とある狩りゲーと歩んで来た我が人生   作:陰猫(改)

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狩りゲーシリーズを遊んで来た人間は思いを馳せる

 戦いに没頭する野良クエストをする他のメンバーに背を向け、私は新手のモンスターへと一人で突っ込む。

 その行動はより効率かつ乱戦を重視しての行動である。

 私はモンスターに牽制攻撃を仕掛けながら戦いに没頭するメンバーが倒そうとしているモンスターから少しでも距離を取る為に動く。

 属性の相性としては私の防具の相性とモンスターの属性は最悪の組み合わせだ。

 無論、それを承知で戦っている。

 私の回避特化の防具スキルを活かせば、被弾率は最小限で済むだろう。

 何よりも攻撃パターンはいままでのゲームの経験として知っているタイプのモンスターなので集中力を切らさなければ、劣勢になる問題はないだろう。

 

 私は刀を構え、ヒットアンドウェイを繰り返しつつ、周囲にも気を配る。

 モンスターは私を完全にターゲットとして認識しているようだが、いつ切り替えるか解らない。何よりも先程、戦っていたモンスターが此方に気を向けて来る可能性も否定出来ない。

 そんな私がすべき役割は時間稼ぎである。無論、倒せるのならば、それに越した事はないが、いまは相手を倒す事が目的ではない。

 

 ──と突如、モンスターが私から視線を外し、突進する。

 被弾したが重要なのは、そこではない。

 私が牽制していたモンスターが野良のメンバーに向かって突撃した事だ。

 乱戦による疲弊はこのゲームのシリーズを通して知っている。

 私は手早く回復するとすぐに牽制し直す為に刀で斬りつけた。

 ダメージ表示設定はしていないのでモンスターの状態までは把握が出来ないが、再び此方を向いたので誘導に成功したのだろう。

 危惧していた乱戦になる事はなかったが、それでも被害は無視出来ない。

 

 私は再び此方をターゲットと認識したモンスターと共に野良メンバーから離れ、再び時間稼ぎに専念する。

 モンスターの行動に変化があった時には野良メンバーがモンスターを倒し終え、此方に合流した時であった。

 システム上、モンスター同士が争わないので同士討ちが出来ないので各個撃破した方が討伐はしやすいだろうと踏んだのは正解だったらしい。

 

 こうして、ゲームの討伐条件をクリアした私はモンスターから素材を回収してから次のクエストの準備をするのであった。

 相手は顔も解らない野良狩りに参加したオンラインメンバーだが、こんな風にゲームをしていると遥か以前の社内の仲間や兄弟、ネットの狩り仲間などと交流しながらゲームをしていた時の事を思い出す。

 あの頃とは格段にシステムなどが発展し、ゲームの為にネット掲示板で書き込んだり、ゲーム仲間同士でどこかへと集まる必要もなくなった。

 しかし、あの頃はあの頃で私にとって青春の1ページだったのは間違いないだろう。

 スマホも普及していない時代のコミュニケーションツールとして用いられたのが、このゲームだ。

 私はそんな古き良き文化だった過去に思いを馳せつつ、最近の携帯ゲーム機で新作の出たシリーズ作品のゲームをプレイする。

 これは知る人間も多々いると思われる狩りゲーと呼ばれるジャンルのゲームシリーズと共に歩んで来た私が様々な人々と出会いと別れを繰り返して来た思い出話である。

 

 ──多少、美化されたりはしているだろうが、そこには目を瞑って欲しい。

 それだけ、私にとってはかけがえのない思い出のあるシリーズなのである。

 そんな狩りゲーと共に歩んで来た私の体験談を語ろう。

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