日本一の野球部を目指して   作:メカニッカー

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このお話は、前回の続きとなります。前回は東大阪レディースのエース左腕・金華光さんをスカウトしたのですが、今回はもう1人の左腕投手をスカウトします。


Wサウスポー(後編)

金華をスカウトに成功した大野たちは全国大会のことで持ち切りとなっていた。

「大野、全国の猛者はどないやった?」

「全国の猛者、かぁ。まずは1回戦に戦った『西神明石シニア』戦について話そうか」

 

西神明石シニア。兵庫県では中堅クラスだったのが一気に勝ち抜いてきたところである。西神明石シニアのエース暁刹那(あかつきせつな)は『兵庫の若き皇帝』と西日本の中学野球ではトップランクの投手である。大阪鶴見ももちろん苦戦しチャンスは作れど得点には至らず、大野も粘投こそしたものの7回表、9番センター緑川翡翠(みどりかわひすい)に繊細一隅の2塁打でチャンスメイクされると1番ピッチャーの暁をセカンドゴロに打ち取るも2番ショートの黒崎賢二(くろさきけんじ)にしっかりバントを決められてこの日の3番キャッチャーである緑川琥珀(みどりかわこはく)。彼女には10球も粘られてスタミナを使い果たしたところで自慢のカットボールがすっぽ抜けてしまった。それを狙われて見事な2ランホームランで撃沈してしまったのだ。

 

「なるほど、それで試合は負けてしまわれたのですか?」

「いや、そうはならなかったんだよ」

「そうならなかった…とは?」

「あの後、相手は継投策に出てリリーフを出してきたんだけどそのリリーフがボコボコに打ち込まれたせいで逆転負けしちゃったんだよ」

「勝てる試合を自ら手放してしまったんやな…」

「あぁ、オレもあの暁が関西最強投手の名にふさわしい実力を持ってると思ってるんだ」

「それでや、その暁たちはSNSで有名になってるで…」

「どんなことで?」

「それはな…ん?」

 

野村が梶原監督がある少年と話し込んでいる姿を発見したからだ。その少年は赤い瞳で焦げ茶色の短髪が特徴的な純朴そうな好青年。

 

「あっ、姐さん。その子ってもしかして…」

「おぉ、丁度よかった。彼は芦澤漣(あしざわれん)。奈良県の天原中学出身で強肩外野手をやっていた子なんだって」

「なるほどなぁ、天原中学と言ったらかつての古豪が復活したという話は関西の中学野球でニュースにはなってはいたもののまさかアンタがその学校の一員やったとはなぁ」

「えっ、俺のこと知っていたんですか?あまりチーム内では活躍したことはないんだけど…」

 

芦澤漣という少年は梶原監督と野村をびっくりした目で交互に見る。

 

「おぉい、大野、お嬢!奈良からすごい子が来たって噂の奴姐さんが見つけてきたでぇ」

「ほぅ、すごいとはどんな子なんだ?」

「まぁ天原中学って昔名門だった奈良県の公立中学があってやな、年期こそ入ってはいるものの素朴な設備でマニアなら知っているやろう古豪から来たんやって」

「へぇ、そういう学校の野球部から来たんだな」

「で、その彼が芦澤漣。関西の中学野球では強肩外野手として名前は知れていたんだけど、実はピッチャーもできるんだって」

「えぇっ、そいつはすごいなぁ。それで、何で新設校であるこの河学に来たんだ?」

 

芦澤には戦いたいライバルが2人大阪に来ていることを知るのだった。




Wサウスポー前後編、いかがでしたか?この2話においてはチャイロメガネさんの金華光さん、妄想のKiokuさんの芦澤漣君の初登場回となりました。
現在、活動報告においてはGL学園・龍王大平安のキャラクター募集を行っています。よろしければ、ぜひご参加お願いいたします。
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