ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
「対リヴァイアサン・オルタナティブの対応は、リリウス・アーデ、エピメテウス、そしてコリガンは確定。それから【
「え、私!?」
てっきり眷族が大量に投入されるであろう
「
それはそう。
レベルに応じて範囲が広がるスキルだが、それでも
「ならリリウス、およびエピメテウス、コリガンのステイタスを上げる。そもそも、4人で挑むというのがかなりの無茶振りだが。まあ…………いや、確実でない情報を言うべきではないか。下手に時間を稼ぐように動きいたずらに体力を消耗するだけに終わるからね」
「?」
「
「…………
決戦の場は人目のない大海原。何名かを水底の出口を使い送り込めば心強い戦力となる。
「ヴリトラ、マナサー、タクシャカ、サーガラが参加予定だよ。ケートゥとアステリオスは、深層にて武者修行中で連絡が遅れている」
「ヴリトラ君とマナサーはともかく、タクシャカとサーガラまで?」
あの二人、水の中を進めるのだろうかと純粋な疑問。
「地上から行くよ」
「え、でも人の目が………」
「ないよ」
ニコリと微笑むフィン。先の戦いで目撃されたリヴァイアサン・オルタナティブ………街には混乱が広まり、しかしだからこそ避難がスムーズ。
とはいえオラリオの外に避難所を作るには人員も時間も足りない。隠すのは不可能として
「ん〜? でもそれだと、冒険者を街に配備しなくちゃいけないんじゃ………」
「うん。だから問題ないよ」←冒険者の配置全部決められる人。
「あ、本当だ問題ない!」
権力万歳。
ガツガツとダンジョンにてモンスターを食らうリリウス。
上層のモンスターではステイタスの成長は微々たるものだが僅かずつ上がっていく。
「は〜い、みんなこっち〜」
コリガンが微笑めば魅了されたモンスターが列を成して集まる。しかし集まった端から食われるためその
「リリウスさんの食事を用意……………私、良妻になれるかも」
「あ、はい」
自身が集めた怪物を喰らう姿にうっとりするコリガン。ちょっと引くネプトゥヌス。彼女的には食事の提供らしい。間違いではないが、教えはどうなっているんだ教えは。え? 幼少期母と死別して以来されてない? それはそう。
「……………………」
ステイタスが上がるのを感じつつもリリウスの脳裏に勝利の二文字は未だ浮かばない。
リヴァイアサン・オルタナティブ………地上の、
「【サンサーラ・マンダラ】を廻天し終える。それが一番勝率が高い」
「廻天するとどうなるの?」
「もう一つの効果が現れる」
ただ、簡単に切り替えができるわけではない。
展開した守護仏尊の力を切り替えるには魔法かスキルを最低一度は使用する必要があり、切り替えたら魔法を解かない限り再展開は不可能。回復のタイミングを間違えても取り返しは利かない。
おまけにリリウスがその人間のあり方を学ぶべきところがあるとか、何かを見直すきっかけになると勝手に増えるし。増えた分、廻天後の恩恵も大きくなるが。そのあたりはレオンの魔法に似ている。
「それでも勝率が高い、なんだね」
「ああ。それだけの化物だ」
そもそも相手はエピメテウスを敗走させた怪物。ただ炎が効かないだけの怪物に、エピメテウスが後れを取る道理などない。強いから………それだけの単純な事実がそこにあっただけだ。
「ディオ………ディオ……ミ? エニュオもまあ、よくもまああんな怪物を用意したものだ」
「…………ふ、ふふふ。くくくくく、くははははははは!!」
闇の中狂ったように笑うディオニュソス。思い出すのは
「はははははははは!! …………
予定外もいいところだ。愚かな民衆が責任を誰かに押し付けようとして、リリウスが選ばれるのを待ち世界がリリウスを敵にする光景が見たいのであって世界を滅ぼしたいわけではない。下手したらリリウスも死ぬ。
というか黒竜とリヴァイアサン……下手をすれば
「クソ、醜い怪物共め! 私の愛する人類を根絶させるなど許すものか! お前達は影を持って人類を怯えさせ、苦しめ、殺せばいいのだ! 絶滅させるなど許しておけない!」
まあその原因此奴なのだが。
彼もまた人類を愛する神の
我が子を踏み殺してでも助かろうとする父親。怪物の口の中に消える恋人の腕を鈍らで必死に切ろうとする女。最愛を語った娘の手を振り払う男。逆に勇気を出して庇おうとして諸共踏み潰される騎士。
ああ、懐かしく恋しい愛しい黄金の日々よ。恋い焦がれる古代の讃美歌を思い出して熱り勃つ。
「理想は………オラリオがこのまま滅び、リリウスきゅんがリヴァイアサンを討つ。英雄として崇められるだろうが、なぁに。一人二人では流石に蓋を築くなど不可能。そのために私がするべきことは一つ…………!」
零能な身なれど全知である神は、己に行える事を行動に移す。
「頑張れリリウスきゅん! 黒い明日が君を待っている!」
即ち子供達の頑張りを応援する事である。
音が聞こえる。禍々しく荘厳な音が。
今も記憶の奥に染み付いている。
怒号を掻き消し、咆哮を磨り潰し、この身を破壊した音。そこに繋げるためだけに命をかけてこの身に銛を突き立てる英傑達の雄叫び。そこに悲鳴は一つたりとも存在しない、英雄達の奏でる前奏。
訪れる終末の鐘の音を思い出し、氷の中で竜は身じろぐ。薄く開いたその瞳は氷の奥、広がる海原の遙か遠方をただただ静かに見つめていた。
かくして、覚悟、思惑、信念、誇り。
数多の戦う理由は揃い十人十色の想いを胸に、冒険者達はそこに立つ。
滅びに挑む英雄達の讃歌。
「作戦の名は『
ビギンと氷に亀裂が走る。海面を歩くその影に、竜の身じろぎはこれまでで最大。即ち臨戦態勢へ。
砕け散る氷の雨に荒れる海の上に立つ海精霊の加護を持つ冒険者達の中で、覇竜が警戒するは二人。
「さあ…………俺達の