ヒカルの傍観者   作:dorodoro

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第15話

研究会に来た。搭矢行洋先生の研究会は結構みなさん自由らしく、他の研究会に所属している人も多いそうだ。

今日はアキラ君も来ていた。

「あれ、進藤と同じ学校の。」

「藤崎あかりです。先週から参加させてもらっています。よろしくお願いします。」

 

お互い自己紹介し合う。

いろいろヒカルのことについて聞きたいこともあったのだけど。

「最強の棋士?雑誌では本因坊秀策と答えていたな。」

本因坊秀策かぁ。ヒカルが大好きな棋士だったな。字まで完璧に本人のものか鑑定できるとか言っていたし。

「ヒカルも本因坊秀策こそが自分の囲碁の原点で、師匠といえる方だといっていましたよ。」

「彼なぁ、師匠いないのにあれだけ打てるのだからすごいよなぁ。」

「今は実力でこそ劣っていますが、次こそは負けません。必ず勝ちます。」

秀策が現代の定石を学んだら最強だというような話をしていると、

「最強の棋士?何の話をしていると思ったら。」

塔矢行洋先生がやってきた。

その後先生は皆ライバルだと思っているという話をされた。

その後、緒方先生がポツリと

「saiか。」といっていたのが気になった。

「sai、いましたね。あれは強かった。アキラ君も負けていたもんね。」

芦原さんがと言うと

「ええ、見事にやられました。彼とも再戦してみたいですね。その前に進藤に勝たなければですが。」

 

あれ、saiもヒカルが打っていなかったかな?打ち筋から分かりそうなものだけど。

うん?でもネットの棋譜や、あの一局を考えたら知っているヒカルと少し違う気もする?

本当に私の勘違いだったのだろうか。

まあいっか、と言うわけで今日の研究会が始まった。

今日はアキラ君と対局してもらった。予想外の私の強さに初めは指導碁をしようとしていたようだけど、途中から本気で打ち出した。

結果、三子置いてもらっていたけど中押し勝ち。これからプロになるアキラ君にここまで打てるのだから私少しは強くなったんだね。

でも、最初は手を抜いていたし、まだまだ満足はできない。ヒカルはその更に上にいるし。

でも、周りはたいそう驚いていた。

「進藤君の弟子でこのレベルか、そういえば始めてから何年なの?」

「中学に入ってからなので1年ですね。」

「ええ!ほんとう!?進藤君も始めて2年ちょっとだとか言っていたし君たちどうなっているの?」

これには周りはものすごく驚いたようで、アキラ君も驚いて言葉が出ないようだ。

「というか、ここにいるってことはプロ目指す気あるんだよね?」

「今のところは中学の団体戦の優勝とヒカルに一度勝つくらいしか考えてないので・・・・・・・。」

「ええ、嘘でしょ。今年外来で受けなよ。絶対良い線いくでしょ。」

芦原さん、どうでも良いけどテンション高いですね・・・・・・・・。

緒方先生が「アカリちゃんは体が弱いから、今のままでは出るべきではないだろうね。」とフォローしてくれたが。

あれ、でも考えてみたらヒカルと真剣勝負良いかも。

とりあえず、前向きに検討しますと言っておいた。

 

 

 

 


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