ヒカルの傍観者   作:dorodoro

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第3話

中学生になった。

ヒカルが囲碁部に入るというので私も入ることにした。

なにやらヒカルは本当に強いらしい。

この間なんか、某海賊王をもじって

「囲碁界の王に俺はなる!」とか、「神の一手を極める」とか言っていたし、

そのうち本気でプロになるみたいだ。

筒井さんにも毎回勝っているし、わざわざ他校の生徒が宣戦布告?みたいなことをしていった。

最近のヒカルは急に頭もよくなって点数も上がっているし、

わたしも碁を始めれば頭が良くなるのではと言う打算もあった。

ヒカルは「だめだめ、お前には向いていない!」などといいながらも

筒井さんに初心者歓迎と説得されていた。まあ、ヒカルも冗談気味に言ってはいたけど。

結果から言うと、白石を逃がすのに白石そのものを動かしたら呆れられた。

昔のヒカルなら怒っただろうな、などと感慨深く思ったのはルールが後でちゃんと分かってからだ。

何だかんだで辛抱強くヒカルは教えてくれた。

囲碁をやっているときだけは、なぜか空気が澄んだかのように雑音が消え頭がスッキリしていた。

そして何かせかされる様にルールが頭に入ってくる。

筋がよいと筒井さんには褒められ、

ヒカルはなにやら「おかしい、いくらなんでも飲み込みが早すぎる・・・・」と首をかしげていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

囲碁はすっごく面白い。気が付けばどっぷりはまっている私がいる。

なにより頭からいつも聞こえる雑音が消えクリアになる。

そしてまるで道を指し示すようにここに打てと声が聞こえるときがある。

この間は扇子が指し示してるのが見えた。

まあ、きっと気のせいだろうけど、なぜかそれがでてきてそこへ打つと全体がよくなるのが分かる。

もちろんこんなことは誰にも話したことがないけど。

結局団体戦に出たいということで、筒井さんとヒカルと後1人男子が必要ということになった。

部員募集のポスターに詰め碁を貼っていたのだけど、効果なんてあるのかなと思っていたら。

三谷君?が○を付けている。すぐ行ってしまったけど部員募集のポスターを見ると。

うん、正解かな・・・、自信ないけど。筒井先輩の作っていたやつだから私も答えを知らない。

 

 

 

ヒカルはその後三谷君を追っているみたいだ。

今日も無理やりつれてきて筒井さんと打たせていた。反則勝ちしてすぐ出て行っちゃったけど。

次の日、なんか三谷君が賭けに負けて、それをヒカルが取り戻したとかで。

このあと、筒井さんと三谷君は本当に仲が悪くてぜんぜん反りが合わないみたいだけど団体戦本当に大丈夫かな。

しかし、みんな個人戦でないんだね。私出てみようかな・・・

 

 

 


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