ヒカルの傍観者   作:dorodoro

35 / 35
最終話は2話前です。
あとがきで書いた、佐為との対局後、中国へ渡ってしまった場合のエンドです。
本当は、中国からヒカルを傍観したかったのですが。
いろいろ、足りませんし国内も良く分からないのに外国のことはまったく分かりません。
特に国がどうとかそういう意図はないのでご了承を。



番外編

佐為とヒカルの対局の後、ヒカルとはめっきり疎遠になってしまった。

なぜなら、あの後、急にお父さんの仕事の関係で中国へ行くことになってしまったためだ。

ヒカルとは近所にいすぎたせいか電話や手紙を出すなんて習慣はなく、あれから7年一度も会っていない。

今となっては、連絡を取ろうと思ってもヒカルが忙しすぎて取れないだろうけど。

なぜなら、ヒカルは7大タイトルすべてを取り、更に取った後に、防衛を一度も失敗していないそうだ。

それどころか、プロになってから連勝記録を更新し続け、もはや伝説化している。

中国にいても、インターネットからヒカルの文字が消えることはない。

ヒカルは中国でももちろん有名で、国際棋院戦など、国際大会でも圧倒的な強さを見せ続け負け知らずだ。

あれから、指導碁以外で負けたのは、saiとの対局だけではと言われている。

saiとは、ヒカルも私も時間を何とかとって、一週間に一回は打つようにしている。

相変わらず、私に佐為が憑いているということをヒカルは知らないのだけれど。

対戦成績は、saiも現代の定石を完全に覚えて、更にヒカルとの対局で更に発展している。

それでも、対戦成績が5分なのは、ヒカルを褒めるべきなのかsaiを褒めるべきなのか。

もはや、毎週の対局はネット上でも名物となっている。

もはやヒカルの敵はsaiしかいないとまで言われてしまっているのが現状だ。

 

現在、私は中国リーグに所属しており、日本との文化や囲碁観の違いに翻弄されながらも何とか勝ち上がっている。

中国では、日本以上に勝負へのこだわりが強く力強さに負けないよう毎回必死だ。

おかげで体力と集中力は昔と比べ物にならないほどついた。

 

そして、ここ一年負けていない。賞金大会なども私が出た大会はほとんど独占した。

男性のほうが強いといわれている囲碁界において私は日本から来た異端児として扱われている。

毎日、佐為と打っているからかな。最近では佐為からも勝利を奪えるようになってきた。

佐為いわく、形の汚い碁なんていわれてしまうけど勝ちは勝ちだ。

 

 

ついにこの日がやってきた。久しぶりの日本だ。実に七年ぶりだ。

なぜ日本に来ているかって?今年の日本での国際カップに出場するためだ。

中国のトップ棋士と賭けをして中国代表の座を奪い取ったのだ。

いろいろ日本人が中国代表とか女性が代表とか文句は付きに付いたが、ヒカルが毎回圧勝するせいで腹を据えかねたのか通ってしまった。

 

ちなみに、代表者名は当日まで伏せてある。

インターネットでヒカルの写真は見ているけど、実際に会うのは久しぶりだしどうなっているのかな。

 

 

 

対局所に着いた。

初戦から日本チームだ。

女性の私が大将として入っていくとどよめきが起こる。

あれ、予定では・・・・・・。どうなっているんだ?

へんな注目とはいえ、注目されるのはうれしい。でも度肝を抜くのはこれからだ。

先に対局室に入って待っていたヒカルが写真を取られているにもかかわらず、驚きで目が丸くなっていた。

久しぶりだね、ヒカル。今度こそ対等に打とうか。

ようやく、ヒカルの目が私だけに向く。

やっと、私を見てくれたね。これからどんどん私以外、写らなくしてあげるから覚悟してね。

 

 

 

 




これにて本当に終わりです。お付き合いくださりありがとうございました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。