ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
魔法で再現された
「マナサー!」
同じく銃弾を打たれなかったマナサーがリリウスの元にやってくると血をかける。
消し飛んだ腕を再生させたリリウス。このまま滅罪大黒天女を維持するか、廻天するか…………選択肢は多い。一度きれば使えない。
だからこそ最強の回復手段は最後の方に取っておきたかったのだが。
「グアアアアアアア!!」
浮かび上がる無数の光。狙いは、リリウス。致命傷を与えた筈なのに回復させたと理解しているのだろう。
「【
魔力消費の激しい【
粘度の高い液体にとらわれたかのように動きが緩慢となるリヴァイアサン。意識だけは通常の時間を認識し瞳がゆっくりとリリウスを追う。
「顕正毅然明王………【今は遠き森の空。無窮の夜天に
高速詠唱。紡がれるはリリウスの持つ再現魔法の中でも特に破壊規模に優れた長文魔法。溢れ出る魔素が光となって星空を生み出す。
「【空を渡り荒野を駆け何物よりも
リヴァイアサンも緩慢な動きのまま鰭を広げ、禍々しき破滅の星空を広げた。
「【ルミノス・ウィンド】!!」
「アアァ────!!」
緑風纏う流星と殲滅の流星がぶつかり合う。遅速化、後続………遅れを取った海竜の流星は数で劣り、広がる光爆の隙間を縫いリヴァイアサンへと襲いかかる。
「オオオオオオオ!!」
鱗に亀裂が走る。光爆の衝撃が内に響く。Lv.9で再現されるエルフの魔法。その威力は神時代の軍隊であろうと吹き飛ばすであろう。それをたった一体で受けるリヴァイアサンはやはり健在。眩い光に目を細める、その隙を縫い接近したリリウスは刀を構える。
「【禍つ彼岸の花】」
曰く勇者なら貫き、ドワーフなら砕き、エルフなら消し飛ばす。槍は既に見せた。ならば次は、世界よ、魔法で示そう。
「破光・【ゴコウ】」
振るわれる斬撃は
残光・六花、残光・八坂………超高速で放たれる残光は当然一撃より威力は増し、しかし実は一撃一撃の威力は少し落ち振るった数だけ威力を倍増しているわけではない。
だがこの技は別だ。一つ一つが最高威力の残光。それが都合五条、斬撃を任意の場所に出現させる、だけの魔法は一族に伝えられた技により絶技となる。それを尋常ならざる極技へ。
瞬間、その場にいた者達が見たのは呪われたような紅い斬撃の軌跡が描く彼岸花。
「オオオオオオオ!?」
竜の鱗を裂き、肉を切る。飛び散る血液。剥き出しの肉。
「餓鬼道」
傷口に飛び付き肉を食らう。
数十メートル規模の傷はしかし、覇王にとって命に届くほどでは無い。傷口にて魔力が輝く。細胞が活性化し、急速に塞がる。傷口に入り込んだ虫をそのまま食らおうとするアギトのようだ。
「オオオオオ!!」
塞がっていく傷を無理やり、力任せに再び広げる。リヴァイアサンは無数の光弾で己の傷口事吹き飛ばそうとして、迫るは炎を噴き出し空を駆ける大英雄。
「【炎よ、再び灯れ!
魔法の詠唱を唱えるエピメテウス。効果は
「【カミノス・ナルテクス】!!」
業火を纏う斬撃が片鰭を焼き斬る。天に昇る炎は分厚い雲すら焼き払った。
リヴァイアサンは暴れ、リリウスを弾き飛ばした。
「【
魔力を燃やし鰭を再生させながら無事な鰭で魔光を生み出すリヴァイアサンへと迫るは大英雄の
「【レーア・アムブロシア】!!」
業火が鱗を焼き、肉を燃やす。リヴァイアサンの巨体が大きく仰け反る。
リヴァイアサンは水へ潜ろうとして再び弾かれる。傷を癒すまで水底に逃げる気だったのだろう。しかしそれは叶わない。
「
ヴリトラとリリウスの吐き出した熱線が傷口を焼き、貫く。巨体に針で差したかのような穴。しかし確実に内臓に届いた。
「────────オオオオオオオ!!」
再び王の号令。集う海竜の群。
先の咆哮で遠方から集まってきていた竜達を急かしたのだろうが、有象無象が幾ら集まっても………。
と、海竜達は水面から顔を出しリリウス達へ襲いかかることをせず、食らうのは別。海へと流れた
強大な力を持つ古代の怪物の細胞が海竜達を侵食する。
肉体が肥大化し、鱗はより頑強に。形を変え長い身体をうねらせる。
古の竜の系譜たる
廻天まで切るべき手札は…………後、4。
「無比絢爛宝蔵天女」
これで後3。