3回裏からはいい当たりを打っても野手の正面を突いたり、三振に封じ込められたりと息の詰まる投手戦を展開していった。
大阪清蹊女子は攻撃面では姫咲がチャンスメイクして、守備でも彼女の跳躍力や視野の広さを以て勝負していくスタイルだ。だからこそ彼女がこのチームのキーマンといえよう。金華は姫咲の3打席目・4打席目と連続で三振を奪い、反撃の芽を摘み取っていく。だが、天橋も負けずにはいられない。彼女も緩急の幅や微妙にシュートするストレート───ナチュラルシュート*1で打者を封じ込めていく。
お互い得点できたのは8回終了の時点でハルクと天橋のソロホームランだけで5対2と拮抗していた。
そして迎えた9回表、大阪清蹊女子最終回の攻撃。ここで同点…逆転できなければ負けが確定してしまうのだ。
梶原監督はここで8回12奪三振と好投した金華の疲労具合を鑑みて交代を告げた。
「お疲れさま。いやぁ8回106球…良く投げたものだね」
「ありがとうございます」
「このまま完投してもいいんだけどさ、今日は球数が100を超えているし今日はゆっくり休んでいってね」
「分かりましたわ」
「さぁ芦澤君、前回セーブ失敗した悔しさを晴らしてきて!」
「はい!」
ここで迎える抑えは前回抑えに失敗した芦澤だ。
(思えば前回…セーブ失敗した時は悔しかった。まさか自慢のストレートがあんな風にかっ飛ばされるなんて思ってなかった。けど、それは大野君も一緒だった。俺は重くてスピンの強いストレート…大野君は高速変化球との連携が光るタイプ。差は違えど同じ剛速球投手として相談にも乗ってくれた。だから、今回は失敗してたまるか!)
赤い瞳をした目に闘志が宿る。大きなスリークォーターから放たれたストレートは唸りをあげてキャッチャーミットの真ん中に向かっていった。しかしそれより先に姫咲がバットにボールを当てることができた。しかし、芦澤のストレートは普通のストレートではない。中学時代のチームメイト堺原がミット越しにキャッチしても腫れ上がるほど重いストレートなのだ。当然、彼女の力では前に飛ぶどころか上に飛んで行ってしまった。野村がキャッチして1アウト。
2番の佐々木は内角高めにカットボールを2球続けた後に緩いチェンジアップで空振りの三球三振。
そして2アウトにこぎつけてバッターは3番の広瀬。
(芦澤…えぇ感じや。このまま3連続アウトに仕留めて初勝利や!)
(うん、わかっているさ)
まず1球目はストレートを胸元をえぐったがわずかにズレてボール。2球目も同じところに投げたが野村のフレーミングで仕留め、ストライクになった。3球目はチェンジアップを外角低めに投げさせたが、これはバットに当てられたが三塁線の外側に外れてファールになった。
そして4球目、野村と芦澤が合致したサインは…外角低めのスライダー。いくら小さく曲がる変化球とはいえボール球。それでもバットに当てようとした小島だが彼女の読みは外角のストレートだったせいでバットは空を切ることになった。
「よっしゃぁ!河学記念すべき初勝利や!」
「やったよ…これでようやくスタートラインに立てた気分だ」
「お嬢も漣もよくやってくれたで。大野もエースの矜持を持って頑張らなあかんな」
「あぁ…でも、やっぱりチームが勝利するっていうのはいいもんだよ」
「うん、大野君もお嬢も芦澤君も…みんな勝利のために頑張ってくれるかな」
「「「はい!」」」
こうして、河学野球部は初勝利をもぎ取ることができた。
やっと河学初勝利…おめでとう!相手が女子だけとはいえ、中堅校に勝利したのは幸先がいいですね。
さて、活動報告においてはクラスメイトや先生方、他校のライバルたちを募集しています。ぜひ、参加してもらえると嬉しいです。
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