――――ゲヘナ学園・学生食堂前――――
俺たちが学食前まで戻ってくると機動部隊と風紀委員会の面々が既に交戦していた。まさしく状況は死屍累々。所々に巨大パンちゃんに吹き飛ばされたであろう隊員やモブたちが伸びている。火宮チナツや救急医学部や部隊の衛生兵チームが負傷者を回収している。一方後衛は陣地形成や司令部の設置を簡易的に済ましていたようだ。天雨と部隊長がこちらに気づくと来るように促す。
「「隊長(アコ)、状況は」」
「私から話そう、今は我々Ξ-13と風紀委員会が共同でクリーチャー討伐を行っている。しかし歩兵が持ちうる火器では決定打にはならず苦戦している。そこで今は戦車や野戦砲の到着を待っているところだ。」
「ですがこんな状況なのにゲヘナ学園が有する砲火器の使用をあのタヌキどもは許可してくださらないのです」
「だからサイト3800にある野戦砲や戦車を持ち出しているのだが何分ここまで距離があるせいで到着までに時間がかかる、そこで一仕事終えてすぐで悪いが君たちには前線に加わってもらいたい。」
『だ、第二防衛線崩壊!!残存戦力が第三防衛線に合流しました!!』
「こちら司令部です、合流した戦力とともに交戦を始めてください」
「というわけだ、君たちには第三防衛線に加わって機甲戦力や砲火器が到着するまで時間を稼いでもらう。」
「状況は大体わかった。別にあれを倒してしまっても構わないんですね?」
「あぁ、もちろんだ」
「委員長、イオリ、気をつけてくださいね」
「アコ、あとはあなたの指揮力にかかってるわ、頼むわね。」
「おう、任せとけ」
第三防衛線に到着すると早々に薙ぎ払いが飛んできた。俺は量子歩法(特殊な歩き方を使ってトンネル効果を発生させ、壁や障害物などの物をすり抜ける技)でこれを避け、百式機関短銃でワンマガジンフルバーストで攻撃を仕掛ける。
「ちィ、報告通り手応えがないな」
「報告通り、手応えがないわね…」
先ほどの薙ぎ払いを避けていた空崎も「終幕:デストロイヤー」で仕掛けたようだが同じ感想を抱いたようだ。
改めて防衛線の様相を見ると機動部隊の面々は同じように量子歩法で回避していたようだが、間に合わなかった者や風紀委員会でも対応しきれなかった者たちは吹き飛ばされてたようだ。…銀鏡も巻き込まれてるのかよ、「おう、任せとけ」って啖呵切ってたくせに
このような状況でも砲火器の使用許可を出さない万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)はいったい何を考えているんだと思っていたら叩き潰しす為かタコ足が降ってくる。俺個人を狙ったのか小さいものであったのが運の付きだ。すぐに居合い抜きの体制をとりタイミングを見極めて銃剣を抜く。タコ足は本体を離れあらぬ方向へと飛んで行った。空弾倉を捨て銃剣を着刀すると小石を拾ってジャンプと二重反作用空歩術でタコ足に接近、切り落としていく。
『増援部隊より報告!到着まであと5分です!防衛部隊の皆さん、あと5分耐えてください!』
(あと5分か、よし!)
それを聞いて体のギアを上げる。跳びながら弾倉を装填し射撃したり、ヘイトを引いて体液?の吐きだしを誘発させたりすれ違いざまに銃剣で切りつけたりして5分耐えきる。
『部隊到着!間も無く砲撃を開始します!!防衛線の部隊は下がってください!!』
増援でやってきたのは96式15cm榴弾砲が3門と10式戦車2両だった。これならやつを撃破するには充分だろう。
それを聞いて各々撤退を開始する。俺と空崎が殿を務めぎりぎりまで戦った。しかし空崎がオーバータイムまで戦ったせいで榴弾砲の一発が当たりそうになった。
「空崎ぃ!危ねぇ!」
とっさに空崎を担いで後方にジャンプする。着弾、爆発、やってくる衝撃。空中に居ながらいなしきれない衝撃に受け身をとれず空崎を庇いながら地面を転がる。
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「大丈夫か、空崎」
「えぇ、何とかね。」
「俺は見ての通り満身創痍さ、やっぱりあれと戦ってる時とは疲れ方がまるで違うな…顔赤いぞ、ホントに大丈夫か?」
「ほ、ほんとに大丈夫だから、そんなことより救助手伝うよ」
「俺がその救助対象なんだが…」
そういうと空崎が俺を引きずっていく。そんなこんなで巨大パンちゃんを撃破できたのであった。あぁ、くたびれた…
次回、怪獣共の後始末/先生、漂着
ネタ切れ対策の伏線を仕込みました。