ヒカルの傍観者   作:dorodoro

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第9話

気が付けば見覚えのあるベット。うわ、あの後倒れて。どうなったっけ。

そうだ、あの変な雑音。うん、酷い雑音から普通の雑音になった。

今まで見たら天国みたいだけど、どうにかならないのかな。

例によって、今回も精密検査してすぐ帰してもらった。異常は相変わらずなし。

今回は2日も寝込んだらしいけど、どうせ病院にいてもしょうがないし。

学校でもいつもどおり、少し心配されるけど慣れたものだ。

 

 

ヒカルたちは全国大会に出て一回戦負けを喫した。

全国大会では大将のヒカルを捨てて他二人で勝ちにいく作戦をとられたようで、惜しくも三谷君も1目半負けてしまったみたいだ。

筒井さん?筒井さんは中押し負け、それも序盤でそうなってしまったらしい。流石に全国大会副将レベルを相手にするのは無理が合ったらしい。

昔は、海王中副将相手にまぐれ勝ちしてたけど。

でも、出るのが目標だったこともあり、筒井さんはいい思い出ができたと喜んでいた。

ちなみにヒカルたちが対局した大阪の代表はそのまま優勝したそうだ。

他のところと当たっていれば恐らくどんな作戦を取ろうと葉瀬中は負けなかったというのが大会関係者の認識だったようだ。

ヒカル曰く、「運命力だ。」とのこと。

ヒカルがよく言う運命力って何なのだろう。

単なるかっこ付けなのか、それとも特別な意味があるのか少し気になりますが。

なんだか聞きにくい。某アニメのヒロインを見習って「私、気になります。」ってキャラじゃないね。

でも、なんか違和感というか、ヒカルらしくないというか気になるんだよね。

 

 

最近ごたごたしていたため囲碁教室も久しぶりだ。

そういえば、阿古田さんと打ってもらって以来行っていないな。

「おお、アカリちゃんようきた。打とう打とう。」

周りのみんなは本当に優しい。特に阿古田さんは分かりやすく教えてくれていたっけ。

パチッ。気持ちのいい音が教室を支配する。

「負けました。いやーアカリちゃん本当に強くなったね。油断したつもりもなく最初から本気で打ったんだが。」

とそこで

「アカリちゃん打とうか。」

まさかの白川先生登場。

進藤君は元気か聞かれたりするので、元気すぎるし相変わらず足元すら見えないという雑談をする。

おお、三子置かせて貰っているけど私打ててるじゃん。

三子分のリードをきっちり守り続けて彼に勝ってしまった。

まあ、石置いてもらっている分圧倒的有利だし、5目半入れれば負けなんだけど。

周りもこの予想外の結果に驚いているようだ。

先生もものすごく驚いたらしく。今度、先生が行っている研究室に来ないかなんて誘われてしまったけど今は断った。

研究会とか良く分からないし、ヒカルがいる部活動のほうがいいし。

 

 

 


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