ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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蠍の群

つい最近ブラブレを少し見たのだけど、リリウス送ったら駄目なとこだな。人類が滅亡する。

 

ちょい出し情報。異端児の最強格達

アステリオス(雷光)推定Lv.6〜7

ブラックライノス(亜種)漆黒のミノタウロス

再戦を! 今度こそ、勝ちたい!

 

ヴリトラ(火より産まれし大蛇)

ヴァルガングドラゴン(亜種)推定Lv.8(再会時)、Lv.7階層主(異端児編)

どちらが勝っても負けても、永劫に殺し合おう

 

タクシャカ(雷の友)推定Lv.6最上位

竜人(ドラゴニュート)(亜種)

共に遊ぼう、雷の君

 

マナサー(永遠の女)推定Lv.6

人魚(マーメイド)(亜種)アーディ命名、水竜女(メリュジーヌ)

きれいな世界を永遠に見ていたい

 

サーガラ(大海)推定Lv.5上位

ワイバーン(亜種)

何時か海の向こうを見たい、出来れば犬と

 

ケートゥ(月を喰らう者)推定Lv.7

不明・虫人型

もう一度、あの戦いを!

 

 


 

 

 森を歩くリリウス達と【アルテミス・ファミリア】。目指すはエルソスの遺跡。

 食料は現地調達。リリウスは湖を発見した。

 本来ならルートも外れ、見つかることも無い秘境の湖。何故リリウスが見つけたかというと…………

 

「ケェー!」

「こらー! 降りてきなさいクソ鳥! リリウスは貴方のご飯じゃないのよ〜!」

 

 木に登り樹の実をとってたリリウスを猿と勘違いした大鷲に攫われたからだ。地面からだいぶ離れたが、人より優れた五感を持つリリウスはちゃんと見えてるし聞こえてる。

 

 大鷲がリリウスを放した。地面に叩きつけるつもりなのだろうが、リリウスはストッと地面に降りる。木々や枝からその姿を確認できなかった大鷲が気付き慌てるが、逃走は間に合わずリリウスに捕まる。

 

「キィー! ケェアアア!!」

「…………リリウス!」

「アフロディーテ。これ、食うか?」

「え〜。飛んでる鳥の肉ってかったいのよねえ。植物食や雑食ならまだ食えるけど、肉食は………」

 

 じゃあ一人で食うか、と口を開けるリリウス。自身の未来を察したのか懸命に暴れるが、気にせず食おうとする。

 

「ところで大丈夫? 怪我してないかしら?」

「するか」

「そう。空からの景色はどうだったかしら?」

「あっちに鹿の群れがいた。シャバラ達が昔烏と組んでたってのも納得だな」

 

 と、そこでリリウスは捕まえている大鷲を見つめる。

 

「キ、キィ?」

 

 

 

 大鷲が空で円を描く。その下に居た鹿の群れは、子鹿を大人達で囲むように配置を変えてから走り出し………

 

「ピィー!」

 

 森から飛び出してきた獣に先頭の鹿の首が食い千切られた。

 

 

 

「鷹狩か………それもまた狩猟の形」

「キィー!」

「ワウ!」

「バウバウ!」

 

 鷹狩の『鷹』は猛禽類の総称なので、これは鷹狩だ。まあ、普通の鷹狩は鷹に獲物を捕らえさせるのだが。

 

「ほれ、報酬だ」

「キィ」

 

 食いやすく千切られた肉は、食い千切るという工程を必要とせず食いやすかった。

 自身は敗者。生かされた身。空の王者として君臨していた誇りがあるのなら、敗北を受け入れる。

 

「と言ってる。見逃してやったのに『負けてない、劣ってるはずがない、我々こそ誇り高い至高の種族』なんて言ってきた奴等よりよっぽど誇り高い空の王だ」

「ふ〜ん。なら、誇り高いこの子に相応しい名前をあげなさい」

「キィ?」

 

 アフロディーテの言葉に翼を開かせるリリウス。

 空の王を自称するだけあり、栄養をしっかり取れてるようで羽は綺麗。

 

「…………………美しい翼(スパルナ)

「スパルナ……またヴェーダ」

「ならオリュンポスの鳥の名前は?」

「……………青銅の鳥(オルニテス)、とか?」

「その名を出すなアフロディーテ」

「ぴぃ!?」

「…………………」

 

 聞けば、元々はアレスから差し出され、アルテミスの飼っていた鳥であったが狼にビビって逃げ出したらしい。しかも逃げた先で迷惑行為を働いていたとか。

 

「まあアレスの創った鳥だしね〜」

 

 サラッと生命を作ったというあたり、やはりどんなに残念でもアレスも神なのだろう。

 

「じゃあスパルナで」

「キィー!」

「なんて?」

「『我はスパルナ。空の王、雲を切る翼。今後とも宜しく』と言ってる」

「へえ〜」

 

 礼儀正しい大鷲だ。アフロディーテは人差し指で頭を撫でてやる。スパルナは気持ちよさそうに目を細めた。

 

 

 

 

 

 とある村。男達の殆どが樵となる、そんな森とともに生きる村。

 そこに迫る複数の影。夜闇に紛れる、黒い影………。

 

「ん?」

 

 村人が気付いた時には、もう遅い。木々の陰から一斉に飛び出してきた。

 

「う、うわあああ!?」

「何だ、何だあれは!?」

「モンスターだ!」

「見たことない!」

「男どもは斧をとれ! 子供と老人を逃がせえ!」

 

 モンスターは容易く塀を破壊し村へと侵入する。木造の建物を破壊し、襲い来るモンスター。その見た目はまるで蠍のようだ。 

 

「おおおおお!!」

 

 筋骨隆々の男が振るう斧。恩恵こそ持ってないが、彼は地上のモンスターなら何時も倒してきた経験を持つ。

 

 だが、無情にも斧は弾かれた。蠍の甲殻に傷一つ存在しない。

 

「キシャアアアアア!」

「ッ!!」

 

 巨大な鋏が村人に振り下ろされそうになった、まさにその瞬間だった……

 

「ガルル!」

「ガアアア!」

 

 2匹の犬がモンスターへと喰らいつく。鉄の斧すら歯が立たなかった甲殻を噛み砕き、爪で切り裂く。

 

「そこの男、避難しろ!」

 

 と、響く女の声。女の集団が矢を放ち、短剣を片手に突っ込み、モンスターを殲滅していく。

 

「……でかいのがいるな」

「え?」

 

 上から聞こえた子供の声。しかし、近くには建物はないはずと上を見上げれば羽の生えた子供がいた。いや、良く見たら大鷲が背中を掴んでいる。

 

「キシャアアアアア!!」

「「「────!!」」」

 

 大気を震わせる音と共に、木々を薙ぎ倒しながら現れる大型のサソリ型モンスター。尻尾がヒクヒクと痙攣した。

 

「スパルナ」

「キィ!」

 

 大きな獲物を抱えているとは思えない高速飛行で尾に接近する大鷲。子供はそのまま尾を蹴りつけ、毒針を背中に突き刺す。

 

「ギィイイイイ!?」

「蠍は自分の毒で死ぬと聞いたが…………」

 

 大鷲から降りると、そのまま変わった形の剣を抜く。甲殻の隙間に剣を入れると、そのまま引っ剥がした。

 

「ギイイイ!?」

「……………」

 

 ドンドン甲殻を剥がしていく少年は、ふと手を止め村人達をみる。

 そして大型蠍の尻尾を掴むと森の奥へと消えていった。

 

 

 

 

 

「アンタレスの子供だな」

 

 リリウスが食ってる蠍の死骸を見ながら、アルテミスが柳眉を逆立てる。アンタレスは古代の力あるモンスターとしては珍しく、繁殖能力を持つモンスター。

 

 本来モンスターは魔石を切り分け子孫を残す。故に弱体化していくのだが、アンタレスはエナジードレインで周囲の生命力を根こそぎ吸い取り魔石を生み出すらしい。

 

 森が枯れ、代わりに現れるのは毒の蠍の群。

 

「小型でもLv.2クラスがまじってやがったな。このでかいのはLv.3」

「……………………」

 

 オラリオの外で起きている異常事態(イレギュラー)の中でも、間違いなく『戦神の鎧』や『沼の王』に匹敵する世界の危機。

 繁殖能力とモンスターの移動速度を考えれば、ベヒーモスの復活にも並ぶだろう。

 

「脅威ではベヒーモス超えてるかもな。あっちは二代目なわけだし」

「どういう事?」

「ん………」

 

 と、リリウスが大型の向こうを指差す。後ろに回ってみると、大量の蠍型モンスターの死骸があった。

 

「………形が、微妙に違う?」

「脱皮して形を変えたのが何匹か。炎を放てば炎に耐性。殴り飛ばせば重さと硬さ、動きで翻弄してやったら速いとか………」

 

 甲殻が分厚いもの、逆に体が細いものや、中にはガン・リベルラのように毒針を射出して遠距離から攻撃してくる蠍もいたそうだ。

 

「進化してるな。恐ろしい速度で」

 

 毒針を発射するために進化した尾の筋肉(猛毒)を食うリリウス。

 

「問題は、こいつらの進化のエネルギーがどっから来たのかってことだな」

 

 原種アンタレスのように、周囲の命を食らったようには見えない。直接肉を食っていたにしては、血の匂いがまちまち。

 

「魔石食った強化種でもねぇ、エナジードレインで吸った力を魔力に変化しているようにも見えねえ。こいつ等、どうやって進化した?」

「それは…………」

「これも、下界の未知かしら? アンタレスが天の炎を有する地に向かわなくて良かったわね」

 

 もしも炎を喰らい永遠に近いエネルギーを手にしていたら、きっとこの程度では済まない軍勢が出来ていただろうとアフロディーテは言う。

 

「たぶん、月だ」

「月?」

「私の子供………月の精霊は、やはり喰われたのだろう。その力を呼び水に、月の光からエネルギーを得ている」

 

 光合成みたいなものだろうか? そして、分裂体も同じ力を持っているのだろう。だから魔石を食わずに進化した。

 

「後は進化の仕方だな。デカくなるだけのベヒーモス共の方がまだマシだった」

「どういうことだ?」

「前衛、後衛、盾役………役目を分けていた。こいつらの進化の方向性は、個体ではなく群体……いや、軍隊だな」

 

 おそらく最初から変異していた個体は、何処かで冒険者と戦闘し、その経験から用意したのだろう。ベヒーモスの分身体も、本体と意識の一部を共有していた可能性があると、討伐後フィンが言っていたとフェルズから聞いた。

 

「しかし、古代のアンタレスはそんな力は………」

「光合成だって持ってなかったろ。後は、単純に古代の戦士達はわざわざ進化させる必要がなかったか」

 

 この時代は、神の眷族になれば誰でも昔日の英傑のような力を手に出来る。それに対抗するために変異したのだとしたら。

 

「ほっとけば、対冒険者特化の蠍の群がこの世界を覆い尽くすな」

 

 

 

 

 まだ封印は完全に解けていない遺跡の奥で、アンタレスは空を見上げる。分身体を使い開けた穴から差し込む光に身を委ねるように何本もある鋏を広げ月の光をふんだんに浴びる。

 

 手にした魔力が肉の管を通り、遺跡の各所に設置された卵に流し込まれる。

 

──これでは駄目だ

 

 分身体を通して目にした、白い獣。こちらをただの餌としか認識していない。未だ戦ってすらいない怪物。数を揃えた所で、奴の餌になるだけ。

 

──必要なのはなんだ?

 

 巨大さ。

 不要。それに割り振った個体は小さな体躯を捉えきれず一方的に解体された。

 

 素早さ。

 必要。現状産んでる疾さ特化ですら攻撃を当てられない。

 

 力。

 必要。力に特化した個体は、片手で鋏を止められた。

 

 凶暴性。

 不要。何も考えず突っ込むなど、巨獣の口に飛び込むのと変わらない。

 

 頑強さ。

 必要。盾役は、彼等が木々にそうするように砕かれた。

 

 もっと疾く、もっと強く、もっと硬く、より強力な毒を与え、無駄を省き………知恵を与える。

 他の子供は基本は本能的に動き、こちらの意を送ればそれに従うだけ。ただ殺せと命じたばかりに、一方的に餌にされた。

 

 自己判断で動けるだけの知能。『駆け引き』を行えるだけの知能を。この世を蹂躙するだけの力を。

 

 遺跡中に存在する卵の中で、一際巨大な卵が月のように青白く発光した。

 

 


 

 

情報量の暴力ミニ

 

リリス・ヴィナス 羊人(シープル) 

9歳 ♀

所属派閥【アフロディーテ・ファミリア】Lv.4

女神アフロディーテがオラリオから連れてきた留学生。瓶底眼鏡を掛け、フワフワの白い髪を大きな三つ編みにまとめたアフロディーテ曰く『何処に出しても恥ずかしくない文学少女』。

ただし常に周囲を睨みつけるかのように時折覗く目つきはとても悪く、口も悪いし手も出る狂犬。眼鏡は元々、目つきの悪さを隠すためらしい。目は悪くない。

2匹の猟犬、2匹のシャチ、それから大鷲を連れている。

見た目だけ文学少女かと思いきや、普通に本は好き。

眼鏡を取ると美人らしい。

特待生で女神と同室。

そろそろ100話。皆が読みたい情報の暴力は?

  • 英雄邂逅(ベル君との出会い)
  • 英雄堕落(アイズ達の前で異端児かばう)
  • リリと勇者の会話(18階層)
  • リリとアキの会話(異端児逃がすあたり)
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