日本一の野球部を目指して   作:メカニッカー

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このお話は前回の続きです。このお話だけでも十分楽しめるとは思いますけど、できれば(前編)も読んでいただけたら十二分に楽しめるので、よろしくお願いします。


投手としての実力(後編)

続いては、芦澤がマウンドに立つ。久しぶりにマウンドに立った芦澤は思いを馳せる。

 

(いやぁ、このマウンドに立ったのはいつ以来だろう…あの時はあまりの球威で堺原さんがまともに受けられずに外野にコンバートされたんだよなぁ…)

 

天原中学にいたときは外野手であったが、元は投手をしていた。彼は中学時代はだれにも負けない剛速球を投げていたのだが、あまりの剛速球のためにキャッチャーである堺原愛果(さかいばらあいか)の手が腫れあがるために捕球が難しいと判断された。そのため、後に入部した沖浦林修(おきうらりお)がエースの座に収まったのだ。

 

(さて、久々のマウンド…さあ、やるぞ!)

 

強い意気込みで高校生活での1球目を投げた。大野同様の強いストレート。キャッチャーミットに収まるのかと思われたストレートに孤崎はしっかりとバットに当てた。しかし、バットに当てたストレートは前方ではなく後方に飛んで行った。これはどう見てもファール。

 

(くぅ、バットにきちんと当てたはずなのに大野君たちとストレートの威力が全然違う重さだったわ…)

 

ビリビリしびれるような反動を感じたのは初めてに相違ない。初めての重い球*1に驚きを隠せない。

 

(球威の強さは関係ない、とりあえず来た球を…)

 

2球目は内角高めのカットボールが来たが当たればデッドボールのなりそうなコースだったので避けてボール。3球目に来たのはアウトコースのチェンジアップ。このボールにはバットが空を切ってしまい空振り。あっという間に2ストライクに追い込んでしまった。

 

(まぁ、孤崎はここからが厄介なバッターなんやけどな…)

 

野村は孤崎を見た。ボール球に手を出す癖こそあれど、四球も少ないが三振が少ないバッターであることは承知の上。4球目には低めのカットボールでゴロに仕留めようとしたのだがこれは、一塁線ギリギリ外れてファール。

 

(やはり前の打席勝負でわかってはいたが、こいつの打撃センスは本物や。ボール球になりそうなやつさえもバットに当ててまう。かといってゾーン内で勝負してしまえば確実にヒットや。こりゃきついやつやで…)

 

ふと、彼の頭にいい考えが思いついた。孤崎は確かにボールをバットに当てる技術は間違いなく優秀だ。しかしながら見逃せばボールになるコースにまで手を出して凡退する…良くも悪くも典型的な四球も三振も少ない超積極型の選手なのだ。

 

(せや、ここやったら…)

 

ここで野村がサインを出す。アウトコース低めでボール球になるあたりだ。ここでもサインに合意した芦澤は6球目を投じる。

 

(よしきた、ストレート…⁉)

 

バットがボールをかすめたが残念ながらチェンジアップ。バットはそのまま空を切り三振してしまった。

 

(チェンジアップ…ね。ここでいい投手に出会ったんだ。ここでも強い投手に出会えたんだ、見知らぬエースが潜んでるかもしれないわね)

 

悔しそうでありながらこれから出会えるであろう強豪エースに思いを馳せながら孤崎はバッターボックスを去っていたのであった。

*1
仕組みについてはいろいろ考えられるが、芦澤君の場合はトップスピンが強いストレート




さて、今回の打撃勝負も楽しめたでしょうか。今回の打撃勝負を描く過程においてノビ・キレ・重さを科学的に分析していたNoteがありましたのでその仕組みを採用させていただきました。
活動報告においては、大野君のクラスメートや各地の名門校(現在の状況;応徳学院・愛工雷名電・広両など)の選手を募集しています。いい選手やクラスメートが思いついたらぜひ参加してもらえると幸いです。
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