【完結】楽園の名を持つ少女に惚れた俺は、彼女の為に命を懸ける   作:塊ロック

15 / 26
古の楽園編スタート。
割と終わりが見えてきました。


古の楽園編
15話


 

――――――長い夢を見ていた気がする。

 

倦怠感と共に目が覚める。

手術台の上に寝かされていたのか、病室の中で俺は起き上がる。

 

……隣に座り誰かが暇そうに本を読み、ページを捲っていた。

 

「あ、起きたんだ。気分はどう?」

 

古くからの友人かの様に気安く声をかけてくる。

 

「調整がちょっと難航してメビウスと一緒にやったんだけど……中々君目が覚めなくてね」

「……最悪の目覚めだ。身体がてんで動かない」

「そう?ちゃんと調整したつもりなんだけどな……」

「調整ってなんだよ。てかあんたは?」

 

髪が真ん中で左右に色が違ったり服にやたら歯車が付いてたり、愉快な姿の女性だった。

いやに胸元や太ももを強調する服だな……。

 

「私?私はヴィルヴィ」

「……十三英傑の?」

「そう。『螺旋』のヴィルヴィ」

 

はて、そんな人いたかな。

会ったことはない気がする。

 

「……君は私が調整した対ケビン武装……えーっと、何番だっけ。あ、そうそう555番だよ」

「え、何その物騒な……対ケビン武装??」

「そう、あのケビンの無敵を剥がすために私も日夜研究してるんだけど中々歯が立たなくてね……」

「そりゃ俺にだって無理な話だ。俺のシールドもケビンには一撃で剥がされるんだから」

「まぁまぁ。キミにはちょっとした役目もお願いするかもだから、それまでは自由にしててね」

 

そう言うと、もう飽きたかの様にヴィルヴィは立ち上がる。

 

「外の空気を吸っておいで」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「……あれ、ここ何処だ?」

 

俺は基本的に方向音痴だ。

でも、間違いなく断言できる。

 

ここは火を追う蛾の北米支部じゃない。

 

だって目の前に遊園地があるんだから……。

壁に貼ってあるポスターやら看板にものすごく見覚えのある顔がデフォルメして描かれている。

 

え、これ……何??

 

「ハァーイ、よく眠れた?」

 

……背筋が伸びた。

身体の倦怠感が吹っ飛ぶ。

無意識に顔が引きつった。

 

この声は、忘れもしない。

 

「エリシア……」

 

俺の脳裏にずっと焼き付いて離れない。

花の様に美しい女性が、そこに立っていた。

 

「おはよう、ガンズ」

「あ、ああ……」

「どう?驚いた?」

「……まず何に驚けば良いのかさっぱり分からない」

 

ここがどこで、俺は何をしていて、どうしてアンタがここに居るのか。

 

「色々聞きたいって顔ね。取り敢えず紹介したい人がいるの」

「え?俺に?」

「そうよ。あたしの新しいお友達なの」

 

エリシアの友達。

彼女がそう強調するって事は……エリシアにとって大切な人なんだろう。

 

「じゃーん!雷の律者、雷電芽衣よ!」

「……エリシア……貴女、言い方が……」

「は?」

 

エリシアが大袈裟に手を開き、隣に立っていた女性……いや、少女を紹介する。

艶のある黒く長い髪。

日本刀を思わせる鋭い雰囲気。

 

そして……。

 

「律者?」

 

無意識に俺は拳を握り締めた。

 

 




雷の律者ですって。
怖いね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。