私の名前は孤崎千振。どこのシニアにも所属していないフリーのバットマンよ。
私がなぜどこのシニアに所属していないかというと小学校時代にさかのぼるの。あの時は野球クラブに入ったわけだけど、同学年の投手を滅多打ちにして監督に仲良くしろと言われたり、なんならしつけと称して6年生投手が力の差を見せつけようとしてきたわけだけど返り討ちにしてしまったわ。そういったこともあってか、私はクラブにいづらくなって数か月かそこらで辞めちゃった。
それ以来は暇なときにバットを素振りしたり、お小遣い使ってバッティングセンターでバットを振ったり足腰を鍛えるために京都から大阪まで走りこんでいたわ。だって打撃練習は楽しかったけど、守備は連携が必要でしょ?コミュ障の私には性に合っていなかったからそれでも満足だったの。
中学に入ってからも相変わらずシニアチームやボーイズ・レディースチームに入る気はなくて名門中学の近くのバッティングセンターやランニングコースに目をつけてはそこでシニアチームのクリーンアップやエースピッチャーに勝負を挑むようになったわね。最初のうちはノリのいい奴しか挑んでこなかったけど、バットを一振りすればたちまち勝負に乗っかってくれた。
大阪鶴見の大野君に堺中央の葛城君…他にも奈良の天才少女や神戸の精密機械投手、京都の軟投派左腕・和歌山の剛速球投手、遠征に来ていた地方のエースピッチャーとも勝負してきたわ。大野君や葛城君には4打数1安打か2安打がやっとだったけど、ムキになって挑んだ奴は4安打にしてやったりもしたわね。
勝負してきた投手はみんな「試合でまた会おう!」と言ってきたけど私はどこのチームに所属してないから試合に出ないと言うとみんなきょとんとする。ああいった反応が面白かったなぁ。
けど、そんなある日に監督と出会うこととなった。実は監督は強豪シニアのエースや有力選手を勧誘していたのだけど、いつも断られていたなかでそいつに勝ったことを聞かされて一緒に来てほしいと懇願してきたの。私としては人づきあいが苦手なので断ろうとしたのだけど幸いにも新設校だったから上下関係に振り回されなくて済むんだと言われたし、何より私の知らない相手とも勝負できるのだからとなると少し興味がわいてきた。
それで、改めてバッティングの良さを見せってもらったけど守備が壊滅的だったせいで監督に引かれたの。けど私は小学生から中学生までグラブを手にしたことがなかったものだから、私は彼女の知り合いというシニアのコーチに守備練習に付き合わされた。そこのシニアは守り勝つチームだから守備にはうるさいから、私も相当怒られたんだよね。なんとかある程度フライ処理や外野の送球はできるようになったわ。
さて、どんなピッチャーと対戦できるか、今から楽しみね。
今回はフリーのバットマンだった少女が主人公に再会したことがきっかけとなり、新設校で未知なるライバルと勝負できることを夢見ることになるというストーリーです。
奈良の天才少女や神戸の精密機械、京都の軟投派に和歌山の剛速球投手といった関西エリアのエースピッチャーのみならずほかのエースとどう勝負していくのか描いていきますのでよろしくお願いします。