ACFA×IS 汚染記   作:IBISNOSOKO

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書き溜めが終了してしまいました。とても悲しいです。
一応プロットは出来ているので、頑張って更新していきたいと思います。
とりあえず、今回は俺TUEEEですので、苦手な方はBACKよろしくお願いします


1>12 

太平洋の中央も中央。ここで船が難破したら詰みであるほどの大海原を俺は突っ切っていた。

時速2000kmほどの速度で。

 

『どう、気分は』

『悪くない。まるで自分の体の一部のようだ』

 

ネクスト機全体の情報がリアルタイムで強化人工器官を通り、俺の脳髄へ直接送られてくる。

指や装甲の可変等々も、自らの腕を自然に動かすように、感覚的に操作できるだろう。

 

『さすが私の息子、分かってるね! んじゃ、巡航しながらでいいからコレを見て』

 

視界に添付されてきたファイルが映し出された。開いてみると、どうやら遅めの作戦要項であるようであった。

内容はアメリカ合衆国カリフォルニアにて行われる人工衛星搭載ロケット発射の阻止。

この人工衛星は、アメリカが開発しているサテライトキャノンの試作機であり、通常兵器によるIS撃破を念頭に設計されているものらしい。動力も放たれる弾丸も全てソーラパワーであるから、恒久的な狙撃戦が展開できるのだ。

しかし元々宇宙空間での使用を目的に開発されたISが、超高高度狙撃などに押し負けるはずもないと思うのだが、どうやら博士はこの兵器を危険視しているようだ。

 

『この程度の狙撃、通常ならば障害にはならない』

『いいや、凡人共が造ったにしては随分とまともな、兵器らしい兵器だよ』

 

またさらに一枚の画像が添付されてきた。それを開いてみると、数枚の資料が視界に広がる。

これは――

 

『そう。IS打倒というのは必要な資材を集めるためのキャッチコピーに過ぎない。本来の目的はこのサテライトキャノンによる先進国への脅迫』

『なるほど。確かにこのキャノンのスペックを鑑みるに、錬度の低いIS操縦者では直撃撃破も可能性としてはありうる。それを証明した上で兵器として他国の国民に向ければ、アメリカは核以上の抑止力を手に入れることになる、ということか』

『そう、だから止めて。うざったいから』

『了解した』

 

オーバートブーストを展開し、一気に機体の速度を高める。世界最強の軍事国家への本土攻撃とは、やはり博士は笑えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「Xバンドレーダーに反応! 速度5000!!」

「短距離弾道ミサイルか!? 他国のミサイル発射台に動きは!?」

「……このエネルギー総量は、ISなのか!?」

 

カリフォルニア位置しているビール空軍基地は騒然としていた。

何せ5000kmオーバーで突撃しているIS機がこちらに向かってきているのだから。

 

「十中八九ロケットが目的だ! 総員戦闘配備! 航海中の全空母に伝達しろ!」

「しかしISが相手では……」

「発射まで時間を稼ぐだけでいい。そして、ISにはISだ。人類のため、計画はかならず成就させねばならない」

 

 

 

 

 

 

 

 

うっすらと大陸の大地が見え始めたとき、博士からの通信が入った。

 

『気をつけて! どうやら国も本気みたい! ISがくるよ!』

『ほう、初陣にはふさわしい相手だ。識別は?』

『12機! 第二世代機ラファール・リヴァイヴ11機と、実験段階の第3世代機だね! これはちょっとだけ厳しいよ!』

『――あ? 12?』

『急いで! ロケットの発射まであまり時間がない。私の研究所まで戻ってくるのにそいつらは邪魔だし、もう全部撃破して終わらせるしかない!』

『クソッ!』

 

確かに、世界情勢を変えるほどの兵器を試用しようというのだ。この程度の戦力を投入するのは必然である。

経路を変え、捕らえられないよう本土進入しようにもうっすらと見える大地を背景にIS12機がたたずんでいるのが最早肉眼で確認できる。一機だけ白銀のものがいる、ということはこいつが最新型か。

武装選択と戦法を練りながらオーバードブーストで接近していくと、オープンにしていたコア・ネットワークから通信が入った。

 

『そこの所属不明IS。こちらはアメリカ海軍。所属と目的を言え』

 

出来る限りイレギュラーと戦闘はしたくないということか。それもそうだろう、現状のISでは到底叶わない速度で巡航してきたのだから、その戦闘能力を警戒するのは当然のことだ。

俺は男であることを悟られないようにボイスチェンジャーを作動させた。

 

『国はもたない。目的は――既知だと思うが?』

『……ロケットか。よろしい』

 

部隊長と思しき彼女のその通信を皮切りに、12機は散開し始めた。

アサルトライフル・ヴェントを装備したリヴァイブ11機が前衛、その後方を第三世代機が。

つまりあの機体は高火力遠距離型か?

とすればまず撃破すべきはリヴァイヴだ。第三世代機は外見では武装が確認できないのが不可解だが、この数はこちらとの性能差を埋められかねない。

 

俺はEB-O305を拡張領域からコールし、両腕に装備。そして通常のIS戦闘の距離である200m前後に機体間の距離が到達したのをみて、OBを切った。

リヴァイヴ全機はヴェントの銃口をこちらに向け、白銀の機体も大型のスラスターを空にかざし展開する。

 

 

 

 

 

――大海原を流れていた風が、止んだ気がした。

 

 

 

 

 

俺は一気にクイックブーストでリヴァイブの壁に接近した。

一行はまるでワープのように接近したかに見えただろう。しかしギリギリのところで彼女らのハイパーセンサーに捕らえられたか、リヴァイヴ数体に向けてレーザーブレードを振ろうとした俺にヴェントの集中砲火が襲う。

PAが通過した弾丸の速度を奪い威力を殺すが、いかんせん粒子のバリアだ。マシンガンのような継続的な火力の前ではすぐにかき消されてしまう。これではいかんとバックブースターで後方に下がると、リヴァイヴの壁の向こうから高密度のエネルギー反応が――

 

『避けて! あいつ、高密度エネルギー弾を全方位に発射できるんだ!』

 

耳元で博士の助言が流れるが、少し遅かったようだ。視界を覆うほどのエネルギー弾がリヴァイヴの壁を超え山なりに襲い掛かろうとしている。

しかし俺からみれば弾速は十分に遅い。着弾までには恐らく数秒ある。

俺は拡張領域からMUSKINGUM02とWHEELING03をコールし装備。ハイパーセンサーを全開にし、一瞬で脅威となりうるエネルギー弾をマルチロックした。

あとはミサイルを発射すればよいのだがしかし、未知数の武装を展開した敵の攻撃を、リヴァイブ達が黙って見過ごすはずはない。

隊長機と思われるリヴァイヴが飛び出し、PAを突き抜けて直接蹴りを繰り出してきたのだ。

タイミング、威力、相性、どれをとっても現状でネクスト機に繰り出せる最適な攻撃である。

 

 

ならば、あえてそれを受けよう。

 

 

突き出された脚が腹部装甲に命中し、体が強制的にくの字に曲がるのを感じた。シールドエネルギーによって強い痛みは感じないが、衝撃で機体が後方に飛ぶ。

この勢いを利用して距離を取り、彼女らからの追撃を防ぐ。表情は分からないが、まさか何の抵抗もなく攻撃を食らうとは向こうも考えていなかっただろう。思いのほか飛んだ俺に対し、何の攻撃もしてこない。ただ白いエネルギー弾が今なおこちらを追跡してくるだけである。

俺は後方に距離をとったことで視界に収まったリヴァイヴ11機をもロックし、ミサイルを発射した。

瞬間、開いていたミサイルハッチから轟音が轟き、大量の白煙がネクスト機を包みこんだ。そして頭上にてエネルギー弾と白煙が交わり、何条もの光が海を照らす。

どうやら全弾打ち落としたようだ。巨大なエネルギー反応は消失している。そしてリヴァイブにも損害を。

彼女らは今なお追尾してくるミサイルから逃れるため、各々散開し回避にあたっているようである。

しかし、第二世代機の機動力とシールドエネルギー総量では決して防ぎきれない。断続的に響く炸裂音が、撃墜数を示しているのだ。

レーダーをちらと見ると、なるほど。隊長機と第三世代機が残ったか。あの隊長機は恐らく、避けられないと踏んでヴェントによる迎撃で対処したのだ。隊長にふさわしい熟練度である。

 

『――なんということだ。本当に、なにがどうなっている』

『……隊長。私とこの子が時間を稼ぎます。付近の空母まで退却し、現状を報告してください』

『しかし!』

『お願いします』

 

隊長機が悩むような素振りをしばらく見せるが、やはり合理的な判断であると思考したのだろう。彼女は背をこちらに向けた。

確かに今更リヴァイヴが最新鋭機同士の戦いに加わったところで、その戦術的価値は見込めそうもない。

だが、俺は理解している。性能差は、数とパイロットの練度次第でいくらでも埋めることが出来ることを。

現状で最も危惧すべきは、あの隊長が専用機を手に入れ、再び俺の前に立ちはだかることなのだ。

俺はEB-O305をリリースし、061ABSRを拡張領域から取り出した。視界をスコープと同期させ、去っていくリヴァイヴの背中を捕らえる。

この距離、威力から見て、直撃すれば絶対防御が発動せず絶命は必死だ。だが、アメリカ海軍の展開している空母郡にマークされることは、博士にとっては喜ばしいことではない。ならば殺す。殺して防いでみせる。

 

『やらせないッ!』

 

白銀の羽から大量のエネルギー弾が放出され、リヴァイヴを保護するように動く。弾道の白い軌道が視界を阻害するがしかし、俺はそのまま引き金を絞った。

想像していたものよりずっと小さな発砲音が鳴り、弾丸が発射される。それはエネルギー弾という白い壁を大きく吹き飛ばし、リヴァイヴに命中。大きな衝撃と痛みが彼女を襲っただろう。PIC制御もままならないまま、驚愕の表情を浮かべてリヴァイヴは堕ちていく。

 

『銀の鐘のエネルギー総量を単発でッ――』

『――こ、……化け――』

『光栄だ』

 

確かにシールドエネルギーを完全に失ったようだ。しかし、落下していく途中でリヴァイヴの展開が解けた反応があった。つまり絶対防御が発動し、搭乗者は救われているということでり、あのエネルギー弾が大きく弾丸の威力を奪ったということになる。パイロットの優秀さもあるのだろうが、攻撃だけでなく防御に転じれるほどの軌道制御と、061ABSRの弾丸を軽減させるほどの威力を両立させた武装とは、アメリカの最新鋭機も馬鹿に出来たものではない。あと数機分ほど実験を重ねれば、第四世代にも通用するのではないか。

そう思考したところで、戦況を確認していた博士から通信が入る。

 

『さっすが私の息子! ひやひやしたけどめちゃくちゃ早かったね! ご苦労様!』

『博士?』

『それ、回収してほしいな。もちろん位置を特定されるのは面倒だから、それなりに解析したら国に返却はするよ』

『……了解』

 

何を考えているかは分からないが、やはりこの機体に対しての意見は同じらしい。

確かに博士からみれば、凡人の限界というものを計れる良いものさしに見えるのかもしれないが、時間の無駄ではないか。

だが、従うほかはない。

 

『隊長!!』

 

第三世代機は、高度から落下している隊長の救出に向かっていた。

確かにリヴァイヴの保護がない今、この高さから海面に叩きつけられれば即死だ。しかしここで使命ではなく人命を選択するとは、軍人らしくもない。最大の脅威を相手に背を向ければ、助けられる命がさらに死ぬことになるだけだ。

 

『ふむ、多少の破損は目をつぶってくれ』

『うんうん、全くかまわない。適当に修理はしておくから』

 

061ABSRを構え、第三世代機に銃口を向ける。

狙いはあの羽だが、しかしスコープ越しにその機体の挙動を確認すると、なるほどかなり速い。どうやら瞬間加速で隊長の保護に向かっているようであるが、時速2000kmは出ている。凡人達の執念とやらを、博士は知ることになるかもしれない。速度の面で言えばネクストの巡航速度に匹敵しているのだ、ここで仕留めねば後々厄介なことになる。

引き金を引いた。

発射された弾丸は白銀の羽に直撃し、大きな爆発が起きる。どうやらスラスターとしての役割も果たしていたようだ、機体の姿勢制御に影響が出ている。

しかし直撃こそせず絶対防御も発動していないが、シールドエネルギーという観点でみれば致命傷だ。風穴の開いた装甲から大量のエネルギーが吹き出ている。尽きるのは時間の問題であろう。

 

『ぐうぅうううう……!』

 

しかし第三世代機は、エネルギーの減り続ける機体をよそに火花が散るスラスターから瞬間加速を続け、海面ギリギリのところで隊長を抱え保護することに成功したようだ。そしてそこでシールドエネルギーが尽き、ISがアクセサリーに収容される。

ISという推進機を失った金髪の搭乗者が倒れ、海に沈んだ。

 

『……』

『ロケット発射までもう小一時間しかない。今回は無駄な殺生はやめて、任務を全うせよ我が息子』

 

軍用のISスーツなのだ、海に沈み溺れる羽目になったとしても、恐らくしばらくの生存は可能。絶命するよりも早く海軍に救出される可能性は高い。ここで殺さねば、今後も脅威として立ちはだかるかもしれない。

だが確かに、今回は時間が惜しい。12機もの損害を出したのだし、しばらくアメリカのIS関連の軍事力は鳴りを潜めるはずである。それならば無理に搭乗者を殺害しても得るものは少ない。そして何より世界人口第三位のアメリカだ、搭乗者の代わりもいくらでもいる。

 

『了解した』

 

海面に降り、気絶している第三世代機搭乗者を掴む。アメリカ人らしい長い金髪と、薄く開けた青い瞳が視界に広がる。年齢は20歳程度か、実験段階の試作機を任される身分なのだから長く軍に勤めているのだろう。

そう一人ごちて、待機状態のISを回収、コアのハンガーユニットに格納した。

 

 

 

 

 

 

『回収完了、任務を続行する。博士、他の敵戦力は?』

『海にはなーんにも。発射基地はちょっとすごいかなー』

『というと?』

『どうやら衛星で戦闘を見学してたらしいよ。ISは品切れだから、通常戦力をわんさか集めてる』

『チッ、いけそうか?』

『ちょっとこれは本格的に厳しいかも』

 

ネクスト機のPAは、やはり継続的な火力には弱い。いくら機動力で勝っても、巨大な弾幕を張られればそれで終わりだ。これほどの戦力と戦わないよう、端から削っていかなければならないのだが、さすがに情報化社会だ。ものの数分でこちらの戦力を把握されてしまう。

さてどうしたものか、突撃すれば死。徐々に削っていけば時間に間に合わない。どうすれば――、と思考したところで博士からグフグフと聞こえないように声を絞ったような笑い声が聞こえてきた。

 

『……博士、あなたならばなんとかできるだろう?』

『あ、気づいちゃった!? いやーさすが我が息子! 私の偉大さをキチンと理解してるんだね!』

『言わせたかったんだろ、早くしろ』

『フフン、もう既に手は打ってあるのだ!』

 

一枚の画像が添付されてきた。これは――

 

『061ANSC。超射程のスナイパーキャノン……』

『この射程なら、邪魔されず一方的に攻撃できる。ロケットを破壊するなら数発あれば十分だよ』

『なるほど、だが……』

 

スペックを鑑みるに、これはネクスト機といえど反動がまずい。ハイパーセンサーと組み合わせれば衛星軌道ですら狙撃できると思われるが、つまりそれほどの威力であるということだ。発射すれば力のベクトルの関係上同じ衝撃が機体を襲う。反動でバラバラになるとは言わないが、まともな狙撃が出来るとは思えない。

 

『なるほどなるほど。確かに普通ならそうなるかもねー』

『何が言いたい』

『普通ってのは地球って意味さ!』

『……あ?』

『衛星軌道すら狙撃できるんだ。じゃあ衛星軌道から狙撃してやろうぜ! ぶいぶいっ』

 

……やはり博士は笑えない。

 

 

 

 

 




とまあこんな拙い戦闘描写で続いていきます。
できればこんな感じが好ましい、これは止めたほうがいい
そんな感想があれば、ぜひ何でも書いてくれると幸いです。修正に励みたいと思います。
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