一点を見ていた。

 

「アハッ! そう、施設の最奥部、つまりここ!! そして君達の足元だ!」

 

 ボゴォと沸騰するように盛りあがる緑肉の床。激しくはじけるように、中からそれが現れた。

 

「ぐぅ〜〜〜〜〜〜!?」

「「なんか出てきたニャーーーー!?」」

 

 発生した衝撃にベルが顔を歪めアーニャ達が叫ぶ。

 

「超大型級!?」

「巨大なモンスターに、『触手の鎧』が絡みついて!

さっきのコボルトと同じ!?」

「はははははははっ! 食人花(ヴィオラス)じゃなく、巨大花(ヴィスクム)を配合した特殊異形(スペシャル)だ! 今の僕の傑作の()()かなぁ!」

 

 戦闘能力は勿論、冒険者の魔力も吸い取る。量産にこぎつけたかったと叫ぶミュラー。そして………

 

「周囲から、食人花の群が!?」

「破れ被れの売れ残り大放出(セール)!? ヤケクソになりすぎニャ!!」

「すべて殲滅する! 全員、僕の指揮に……!」

 

 次の瞬間、アーディが腕の中のリリウスが砂になったかのようにザラリと崩れたような錯覚を覚えた。リリウスはアーディの腕から抜け出ると食人花の群を殲滅する。

 

「………………………あれ?」

 

 ミュラーが現実を理解するのに遅れる中、リリウスが次に目を向けるのは超大型級。

 

「ま、待って待って! そのモンスターの中には、魔力の供給源がわんさか取り込まれているよぉ?」

「ぁぁぁぁぁぁぁ………」

「ぅぅぅ…………!」

「た、助けてくれええええ」

 

 触手の鎧の下に囚われた冒険者。モルドも交じってる。斬りかかろうとしていたアイズが動きを止める。

 

「オオオオオオオオ!!」

 

 そんなアイズを狙うラボラトリィ・コア。無数の触手が新たなる供給源へと手を伸ばし…………。

 

「だめえええええ!!」

 

 ウィーネが動きを止めたアイズに飛びつく。触手が何もない空間を突き抜け鞭のように撓りながら床を叩く。衝撃で飛んできた瓦礫に背中を打たれながら、ウィーネはアイズと共に床を転がる。

 

「…………だい…………じょうぶ?」

「…………………………………………………………………あなた、は………」

「あれは、ウィーネ!?」

「アイズさんを、助けた?」

 

 リリウスはピクリと肩を揺らし振り返る。

 

「ウィーネ様!」

「危険ですから先にいかないでください! もし何かあったら──って、何ですかぁココー!? 超大型のモンスター!? それにベル様ー!?」

「随分と顔ぶれがそろっているようじゃが、フィン達もおるな。なるほど、状況は分かった」

「ちっ、すっかり乗り遅れてるじゃねえか」

 

 更に現れるリリと春姫の姿に安堵するベル。リリウスはベートとガレス、セレニアに『遅い』の一言。

 

「………………私を、助けるの?」

「……………えっ?」

「あの時、貴方に剣を向けた………私を」

「…………………ほんとうは、こわい………わたしは、あなたがこわい…」

「…………………」

 

 アイズの言葉にウィーネは震えながら言う。リリウスはアイズの薬指あたりを見ながらアイズ達を見守る。

 

「でも、あの時………あなたも、悲しそうだった」

「!!」

「あなたは、泣きそうで…………わたしと、同じにみえた。だから、たすけなきゃって、そうおもったの」

「………………………」

 

 リリウスは再びミュラーに目を向ける。

 

「また援軍? 侵入者の最後の組か。でもさぁ、このコアを傷つけられないのは一緒だよねえ!?」

「レイ」

「はい!」

 

 異端児達の王の言葉にレイは即座に反応した。

 響く怪音波。歌人鳥(セイレーン)の歌。

 

「見つけた! 右腕に1人、上腕部を落とせば傷つけません」

 

 次の瞬間ラボラトリィ・コアの右腕が落ちる。

 

「左肩部に1人! 右大腿部に3人! 背後、腰部に1人!」

 

 レイの言葉が響くたびに怪物の一部が弾け冒険者達が解放されていく。あ、ベルを嫉妬から襲った奴だ。

 

 モルドを雑に投げるリリウス。臭い体液まみれのおっさんが飛んできた先にいたアーニャとクロエはうわっ、と避ける。

 

「ぶへぇ! あ、扱いひどくない?」

「オオオオオオオオ!!」

「「あ!?」」

 

 供給源を失い遮二無二に暴れるラボラトリィ・コア。飛んだ破片の一部がウィーネとレイの服の一部を割き、顔と翼が顕になる。

 

「お、おミャー……………その翼………」

「尖った耳に、青い肌…………エルフじゃないニャあ!?」

「こ、これは………!」

 

 慌てて隠そうとするレイ達を見てミュラーが笑う。彼女達をモンスターと知らないままここにいる冒険者が混ざっていたのは嬉しい誤算。

 

「そうだよ! その個体はモンスターだ! 僕達人類の敵だよぉ!」

「なっ!?」

 

 目的は、仲間割れ。

 

「見ればわかるよねぇ? 青い肌にぃ、腕の代わりに生えた翼! 醜悪なモンスターの烙印以外のなんでもない! いいのかい? 冒険者が、ひいては天下の【ロキ・ファミリア】がモンスターなんか助けちゃってさ〜?」

 

 血迷った冒険者がモンスターを庇えばどうなるか、彼等も良く知っている。石を投げられ、蔑まれる。ベルの顔が歪む。

 

「こんな事が知れたら、民衆はどう思うだろう? その名声まで、地に落ちちゃうよ!? ねぇ、【勇者(ブレイバー)】!」

「……………………どこにモンスターがいるんだい?」

「…………………は?」

「生憎、僕の目には、彼女達が()()()()()()人にしか見えないな」

 

 いけしゃあしゃあと言い切るフィンに目を見開くミュラー。

 

「だってそうだろ? 身を挺してアイズを庇った。力を尽くし、冒険者の救出に努めた。理性を持ち、他者を思い、行動する。それは『怪物』ではなく、『人間(ぼくたち)』と同じ在り方だ。彼女達の献身に敬意を表さずして、どうして勇者を名乗ることができる」

「フィンさん…………!」

 

 ベルがフィンを見つめ、フィンはパチリとウィンク。ガレスもがははは、と豪快に笑う。

 

「そうだな! 儂の目にもめんこい娘っ子がおるようにしか見えん! なぁ、ベート!」

「クセェモンスターどものせいで鼻が利かねぇんだよ。だが、攫われた雑魚どものために、体を張った雑魚はいたな」

「素直じゃないね、相変わらず」

「私も知りませんね、モンスターなんて。ここまで一緒に来た、美女はいましたけど」

「皆様!」

 

 春姫が感激した。

 

「ニャハハハハ! クロエ、見るニャー! あそこにアホがいるニャ! モンスターが喋るとか…………プークスクス! これは『ふぁっしょん』なのニャ! 神様達の流行の最先端なのニャア!」

「ダメだー。コイツだけは空気読むとかそういう次元じゃなくて、信じ込んでるニャー」

「ンニャ? リリウス、なんでミャーの頭撫でるニャ?」

 

 リリウスは存外子供好きなのだ。アーニャの方が年上だけど。

 

「チィ!」

「リ、リリが怖い…………」

「ふ、ふふふ………モンスター? 何を言ってやがる」

 

 と、救出された中で朦朧としながらも意識があったモルドが呻く。

 

「おれはたすけたのは………そう、チョコさ……チョコがたすけてくれたのさ…………」

 

 ちょっと言葉がおかしいし言ってる事もおかしい。魔力を吸われすぎて頭が、もう………。

 

「っっ! 冒険者ってさぁ、本当にさぁ……!!」

「この子は、傷つけさせない」

 

 アイズはウィーネの前に立ちミュラーを睨む。

 

「……! たすけて、くれるの?」

「貴方は間違ってない………前も、そう言った。『人の心』を持った怪物(あなたたち)より………『怪物の心』を持った人間(あのひと)の方が………おぞましい。私は、そう思った」

「…………………………」

 

 あれって怪物の心なんだ、って言うのは野暮かなと珍しく空気を読むリリウスであった。

 

 アイズはベルに視線を向け微笑む。

 

「君の気持ち、少しだけ、分かったのかもしれない」

「…………!」

「だから、あれを倒そう?」

「…………っ! はい!」

()()は、僕の作品じゃないから使いたくなかったけどねぇ!」

「っ! (マジック)──」

 

 何かを取り出したミュラーにフェルズが魔砲手(マジックイーター)を発動しようとして、リリウスが弾く。ミュラーが赤い液体をラボラトリィ・コアに突き刺した。

 

「力あるモンスターはさぁ、魔石のみならず、その血肉が、他のモンスターを強化するんだよぉ!」

「オオオオオオオオオオオ!!」

 

 ラボラトリィ・コアの体が黒く染まり、表皮がヒビ割れる。否、それは竜鱗。巨人にも見えなくなかったラボラトリィ・コアが人の形を失い異形の竜へと変わる。

 

「フィン、【ゼウス】と【ヘラ】の奥義は知ってんな? 猪とレオンも使えるあれ」

「ああ、あれか。どうしたんだい?」

「お前等には習得できないって言われてたんだってなあ。貫くか打ち砕くか消し飛ばすしか出来ないって」

「………………まあ」

「これが、貫くって事だ」

 

 影から槍を取り出すリリウス。変異が終わり、膨大な魔力を口内に溜める変異ラボラトリィ・コアへ槍を構える。

 

穿光(せんこう)──」

 

 奔る黄金の光。雷光の如き穿光は、竜鱗も、機材も、壁も、等しく消し去る。壁に空いた巨大な穴。果ては闇の中に隠れ見ることは不可能。

 

「これ、教えてやるから覚えろ」

恒例、100話区切りの特別編

  • リリウス、グルメ時代に立つ(トリコ)
  • マクールの竜退治(幼年期の冒険)
  • 迷宮偶像(アイドル)
  • 平行交差(原作時空)
  • 問題児たちがオラリオに来るそうです
  • リリウスは使い魔(ゼロ魔)
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