ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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【ディオニュソス・ファミリア】

【リリウス・アーデ  Lv.9

力∶A876

耐久∶S999

器用∶B782

敏捷∶S901

魔力∶A804

捕食者C

悪食C

強食D

毒牙D

咆哮F

治力E

鍛冶G

育成G

《魔法》

【】

【ラーフ・シュールパナカー】

・変質魔法

万象補食(コンセプトイーター)

・詠唱式【月を喰らい太陽を飲め暴食の化身。首となっても歯を突き立てろ。肉親(だいしょう)を糧に我が身は千の姿を得る。貪り喰らえ、千変(かて)の傷を喰らい我が傷に、我が牙を以て汝に傷を】

【サンサーラ・マンダラ】

・神懸魔法

・二元論

・詠唱式【オン・マカボダラ・ヴィーラ・ソワカ・ノウボウ・タリ・タボリ・ハラボリ・マカヴィーラ・ロハ・ウン・ケン・オン・バザラ・ダト・バン・ナウマク・サマンダ・ボダナン・アビラウン・ケン・ジンバラ・ハラバリタヤ・ウン・マハヴィーラ・ラーマーヤナ】

《スキル》

狂餓禁食(プレータ・ナンディン)

強喰増幅(オーバーイート)

・強者を食らうことによりステイタス成長速度向上

・食事による回復

・常に飢える

天喰餓鬼(マハーグラハ)

・嗅覚及び聴覚の強化

損傷吸収(ダメージドレイン)

魔法補食(マジックイーター)

万物補食(オールイーター)

精霊喰種(スピリット・イーター)

・魔力に高域補正

・魔力変換

・精霊種への特攻

・精霊種からの特防

・精霊種の魔法吸収(マジックイーター)効率化。

獣王化身(ベヘモット・アヴァターラ)

・猛毒生成

・黒風

・黒雲

・発展アビリティ耐異常を高域発現

・神性抵抗

氷結心殿(スリュムヘイム)

・氷雪精霊

・氷雪心臓 

滅蛇者(ヴリトラ・ハン)

竜殺し(ドラゴン・スレイヤー)

蛇殺し(ナーガ・スレイヤー)

怪物殺し(モンスター・スレイヤー)

雷性付与(ヴァジュラ)

瞋槍紅眼(マクール)

・狂化

・精神汚染蹂躙

闘志(おもい)の丈で効果向上   】

 

「これ以上は、恐らく大して上がらないだろう」

 

 と、ソーマ。より深く潜れば或いは上がるかもしれないが、そうなれば戻る前に決戦が始まる。

 

 これが決戦前のリリウスの最後のステイタスとなるだろう。魔法が一つ消え、代わりにスキルとなった。

 前世(マクール)曰くリリウスの【ラーヴァナ】は『残骸』。前世(マクール)が待っていた瞋恚の魔眼が転生してなおも落としていた影を魔法という形で抽出し組み立てたもの、らしい。

 

 物語のまがい物とはいえ真に近きそれを宿した事で変化した、というのがソーマの見立て。

 わかりやすく言うならロボットプラモで外装部分を並べてただけのが今までの魔法。一度そこに骨組みを組んだことで、形がより鮮明になった、と。ますます分からなくなった。ロボットって何?

 

 とはいえ、不便もある。魔法という形で出力していた【ラーヴァナ】は魔法を解くか魔力が尽きれば解除されるが、【瞋槍魔眼(マクール)】はスキル故に魔力切れがない。

 

 スキルの効果で高ぶった破壊衝動、殺戮衝動を自力で抑えなくてはならない。まあ物語の世界で体験済みではあるが………後で回収されたあれよりも難しい。後、魔法じゃないので感情の高ぶりで発動しそうになる。

 

 なので敢えて発動の際詠唱をルーティン化することで暴発を防いではどうかとはエピメテウスの言葉。

 

「とはいえ今の俺は結構キレやすい」

「昔に戻ったみたいね」

 

 と、リリウスを抱っこするアリーゼ。スキルが暴発しても一定以上の仲の相手を傷付けないようにするだろうから、制御が安定するまではアリーゼやアーディなどがこうするのがいいと、アストレア。

 

 因みにエピメテウス相手には普通に暴れる。

 エピメテウスが相手なら壊す心配がないからだ。

 

「まあでも、そろそろ【アストレア・ファミリア】みんな空けるのよね〜」

「……………………」

 

 決戦は近い。

 アイズもフィンも残された日数で鍛えるだけ鍛えた。こちらが学ぶこともあった。死神との盟約で、リリウスは突入出来ないがそれも人造迷宮(クノッソス)の主が死ぬまで。始末されれば、リリウスも突入する。迷宮の底にて眠るであろう竜を殺すために。

 

「………………寝る」

 

 今は体力温存。備える。

 カクンと糸が切れたように垂れるリリウスをヨイショ、と抱え直すアリーゼ。と、その時

 

「お、おい、あんた!」

「ん?」

 

 ベンチに座りスウスウと眠るリリウスの頭を膝に乗せたアリーゼは不意に聞こえた声に顔を上げる。見覚えがない男女がいた。見覚えはないが、所属は分かる。

 

「【ディオニュソス・ファミリア】…………?」

 

 全員が似たような団員服。違いなど精々僅かな装飾品。同じ規格を大量発注することで価格よりも高い性能を揃えたディオニュソスの眷族達だ。

 

「【紅の正花(スカーレット・ハーネル)】………あんたも、参加するんだろ?」

「…………………何の事?」

 

 察しはしたがとぼけるアリーゼ。彼等に参加資格はないからだ。何よりここには、人目がある。

 

「っ! ディオニュソス様のことだ!」

「…………………」

 

 その大声に視線が集まる。

 

「ディオニュソスさま? おじさん、ディオニュソスさまのこと知ってるの?」

 

 と、駆け寄ってくる幼女達。

 

「あのね、ディオニュソスさま、さいきんお店こないでしょ? お父さんがあたらしいお酒つくったから、のんでほしいって」

「あとね、ファミリアいれてくださいって………」

 

 酒屋の娘達だろう。ディオニュソスは酒場、酒屋に顔がきく。曲者だらけの神の中で、真っ当に子供達と接し、暗黒期でも都市のために力を賭したディオニュソスを慕う者達は多い。

 

「スゥ、ホリィ、冒険者さんたちに迷惑をかけちゃいけないよ」

 

 と、彼女達の父親であろう男性も駆け寄ってきた。

 

「…………………酒の匂い」

 

 ムクリとリリウスが起き上がり鼻を鳴らす。

 

「…………ジジアの大壺製法?」

「お、おお………わかるのか、坊主」

「………………」

 

 リリウスはスンスンと男の匂いを嗅ぐ。

 

「……………店は何処だ」

「あ、俺の店は…………」

「お兄ちゃん、お酒はおおきくなってからじゃないとのんじゃだめなんだよ?」

「女の子でしょ? わたしたちより小さいのに、お酒ははやいよ」

「こら、二人とも。この人は小人族(パルゥム)と言って、背は低くとも二人より年上なんだぞ? 匂いだけで酒の作り方までわかるとは、冒険者さんも通だね?」

「主神が酒神だからな…………」

 

 たまに手伝いもする。元々ソーマ的には子供達と一緒に酒を飲むだけでなく、酒造もやってみたかったのだろう。

 

「お、おい!」

「? 誰だお前等」

 

 リリウスは漸く【ディオニュソス・ファミリア】に気付く。

 

「ごめんなさい、ここからは冒険者としての話で…………」

「ああ、【アストレア・ファミリア】さんなら、色々大変だろうな。ここ最近、物騒なことも多いしな」

 

 それは本当にそう。

 

「白髪に、酒の神様………………【英傑(ラーマ)】がうちの酒を買いに来てくれたとなりゃ自慢も出来る。安くするから、是非買いに来てくれ」

「酒の貯蔵は十分か?」

「はは、うちは酒屋だぞ? 酒が尽きることなんてそうそうないさ。あ、でももし本当に呑みきれるとしてもディオニュソス様の分だけは残してくれると助かる」

「断る」

「……………この流れで断ることあるんだ」

 

 アリーゼはそう呟きながらリリウスの口を押さえる。流れで「だって彼奴どのみちそろそろ潰すし」とか言いかねない。あ、まだ寝ぼけて甘噛してきた。やばい、可愛い。

 

「それで、ごめんなさい。なんだったかしら?」

 

 アリーゼは【ディオニュソス・ファミリア】に向き直る。厳密には【ペニア・ファミリア】だが、彼等が刻む紋章も、制服も、【ディオニュソス・ファミリア】であると主張している。

 

「【勇者(ブレイバー)】に、話を通してくれ。俺達も、参加したいんだ。あの(ひと)神意(真意)を………」

「断る」

「っ! 何故!」

「連れてく理由がない」

「だから!」

()()はお前達の理由だ」

 

 フィンにもアリーゼにも【ディオニュソス・ファミリア】を連れて行く理由などありはしない。人手はなるほど、必要だろう。だがなくても事足りる。

 

「【紅の正花(スカーレット・ハーネル)】! あんたなら、わかってくれるんじゃないか!? あんただったら、どうする!」

「…………………」

 

 アストレアとディオニュソスを一緒にするな、とはアリーゼは言わない。何故ならディオニュソスは間違いなく()()()()()()()

 

 酔わせた己に施した自己暗示の結果にしろ、眷族に、下界の人類(子供)達に笑いかけたディオニュソスの笑みも言葉も、全て本心。あのアストレアでさえそれは認める。ただ、その本心すら葡萄酒(ワイン)で歪んだ水鏡。と、突然告げられてもいきなり受け入れられるものではない。

 

「それで死んだらどうする」

「…………………………ディオニュソス様の真意を知れるなら………」

「お前じゃない」

 

 と、詰まった言葉を絞り出した男の言葉をリリウスは切り捨てる。

 

「覚悟出来てるなんて嘯いて、死の間際に手を伸ばして泣き叫ぶお前等の手を掴もうとするアリーゼ達の事だ。なんで俺の姉達(おんな)をテメェらの為に危険に晒さにゃならん」

 

 ()()()で【ディオニュソス・ファミリア】を見据えるリリウス。小人族(パルゥム)と思えぬ押し潰されそうな威圧感に息を呑む。

 

「俺の!?」

 

 アリーゼは別のことに反応してた。

 

「後、嘘つくな」

「う、嘘………?」

「お前には覚悟がない。『その時』が来れば仲間の悲鳴を背に、伸ばされた手を踏みつけ逃げるしか出来ない。なら何もするな」

 

 反論しようと口を開いた男は、しかし息を漏らすだけ。言われるまでもなく自覚しているのだろう。

 

「……………派閥のほぼ全員から、殴られたことはあるか?」

「あるよ」

「あ、え?」

 

 なので今度は説得しようとするも初っ端から失敗。アリーゼがリリウスを撫でる。

 

「…………えっと、だから…………その、そんなことしでかした俺を受け入れてくれてっていうか、つまり」

「……………儂はドワーフのくせに、仲間の盾になることが出来んかった」

 

 と、ドワーフが一歩前に出る。

 

「お前さんの言うように、儂等は役立たずの集まり。お前さんのように強い奴にはわかるまいて…………それでもわかってほしい。儂等にとってディオニュソス様は、大切な親なんだ」

「……………………………親か」

「騙されていたなんて信じたくない。それが身勝手なのは百も承知。確かめずにいられない…………切り捨てて構わんと、言ったところで無意味。雑用でもいい…………ディオニュソスが関わっているという事件の結果を、ただ聞いているなど儂には出来ん」

「自己満足」

「ああ、そして迷惑だろう……」

「……………親……………そうか、親………………お前等は餌にされる可能性が高い。ノロマだからな」

 

 具体的には緑肉の養分。あれがどの程度の速度で動くかは知らないが、罠として使われるのならそこそこ速いだろう。

 

「出入り口を見つけたらすぐに外に出て外で誰も出てこないか待ち構えて魔剣を振るえ。少し奥を見張る、も許さん。ディオニュソスとか言う奴に会えない可能性も受け入れろ」

「リリウス? いいの?」

「知らぬ間に入られた場合のほうが迷惑」

 

 【ロキ・ファミリア】や【アストレア・ファミリア】がどれだけ足並みを揃えようとも別の入り口から招かれた【ディオニュソス・ファミリア】が現れたら足並みも乱れるし、フィンは兎も角アリーゼ達は勝手をした彼等も見捨てられないし結果的に助けられなかっただけでも心を痛める。そして、彼等を放置すればまず間違いなく誘いを受け、彼等は誘いに乗る。

 

「だから()()。参加するならこれを守れ。それが絶対」

 

 それでも破るなら、本当に、完全に彼等の責任。死んでもアリーゼ達を慰めやすい。

 

「本来なら入ることすらしないでほしい。そもそもディオニュソスがどうなったかの結果だけ知れるの待って引きこもってろと言いたい。ていうか死ね」

「死ね!?」

 

 だって本当に迷惑だし。それでも親を思う子だというのなら…………。

 

「移動中に罠が発動する可能性は?」

「アストレアの話をきく限り、勝敗が決したように見えるタイミングで動くだろ。此奴らの人数考えりゃ、その間には全員出口の外だ…………後絶対当日半分参加すりゃ上出来」

 

 或いはディオニュソスが直接頭の一つでも下げれば全員参加したかもしれないが、そのディオニュソスは地下だ。

 

「それで話を通してやる。断られたらあきらめろ。それでも向かおうとすんなら全員の手足を折る………」

 

 というかそれが一番早い気がしてきた。もういっそ折っちまおうか。アリーゼはリリウスの姿が理不尽な灰色の魔女に重なって見えた気がした。

 

「それをしないでやるから、お前等もそれで譲歩しろ」

 

 手足へし折らないって譲歩になるんだ、と【ディオニュソス・ファミリア】は思った。

恒例、100話区切りの特別編

  • リリウス、グルメ時代に立つ(トリコ)
  • マクールの竜退治(幼年期の冒険)
  • 迷宮偶像(アイドル)
  • 平行交差(原作時空)
  • 問題児たちがオラリオに来るそうです
  • リリウスは使い魔(ゼロ魔)
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