ヒカルの傍観者   作:dorodoro

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この作品の最終話です。
本日、この後はあとがきと番外編3話構成の予定なのでお願いします。


第33話

saiとの、対局が終わって私はヒカルに打ち明けた。

ヒカルは、やっぱりかと言って、逆に謝ってきた。

ヒカルも、ずいぶん私に隠し事をしてきたみたい。

やっぱり私と同じく信じてもらえるわけがないといって隠していたんだって。

それから、毎日のようにヒカルと佐為は二人で打った。

二人ともいろいろ隠し事していたのを話したおかげで、以前以上にヒカルと仲良くなった。

未だに、ヒカルは私を通してしか佐為と話すことができないけれども、ヒカルは佐為とは囲碁を通して会話ができると言って、彼と打てるだけでも満足みたい。

 

中学最後の大会も、打倒海王中を見事に果たし、男女共に全国大会に出場できた。

女子は私たちが卒業しちゃうと誰もいなくなって、実質廃部になってしまうのは辛いけど、最後に栄光を残せてよかった。

ちなみに全国大会も優勝した。

 

私は受験と同時にプロ試験を受け、伊角さんと和谷君と一緒にプロ試験に合格した。

高校に通いながら、プロの道は厳しいけど高校へ行かないと親が納得しないし、更に遠くにある神の一手にはこのくらいの苦労で音を上げるわけにはいかない。

 

ヒカルと言えば、プロになってからほぼ負け知らずで、連続勝利記録を塗り替えたりいろいろプロ相手に暴れているみたいだ。

私も、未だに一回も勝てないけど腕をめきめきと上げて、塔矢君とヒカル以外の低段者には負け知らずだ。

 

前にもましてヒカルといることが多くなったので、同じ目標を持つもの同士と言うことも会って、付き合うことになった。

それは、私にとってはある意味言い訳で単に一番気の会う異性がヒカルだというのは言うまでもない。

周りからは、熟年夫婦みたいとか言われて、冗談だろうけど早くもさっさと結婚しろなんていわれているけどまだ考えもしないかなぁ。

結婚したらしたでヒカルとならどうにでもなりそうな気もするけど。と言うか囲碁漬けの生活が変わるとも思えないし。

ヒカルは私のことも大事にしてくれるけど、告白したときに覚悟はしていたとはいえ、私がヒカルの囲碁と佐為との繋がりに対する嫉妬心が、心の底から消せないでいる。

 

普段から相変わらず、三人で神の一手探しだ。

ヒカルの秘密については、詳しくは結婚するときに話すなんて冗談めかして言ってくるけど、結婚なんていつのことになるのやら。

私だって幽霊とかいろいろあったけれども、ヒカルの秘密に納得できない気持ちがくすぶるのはしょうがないと思う。

でも、まあヒカルが言うのだから本当なのだろうなと無理やり納得している。

あの時から急に大人びて、囲碁に詳しくなったり納得できる証拠はいくらもあるのに納得できないことに不思議だ。

でも、神の一手を目指す心だけは絶対に本物だ。

 

ヒカルが改めて決心するかのように私と佐為に宣言をした。

「今度こそ、絶対に神の一手を極める。」

うん、今度はきっと届くよ。

だって、佐為もいるのだから。

それに私だっている。

これだけ皆が揃って目指すのだから、神の一手に届かないはずがない。

 

 

 

--完--

 




ここまでお読みいただきありがとうございます。
後は、蛇足と言ってもいいので気が向いたら読んでみて下さい。

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