日本一の野球部を目指して   作:メカニッカー

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今回からは河学野球部初めての合宿を行います。初めての合宿は富山県、そして初めての県外の練習試合の相手はそこの学校です。


初合宿

6月初旬…

団体用バスを借りた河学野球部一行は、バスに揺られること4時間強で富山県高岡市に到着した。

「やっと着いたでぇ!バス移動は久しぶりやけどだいぶ疲れたなぁ」

「あぁ、それにしても初の合宿が富山県だとは…びっくりしたよ」

「それは私も一緒。でも、高山商業の監督さんから招待試合の手紙が来てせっかくだから合宿しませんかって内容も載ってたからね」

「マジか!ほんま高山商業の監督さんも太っ腹や!」

「うん、このトラブルなくやれると今後にもいい影響が来そうだし」

野村・大野は梶原監督とともに荷物を下ろしながら今回行う合宿について話していた。

一通り荷物下ろしを終えると昼食を済ませ、高山商業高校(たかやましょうぎょうこうこう)野球部とのレクリエーションをすることとなった。

 

「いやぁ、枚方からはるばるおいでなさいました。それにしても河学の監督さんもかわいらしいお人で…」

高山商業の宮田監督はさわやかな笑顔で迎えてきてくれた。

「うちのような新設校に送ってもらえるとは…ありがとうございます」

「いえいえ、うちは大阪の学校と対外試合をするのが恒例ですけど、今回は話に聞いていた新設校にも合宿をやりましょうとお話をさせていただきましたが二つ返事でいただけて嬉しいです」

 

こうして始まったレクリエーションは彼らとの自己紹介から始まる。

「大俱利心綺です。ポジションは投手をしています」

「狂蘭霊夢と申します。よろしくお願いします」

まず、2人が挨拶をしたのを皮切りに3年生主将が自己紹介をする。

「おぉ、富山県一の名門だけあって層が分厚いですね。私は河内学院大学付属高校の野球部監督、梶原詩乃といいます」

「僕は大門鉄心。高山商業で野球部主将をしています。よろしくお願いいたします」

 

こうして、高山商業との初合宿が始まることとなった。ウォーミングアップやキャッチボールを終えると、まずグラウンドでは小原・柴吉などの内野手が特守練習をすることとなり、大野・大俱利・狂蘭をはじめとした投手・外野手は校門に向かうこととなった。

 

「さて、内野手が特守の間に投手・外野手のメンバーはトレーニングをする。この高岡の雨晴海岸(あまはらしかいがん)ならではの練習だ」

「えっ?6月の初旬なのに遠泳ですか?」

「ソンナワケナイヨ。海開キモマダナンダシ」

大野がきょとんとしていると、ハルクは笑って首を横に振る。海開きは7月なのでまだ先の話だ。

「その通り。今からやるのは雨晴海岸までランニングだ」

「あぁ~、そういうことだったんですか」「うわー、間違いなくきつそうね」

大野は納得してはいるが孤崎は不安そう。

「では、みんな納得してきたところで行こうか。3㎞以上あるがバテても走りぬいてくれよな!」

その雨晴海岸は絶景と言われるほどで、確かにここからなら立山連峰からの日の出が美しいところだ。参加メンバーはスタート地点の伏木駅に並ぶ。そこから3.5㎞先のゴール地点の雨晴駅までのランメニューだ。

「ボールを投げ上げるからそれが落ちたらスタートだ。間違ってもフライングは無しだからな!」

そう言って宮田監督はボールを投げ上げた。ボールが落ちた瞬間、一斉にスタートした。

「サァ、行クヨ!」

ハルクが真っ先に飛ばした。次に大木・壬生路の2人が続く。そして高山商業の高橋大聖(たかはしたいせい)石井悠里(いしいゆうり)が3番手だ。

「うぉ、いきなりすごいスピードを出すなぁ…」

「やっぱりハルクはすげぇよ。堺三銃士*1の一角にして1番打者だからなぁ」

芦澤はハルクのスピードに驚いていたが、大野は驚かない。堺中央のメンバーでも俊足選手は智念和歌山の田原雅人(たはらまさと)も負けてはいない。この2人が出塁することは即ち3番の一振りで2点は確実に失う韋駄天コンビなのだ。

 

そしてしばらく走りこんで越中国分駅付近に差し掛かってきたが…

「くそぉ、2駅あるというがなかなかしんどいな」

「ゴールはまだまだ遠いなぁ」

「えぇ、ここまでくると…先頭の背中も見失いますわね」

金華や大野、芦澤といった河学投手トリオはへとへとになりながらも走りぬこうとする。

「けど、先頭集団のあいつらに負けてられないな」

「ですわね」

「よし、俺たちもやってやろうか!」

そういって雨晴の海辺までそびえる山沿いを駆け抜ける大野たち。しかし走ってもなかなか先頭集団の背中は見えてこない。最終的到達したころにはさっきの先頭集団が到着していた。

「オォ、大野クンもミンナヤット到着ダネ。一番早クニ着イタノハ大木サンデ二番手ハボクダヨ」

ハルクは汗ぐっしょりだがどこかやり切ったような感覚からか笑顔そうだ。

「い、一番ってそんな…恥ずかしいです…」

恥ずかしさのあまり顔を伏せる大木。しかし、彼女のスタミナは1か月に1回は琵琶湖の外周(だいたい4分の1、16km)するランニングを中学からやっていたことに由来しているのだ。そして3~5番手は高橋・石井・壬生路の順番で到着した。6~8番目は大野・金華・芦澤でその後は清水・狂蘭・大俱利の順でランニングを終えた。

その間は氷見線の気動車に揺られて高山商業に帰ると、捕手・内野手と投手・外野手が交代して投手はバント処理、外野手はノックを受けることとなった。こうして1日目の練習を終えた高山商業・河学のメンバーたち。

 

今回の合宿についてはホームステイという形をとることにした。大野は大俱利と組むこととなった。大俱利の家は富山県西部の魚津市にある。魚津の大俱利の家に着くと地方ならよくある一軒家。大野はここで2泊していくのだ。

 

夕食を終わらせた大野は大俱利の自室に招かれて部屋を訪れた。

「大野君、梶原監督から『大野君は全国の猛者と戦ったすごい主戦投手(エースピッチャー)』と聞かされましたけど、どんな選手と勝負したんですか?」

「えっ、オレじゃなくとも全国レベルのエースなら話を聞いててもおかしくないんじゃないのか?」

「いやぁ、すごい選手だって言われても雲の上すぎてすごさがさっぱりわかりません…」

「あぁそうかぁ…じゃあ大阪鶴見のメンツから話していくことにしようか」

*1
堺中央ジュニアの主力選手3人のこと。残る2人は野村・葛城




県外で初めての学校は富山県内では名門の高山商業高校のメンバーが登場!KOLLINGさん発案の大俱利心綺君・狂蘭霊夢さんももちろん登場です。
今でこそまだ全国的に見れば弱い部類に入りますが今後台風の目になるかもしれない期待の学校ですから、彼らの覚醒がどうなるかお楽しみに。

さて、活動報告においてはクラスメイトや先生方、他校のライバルたちを募集しています。ぜひ、参加してもらえると嬉しいです。

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