さて、ついに始まろうとしていた夏の予選大会。夏の選手権大阪大会は1~3回戦の間はというと北部と南部に分かれて試合をする。そのための抽選会が行われることになった。これによって夏大会のトーナメント表が決定する日なのだ。一応学校の業務がひと段落した梶原先生がこの日、くじを引くこととなった。それにしても、ただでさえ男臭い高校野球の監督勢の中で女性が一人でもいるとどうしても目を引くもの。あの女神のようなモデル体型の美しい見た目に注目するのも無理はない。そんな彼女が引いた番号は北部の80あるチームのうちの41番…豊中ローズ球場で開幕するブロックとなったのだ。
他の学校はGL学園は南部ということもあってくらスタ堺ブロックの169番、北部の大阪桐陽は万博公園ブロックの25番・
さて、試合がいざ始まろうとする前日のミーティングでこの夏の1回戦の対戦相手が決まったこと、相手はどこなのかが報告された。
「1回戦の対戦相手は、
「興邦?あぁ、たしか、半世紀ほど前に甲子園に出場した大阪私学のかつての名門だったあそこかぁ」
「せやけど…今言うて強ぅないって聞いたことはあるなぁ」
大野も野村も興邦野球部に対する印象は良くない。というか最悪だ。相手の監督の頭が頑固で改革の必要はないと思っているのか、はたまた改革によるリスクを恐れて手が出せないのかは知らない。だがとりあえず1990年頃の野球観でやっているせいか最新の野球のトレンドの波に乗り遅れた結果、『大阪の高校野球の墓場』なんて異名がつくくらい弱体化しているからだ。
「まぁそういう話は聞かないこともないけどね…けれど、新しい野球を試すって意味ではあいつらがいい実験台になるんじゃないかな?」
そう言った梶原監督がいたずらっ子のような笑顔を見せる。まるで新しいおもちゃを買ってもらった子供のような表情だ。
「それもそうだよな。オレ達の野球がどこまで通用するか実験するにはちょうどいいライバルじゃないか」
「せやな。油断しとったらあいつらの逆襲を招くだけやからしっかり気を引き締めていくで!」
そう言った大野と野村は真っ先に賛同した。大野や野村につられて小原・柴吉・孤崎…野球部のメンツ15人も意志を同じくして挑むこととなった。
さて、それからミーティングが終わって自宅に帰ろうとするとある女子生徒に呼び止められた。その少女は茶色のショートヘアーで黒色の瞳のかわいらしい容姿をしたクラスメート…
「大野君、明日から夏の大阪予選なんだって話が今学校内で持ち切りだよ」
「えっ、そうなのか?まぁ大阪予選に参加するのは間違いないんだけどな」
「へぇ、そのことなんだけどもしよかったら試合観戦して記事にしてくれないかな?」
「おいおい、それはいいんだけどデマとか書くのはよしてくれよな」
「当たり前よ!私はガセネタ*1というのが一番大嫌いなんだから!」
宮坂は和歌山からはるばるこの河学に進学してきたのだが、中学時代は生徒の半数を新聞好きに変えた規格外のカリスマ新聞部部長なのだ。
「ま、そこまで言うのなら積極的にネタを書き込んでくれよ」
「やったぁ!大野君、試合で絶対に活躍してね!」
「おうよ」
さて、こちらは壬生路といつもの仲間たち…
「カナちゃん、本当に野球部に入ったのかぁ。それにしても楽しんでやってるか」
「面白い仲間に巡り合えたなとは思っているよ。特に大野と野村は毎日打倒GLを合言葉に学校帰るシーンが多いからねぇ」
「マジかぁ。それにしてもお前もいい仲間に巡り合えたもんだぜ。俺んところの吹奏楽部連中も大概なんだけどな」
「確かに吹奏楽の人たちはキャラの濃い人たちがいっぱいいるって噂だよね。そんな軽音部も面白人たちがいっぱいいるんだけどね」
「へー、なるほどなー」
「そうだ、お前も野球の夏の予選なんだろ?俺達も応援しに行くから負けるんじゃねぇよ」
「もちろんだよ。俺も活躍したいとは思っているし、頑張るよ」
そうやって、彼らの試合前夜というものは過ぎていった。
さて、今回のお話で初登場したのは新聞部の部長兼編集長…覇王朱雀さん提案の宮坂鈴さんです!こういう新聞部などのメディア系の部活があると物語が動かしやすくてありがたいです。できれば、放送委員の子も出てきてくれたら幸いなんですけどね。
もし、これを読んで放送委員の子を作りたいという方は、ぜひこちらのリンクに飛んで作成してください。
日本一の野球部を目指して 第3回キャラ募集