【完結】楽園の名を持つ少女に惚れた俺は、彼女の為に命を懸ける   作:塊ロック

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2部が始まるまでに終わらせたかったな……(遺言


20話

 

嘘だ。

嘘だ、嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。

 

「ちょっと、ガンズ?ガンズってば!」

 

ぺちぺちとエリに頬を叩かれる。

そんなものに反応してられない。

 

楽園のタイプライターは既に起こったことを第三者視点で書き記すアイテムだ。

 

……既に、起こったことを。

 

既にエリシアが死んだということを、書き記した。

 

「あ、有り得ない……エリシアが、死んだ?嘘だろ?アイツが?」

 

英傑の中で誰よりも強い、エリシアが?

何で死んだ?

誰かに殺された?

まさか、雷電芽衣……?

 

「あの女……!」

「待ちなさいガンズ!芽衣がやったのならそう書かれるはずよ!」

 

俺は走り出した。

楽園の来訪者である、雷電芽衣の元へ。

 

   

 

――――――――――

 

 

 

 

……結局、俺は雷電芽衣を見付けられなかった。

 

楽園を走り回っても彼女の姿は見付けられない。

そして……。

 

「……英傑が、誰も居ない?」

 

どこを見ても、十三英傑を誰一人として見掛けなかった。

パルドですらも。

 

そして……勿論エリシアも居ない。

いつも、神出鬼没で、人を食ったように笑って。

それでいて無意識に視線で追ってしまうあの姿が、どこにもない。

 

「嘘だろ……嘘だと言ってくれよ……誰か……」

 

答える声は無い。

楽園に存在していた記憶体がすべて消えてしまったかの様に静まり返っている。

 

……一部を除いて。

 

「崩壊獣……!」

 

来訪者の修練の為に放し飼いにされている崩壊獣が市街地に入ってきている。

 

「くそ、邪魔だ!!」

 

側に落ちていた鉄パイプを蹴り上げ、握り締める。

一度地面を思い切り踏みしめ、敷き詰められたレンガを砕く。

地面にパイプを突き刺し、引き抜くと……不格好に整えられたギターの様な姿へ変わる。

 

「オラァっ!!」

 

力任せに得物を振り抜く。

戦車級の崩壊獣の顔面にクリーンヒットし吹っ飛ぶ。

 

「そこっ!」

 

空を飛ぶタイプに岩石を弾丸の様に飛ばして撃ち落とす。

 

「何なんだよ、ホントに!!」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「どう言うことだよ……」

「はぁ……!やっと追い付いた!」

 

エリが遅れて飛んできて、俺の頭の上に立った。

 

「何してるの?どこ行くのよ!」

「うるさい……!」

「落ち着いたってば!」

「落ち着いていられるか……!」

 

だって……!

 

「そうよ、落ち着きなさい?ガンズ」

「………………え?」

 

……今、聞こえる事は無いと思ってた声。

 

慌てて振り返る。

そこに、一人の少女が立っていた。

 

「ハーイ?そんなにあたしに会いたかったの?」

 

その声は、その顔は……確かに俺が恋い焦がれた少女のものだ。

 

だが、俺は喜ぶ気にはならなかった。

 

何故なら……視覚に写るすべての情報が()()()()()()と告げている。

 

「お前は……」

 

武器を握り直し、憧れの少女の顔をした何かに問う。

 

「お前は、誰だ」

 

 

……エリシアの顔をした何者かは、その美貌が歪む……ゾッとする笑みを浮かべた。

 

 

 

 

「あたしは、エリシアよ」

 

 

 

 

 

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