【完結】楽園の名を持つ少女に惚れた俺は、彼女の為に命を懸ける 作:塊ロック
お間違いなきようお願いします。
それから、楽園での日々は何事もなく過ぎた。
エリシアと話すことは前より多くなった。
そして、大体一緒にいる芽衣とも少し話すことがあった。
……しかし、パルドを見ない。
他の英傑とは会ったのに、パルドだけ見ないのだ。
「……それは、貴方が直接会ってあげて」
以前、アポニアと話た時はそう煙に巻かれてしまった。
「……?」
しかし、彼女ほど神出鬼没な女を他に知らない。
だから、探しても見付からないのは当たり前だった。
「何処にいんだよアイツ……」
探し続けて何日経ったのか。
一向に見つかる気配が無い。
「……うん?」
古の楽園、その中央にそびえるモニュメント。
まるで太陽のような模様が描かれたそれの上。
……錯覚?
いや……。
「確かめるだけ、確かめよう」
――――――――――
「ぜぇ……ぜぇ……高過ぎるだろここ……」
上まで登りきる頃には、とっくに日が落ちていた。
不思議と肌寒さも感じない。
「ふぅ……ふぅ……あれ?」
そこに立っていたのはパルドではなかった。
「サクラじゃん」
「おお、ガンズか。久しいな」
「こんなとこで何してんだよ」
「いや、ここなら……この楽園を一望出来る」
「へぇ……おお」
孤島の上に作られた楽園とも言うべき場所。
薔薇の形のような庭園に街、そして遊園地が一望出来た。
……が、
「……他の街は?」
この島以外に、世界は無かった。
「何を行っている。ここは古の楽園じゃぞ」
「え……古の楽園?火を追う蛾の北米支部は?他の街はどうなったんだよ……」
「……お主、もしや記憶の同期が上手く行っておらぬ様じゃな……」
「き、記憶の同期?どう言うことだよ」
サクラが、この先を言うべきか躊躇っている様な気がする。
でも、ここまで引っ張られたら流石に気にはなる。
ここが何で、今がどうなっているのか。
「……妾達は記憶体。過去に十三英傑と呼ばれた者たちの記憶から複製されたコピーじゃ」
「は……?」
コピー……?
「ここは古の楽園。来訪者に妾達の文明を教え導く地じゃ……」
「文明って……俺達の世界は、どうなったんだよ……」
「……敗れたのじゃ、崩壊に」
「え……そんな……まさか……」
「ではお主は……自分が最後に見た光景を覚えておるか?」
「え?俺は……」
俺は、何をした?
………………何も思い出せない。
まるで、この先に何も記録されていないかの様に。
「ヴィルヴィが細工をして、お主は生前と同じ様に動けるようにしたのじゃろう……むごいことをする」
「な……なんだよ……じゃあ……俺が……俺達が戦ってきたのは……全部……無駄に……」
絞り出すような声に、応えるものは誰も居なかった。
俺はそのまま膝から崩れ落ち、涙を流して啜り泣いてしまった。