入学式をすませてクラスが決まり、新入生たちは新しいクラスに振り分けられる。その大野は新しく1年1組に振り分けられた。大野は手にしたプリントに従って新しいクラスに入った。そんな新しいクラスにはある見覚えのある顔があった。その人は五分刈りで細い目つきをしていて、メガネをかけたぽっちゃりした小柄男子だった。
「お前もここにきているとは思わなかったぞ…堺中央ジュニアの野村」
「え、えぇぇぇ!?あんたは、大阪鶴見の大野か!?」
「嘘やん…あんたほどの実力があればGL学園にだって余裕で行けるはずやったのに…ここにきてるのは信じられへん」
口をぽかんとしながら歩み寄ってきた。
「おぉ、去年の準決勝以来ご無沙汰になるかな?」
「せやな。あの時はサヨナラ負けになってもうたがな」
大野がいた大阪鶴見シニアと野村がいた堺中央シニアは去年のシニア大阪予選準決勝で対戦したことがある。大野は中学トップクラスの速球派投手、野村は強肩強打の捕手として名は知れていたからお互いに名前は知っていた。その時の対戦成績は4打席1安打2三振。しかしながらその1安打は同点の2ランホームランだった。それでも、最後はリリーフがサヨナラホームランを打たれて大阪鶴見が勝っている。
「しかし、あんたほどの男がここに来るとはな…よろしゅう頼みます」
「あぁ」
お互い1人ボッチになるのは想定していたこと。ある程度シニアで活躍していたらこんな辺鄙な新設校に行かなくても名の知れた強豪校から甲子園に行くことはできたはずである。
「にしても大野、暇やな。キャッチボールでもやろうや」
「よし、やるか」
グラブとボール、ミットとプロテクターにマスクを一式持っていくとダイヤの中央、マウンドとホームベースの後ろ側についた。
「それで、あんたはなんでここに来たんや?GL学園や大阪桐陽とかスカウト来るはずなんやけど」
「あぁ、オレも実はGLの見学に行ったことはあるんだけどな…」
「ほんまに?じゃぁそこに行ったら何があったんや」
「それで見たのは中学では名の知れた先輩たちがベンチ入りもかなわず死んだ目つきをして練習している姿だったんだよ。だからあれがトラウマになるくらい忘れられなくてさ、河学の新設情報を得て電話かけた」
「ほぉう、そこでどないなった?」
「うちの野球部部長に甲子園に行くにはオレの力が必要だって言われたのがきっかけだな」
「まぁ、逃げてきたんか…それは否定せぇへんで。せやけど、試合からは逃げるなよ…」
「おぉ、もう逃げないからな」
「かくいう野村は?野村ほどの実力者ならスカウト来ていたんじゃないか?」
「ワイか…」
一瞬野村の顔が曇った。大野は野村の壮絶な過去を知ることになる。
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