また翌日、大野・野村・ハルク・孤崎といった面々は野球部のグラウンドに向かった。
「ほぉう、あいつとも勝負したんやな」
「まぁね。でも、私が勝負した中で一番の投手はやっぱりあのピッチャーになるかな」
「あのピッチャーって?」
「そうねぇ、たぶん私たちの世代の中では最強のピッチャーになると思うわよ」
「世代最強ノピッチャーカ…何ダカスゴソウナ気ガスルネ」
こうしてグラウンドに入った4人だったが、先客がいたのだ。赤い髪の毛をポニーテールにしてオレンジ色の瞳をしたいかにもやせ型の少女で、彼女はベースランニング練習をしている。
「ん、あれは…」
「おっ、大野どうかしたんか?」
「あの顔、見覚えがあるんだよなぁ。オレ、挨拶しに行ってくるから」
「うん、私たちはそれぞれ個別に練習してくるからね」
孤崎たちはあいさつしに行ったオレを見送った。
「にしても、紗友里もこの学校に来ていたのか…」
「あっ、大野君。去年の秋の決勝戦以来になるわね」
「しかし驚いたなぁ。てっきり大阪桐陽やGLとかにスカウト受けたのかと思っていたよ」
「私も大野君のこと、強豪校にスカウトで進学していったのかなと思ってたわよ」
「それに、野村やハルクといった堺中央の強力な選手が2人もここにきているんだよ」
「野村と…ハルク?」
「そうだよ。中学野球では『堺三銃士』と言われてチーム初の地区大会準決勝まで勝ち進んできた優秀な選手なんだよ」
「そうなんだね。私は堺中央とは対戦したことがなかったから全然知らなかったよ」
「そうか…門真なみはやシニアでスカウトに声かけられた人はいるのか?」
「うん、兵庫の応徳学園や京都の龍王大平安とかなら1人ずついるよ」
「へぇ、オレのところも智念和歌山や大阪桐陽、龍王大平安にGL学園に1人ずついるよ」
「さすが全国区になったシニアチームだね。大野君もスカウトされてたんでしょ?」
「もちろん。大阪桐陽にGL、応徳学園に龍王大平安、智念和歌山とかからスカウトされてたけど、あそこでやってく自信がなかったからな…ここなら3年間やっていけるかなと思ってきたんだよ」
「そういうことなんだ…私もスカウトはされるかなと思ったんだけど…」
「けど、なんだ?」
小原がここに来たる理由がわかることになるんだ。
さて、この小説のキャプテン小原紗友里の初登場です。彼女は関西の中学野球では有力な女性な選手なのですが、なぜスカウトが声かけられなかったかが判明します。