ボクの名前はハルク・パワード。堺中央シニアでは1番を打っていた人呼んで「堺三銃士」の1人だ。
「エ…ノムサン?ナンデ?」
ボクがGL学園の見学の時、偶然にもノムさんを見つけてしまった。けれども様子がおかしい。いったいどうしたっていうんだろう…
ボクはアメリカのシアトルという西海岸の大都市に生まれた。みんなはアメリカ人と言えば筋骨隆々の大男をイメージするかもしれないけどボクは違う。むしろ真逆で身長に対して全然筋肉がつかなかった。そのせいで腕相撲とかのような力比べはいつも負けてばかりでそれを理由にからかわれてばかりだった。けどある日のこと、ボクは見かねた父さんは地元のチーム「シアトル・ダイバーズ」の野球の試合に連れて行ってくれた。そこでボクが見たのが身長は170センチかそこらだけど打っては6打数6安打でボール球でもヒットゾーンに打ち込むし、守備では外野から剛速球を投げ込む姿から「人間レーザーキャノン」と称えられるスーパーマンのような選手だった。
その選手こそがボクの憧れの選手である「佐藤善太郎」…またの名を「ゼンタロー」というのちの世界通算安打数1位を記録する選手だったんだ。
そのゼンタローの本を買いあさっては夜まで読みふけり、そうやって「力に頼らず技で戦う野球」を初めて知った。ちなみに、この本の一節にある「相手が100の力を出せないタイミングを見つければ力の差を埋められる」がボクの座右の銘なんだ。
それ以来ボクは相手が力をを出し切れない時を見計らってチャンスを見出してはそのタイミングで力を出すという相手を出し抜く作戦でたちまち連戦連勝した。それからあっという間にみんなボクのことを見直してくれた。
中学に進学する前、父さんが働いていた会社の本店がある大阪に復帰することが決定したんだ。
それで大阪に引っ越してきたのはいいものの、やっぱり言葉の壁は分厚いものでみんな何を言っているかわからなかった。
けど、ボクは繁華街のバッティングセンターに通っていたところでノムさんに出会った。
「なぁ、すごいルーティンでバットを構えるけどなんでなん?」
「ウン、実ハコノルーティンハアノゼンタローサンカラ来テルンダ」
「おぉ、ゼンタローと言えばあのメジャーリーガーのゼンタローのことか!」
ノムさんもまた野球が大好きで、かのゼンタローのことももちろん知っていたんだ。それでボクはバッティングを披露するとノムさんは舌を巻いてくれた。
「すごいなぁ。ハルクのバッティングセンスはすごい。どうや、ワイのチームに参加してくれへんか?」
「モチロンダヨ!」
それからボクはノムさんと意気投合しやがて堺中央シニアに入部した。堺中央シニアでもボクの力は認められてたちまちレギュラーになった。その時に大野君とも戦った。あの時はノムさんの同点の2ランホームランの御膳立てに貢献した。まぁ、試合には負けちゃったとはいえGL学園高校のスカウトを受けて入学の段取りも整っていた矢先のことだったんだ。けどノムサンが泣きの勝負をしたけど負けたことで悔し泣きをしているのを見てしまったんだ。
冗談じゃない。ノムサンはすごい選手なんだ。バットを持てばバックスクリーンに打球を飛ばす長打力があるし勝負強い。キャッチャーミットを構えれば安定したインサイドワークに肩の強さ、どれをとってもすごいんだ。ボクの尊敬するノムさんが何でこんな目に合わなきゃいけないんだ。
あれからボクは考えたんだ。それでボクはノムさんに電話をかけた。
「ノムサン…ボク決メタヨ。コノGL学園ニハ行カナイ」
「えっ?何でや?せっかく入学が決まってたのに。これからどうするつもりなんや?」
「マァ、ボチボチ考エルヨ」
「ぼちぼちって…それで大丈夫なん?もしかしたら野球できなくなるかもしれんし」
「ケド、ノムサンハスゴイ選手ナンダ。一緒ノチームデ戦ッタボクが知ッテイル。ソンナノムサンヲ排除スルチームナンテ入リタクナイヨ」
「そっかぁ。ちなみにワイはあれから河学の新監督の姐さんに出会ってなぁ…ワイらのことコケにしたやつらを見返そうってことで河学に進学することに決めたんや」
その言葉に惹かれてボクは河学に進学していった。ノムサンと共闘できることが楽しみだ。
ハルクのオリジンストーリー、いかがでしょうか。アメリカのパワー主義を否定するつもりはないですけど柔よく剛を制す彼のスタイルは男女関係なくどこに行っても通用すると思います。
それでも野村君を慕う心がGL学園を蹴ってまででも河学に進学した心意気がわかるんじゃないかと思います。
さて、活動報告では大阪桐陽・智念和歌山のベンチ入りメンバー(スタメン組はすでに発注しています)やGL学園のメンバーを募集しています。よろしかったらぜひ参加していってください。
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