【完結】楽園の名を持つ少女に惚れた俺は、彼女の為に命を懸ける 作:塊ロック
戦い方を覚えた後はまぁまぁ活躍する事ができた。
武器も壊すことがなくなったし補給班から苦い顔されずに済んだしで大助かり。
ただ触媒というか元になる武器は必要なので金属バットで代用している。
素振りしてたらケビンが何か言いたそうにしていた気がする。
何だったんだ?
パルドは暫く任務で不在している。
最弱なのに仕事させないで!とかほざいてた。
隠れていた所を探しに来た華に俺がチクった。
「薄情ものーっ!!」
すまんな、俺なんかよりお前のほうが強いんだ……。
それに、もう融合戦士は替えが効かないんだ。
諦めてくれ。
俺は彼女を合掌で見送った。
「せめて敬礼してくれない!?」
要望が来たので敬礼で見送った。
「いやそうじゃなくて〜〜〜〜〜!!!」
見送りは充分だし俺も任務行くか。
「ん?」
ふと、視界の端で白い布がひらりと見えた気がする。
「誰かいるのか?」
「居ないよ」
「居るじゃん」
まさか声が返ってくるとは思わなかった。
女の子の声だ。
しかも若い声。
こんな所でなにしてるんだろう。
「君、こんな所で何をしてるんだ」
「あ」
物陰に居たのか、覗き込んだら小さな女の子が居た。
水色の髪をしていて……何故か裸足だった。
「こら、裸足で出歩いちゃ駄目だろ」
「う……面倒なの」
「ガラスとか踏んだら危ないだろ?」
「うん、ありがとう」
「おうちはどこ?送っていくよ」
「おうちは無いの」
「え?それって……」
「グレーシュ!探したぞ……ここに居たのか」
新たな声。
この声は聞き覚えがある。
緑髪に日本の角のようなものが生えた少年が現れた。
「コズマじゃないか」
十三英傑第九位、「旭光」のコズマだ。
年が近いから良く話す。
「ガンズじゃないか。この子と何を?」
「え?いや、子供がこんな所に居たら危ないだろ」
「まぁ、そうか……」
コズマがこの子を見てなんとも言えない顔をしている。
「というか、知り合いかこの子」
「彼女はグレーシュだ」
グレーシュ?
はて。
何処かで聞いた覚えが……あ。
「えっ。この子が??」
十三英傑第十二位、「群星」のグレーシュ。
絵を描くことで様々な事象を起こすとされているが本人に会うのは始めてだ。
「そうだ」
「へー、初めて見た……」
「う……」
グレーシュが好奇の視線を嫌ってかコズマの後ろに隠れた。
「おっとごめんな」
「ガンズ、この子は少し……人見知りなんだ」
「みたいだな」
「コズマがね、裸足のほうが良いって言うから、裸足なの」
……えっ?
俺とコズマは二人で見合った後、二人してグレーシュを見た。
「……コズマ?」
「待ってくれ」
「お前、そういう趣味?」
「違う、子供は好きだが断じてそうじゃない」
「コズマはね、十歳以下の女の子が好きなんだって」
「「………………」」
気まずい。
今何を言っても多分、コズマを傷付ける。
「ごめん間違えた、12歳以下なの」
「お前ェ……」
「そんな風に俺を見ないでくれ、女の子だけじゃない」
「コズマはね、お兄ちゃんなの」
「……分かってるよ」
今日はいやにコズマが饒舌だから薄々感じていたが。
彼女のことを大切に思ってる様だ。
「グレーシュ、ここに居たんだね」
また声が増えた。
今日は大所帯だな。
「アポニ「アポニアお母さん」なんだって??」
アポニアお母さん??
え、アポニアの娘なの???
「違うよガンズ。私はただ……この子の母親代わりなだけ」
「え、じゃあ……」
「ガンズ」
コズマに制された。
つまり……そういうことか。
「悪い」
「ハァーイ、グレーシュ。あらアポニアとコズマも!今日は一緒なのね」
げっ。
エリシアか。
逃げようと思って背を向けてしまった。
何で逃げようとしてんだ俺。
今日こそ誤解を解こう。
「エリシアちゃん」
エリシアちゃん??
グレーシュにそう呼ばせてんの???
「あら、ガンズじゃない。グレーシュを使ってアポニアに近付いたのかしら?狡賢いわね」
「いや違うから」
「それじゃあもしかしてグレーシュを?」
「無いから。それは絶対!」
「そうね、愛に年齢は関係ないものね!でもグレーシュはまだ純粋過ぎるからもう少し待ってあげてね。じゃあね」
ちがーう!!!!
そう叫んで俺は地面に倒れ伏した。
コズマが無言で俺の肩に手を乗せてきた。
泣きそう。