【完結】楽園の名を持つ少女に惚れた俺は、彼女の為に命を懸ける   作:塊ロック

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同日4ページ目です。
手が滑って筆が進んだので投稿します。


18話

 

ひとしきり泣いたら、時刻は既に夜になっていた。

サクラの姿は無く、ここに居るのは俺だけだった。

 

「………………」

 

俺は一人、受け止めきれなかった事実をどうする事もできずにいた。

 

俺も、仲間達も、命を懸けて戦った。

でもそれは勝利へと至らなかった。

 

俺も……どこかで死んでいたらしい。

 

それがいつかは分からなかった。

多分、初めてここで目が覚めた時が俺の……記憶体としてのガンズ・ロックの始まりだったんだろう。

 

……そもそも、俺みたいな末端を再現してどうするつもりなのか。

エリシアの楽園、と彼女は言っていた。

この街の人々は……俺の知る人も居れば面識の無い奴も様々だった。

本当に、エリシアの記憶を元に生まれたのだろう。

 

十三英傑も全員ここに居るらしい。

 

……なら、パルドは?

 

どうしてアイツは……俺と会ってくれないんだろう。

 

「パルド……」

 

俺は、初めて……心の底からアイツに会いたいと思った。

 

「……情けない顔。いつまで泣いてるんだか」

 

……懐かしい声がする。

 

「は、はは……都合良すぎるだろ」

「帰ったほうが良い?」

「……いや。居て欲しい」

「……ま、合格点かな―。仕方ないなぁ」

 

よいしょ、と隣に座る。

 

「……久しぶり、かな」

「そうだな……俺はつい最近目覚めたばかりだし」

「うん、知ってる」

「そうか」

 

沈黙。

二人の間に会話は無かった。

 

「……何で泣いてたのさ」

 

パルドが、沈黙を破った。

 

「……何で、だろうな」

 

俺の中で整理がつかないことが多過ぎた。

 

「分からないから泣けてきた」

「分からないって?」

「俺をここに残したこと、俺が何のために戦ってたか……俺は何で泣いたのか」

「なにそれ」

「本当に、意味分かんないよな……でも、涙が止まらないんだ」

 

……油断したら、またボロボロと涙が溢れてきた。

 

「すまん……本当に。お前だって……お前の方が辛いのに……でも、止まらないんだ……」

「いーよ。私とガンズの仲なんだから。それに……私は、ガンズが何で死んだか、知ってるから」

「にゃー」

 

缶ちゃんがパルドの肩から俺の頭の上に飛び乗った。

記憶の中よりもちょっと重くなってる。

 

「俺が死んだ訳、か……」

「私さ、その前にガンズに言ったんだよね。でも、今のガンズはそれより前のガンズたから覚えてないんだ」

「そう、なのか……」

「だから、怒るのは筋違いなんだけど……でも、ちょっと怒ってた」

「……悪い」

「ううん。謝らなくて良いよ。ガンズは悪くないから」

「それでも、ごめん」

「ほんと、頑固なんだから……良いよ」

 

びしっ、と頬にパルドの尻尾が当たった。

ついでに缶ちゃんの肉球もデコに当たった。

 

「……ガンズは、侵食の律者になったサクラの妹を助けて……死んだんだ」

「……なんてこった」

 

すげーことやってんな俺。

 

「でもまぁ……律者になった人は助けられないから。サクラと、ガンズはそこで死んじゃったんだ」

「サクラ、も……?」

「うん。サクラが侵蝕の律者と相討ちに。あ、これサクラには言わないでよ?」

「……分かってるさ」

「ほんと……残されるヒトの事も考えてよね」

「……すまん」

「私が、道を教えたんだ」

「……リンまでの場所の、か」

「……私が行かせちゃったんだ。だから、ずっと後悔してた」

「パルド……」

「でも、まぁ……珍しいもの見れたし。許してあげるよ」

「え、あっお前!」

 

パルドが何かレトロチックなカメラを手で愉快そうに揺らしていた。

 

「これ、エリの姉ちゃんに見せたらどんな顔するかな〜?」

「てめっパルド!」

「にひひ〜まったねー!」

「待ちやがれ!!」

「待たないよーだ!」

「あっくそっ!!………………ありがとな」

 

 

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