それでもいい人は、読んでいってください。後、基本は台本形式です。
カチ…カチ…カチ…ボーン…ボーン
「今夜もこの時間になったか」
1日は24時間と世の中はなっている。だが、もし誰も知らない時間が存在し、1日が25時間だったら…
「さて、今日もこの塔で食材を調達しますか」
俺は眼の前に聳え立つ塔を前にしながら、そう意気込んだ。俺がこの塔の存在を知ったのは12歳の時だ。既に両親は他界しており、親戚のお陰で、今まで両親と住んでいた家に今も住んでいる。その日は偶々腹が減り、コンビニで何か買おうと外に出て歩いていると、街中の電気が一斉に消えた。そして、棺桶が何個も立っており俺は唖然とした。流石にこの状況で当時の俺は、コンビニに行く根性はなく家に引き返していった。その道中で黒い存在が現れ、姿を変えて人形サイズのサソリに変形したのだ。俺は当然すぐに逃げた。だがそのサソリは俺を追いかけて来た。裏路地等を使って蒔こうとしたが、運悪く行き止まり道に逃げ込んだ。前には壁、後ろにはサソリ。俺はその時近くに落ちてたバールを広い、サソリの胴体に刺しこんだ。上手くハサミと尻尾を避けることが出来たのも大きかった。サソリが完全に動かなくなったのを確認した俺は安堵した。それと同時に腹が鳴った。そして俺は思い付いた。
『サソリって確か食えたよな…』
そこからの俺の行動は早かった。家に帰り退治したサソリを早速調理した。尻尾は毒があると思い切り落し、同じ様に胴体や頭も切り落とす。なんとか殻も取り内臓等も取り除いた。
『…取り敢えず煮てみるか』
俺はサソリの切り身をお湯で煮て味付けした。完成した物は物凄くいい匂いがした。食べてみるととても美味かった。今までに食べたことがないくらい美味かった。そこら辺の店より美味いんじゃないか?完食した俺は、あの黒い生き物が食べれると知り、彼奴等の食の研究をする事に決めた。まぁ、中には腹を壊したり毒にあたったりもしたから、調味料、調理器具以外にも薬も常備している。だが残念なのが街中には中々彼奴等とは出会わない。んで今いる塔が、どうやら奴等の巣みたいになっているみたいだ。随分と高いが、俺はそこまで登っていない。精々10階位までだ。10階までの彼奴等は大抵食った事がある。だが、まだまだ色んな種類がいるので、出来ればいつかは完全制覇したいものである。んで、今日も何時ものように塔に来たら、女が3人と男が1人が1階にいた。
「誰だお前は!」
赤髪の女が威嚇しながら俺にそう言う。
「人に名前を尋ねるなら、まず自分から名乗るのが礼儀じゃないのか?」
「…それもそうだな」
「ちょっ!先輩!」
赤髪の女がそう言うと、茶髪の女が驚いていた。
「私の名は桐条美鶴だ」
「桐条…ああ、ウチの学校の生徒会長か」
美鶴「ウチのと言うことは、君も我が校の生徒なのか?」
「ええ。俺の名前は
美鶴「2年だったか。なら、そこにいる岳羽や伊織、汐見と同じ歳だ」
俺は桐条パイセンが見た方を見ると、見知った顔がいた。同じクラスの岳羽や伊織、そしてついこないだ転向してきた女子だ。
ゆかり「ホントだ。よく見たら佐藤君じゃん」
順平「何でお前がここにいんだよ」
ゆかり「それにその荷物…」
岳羽は俺が背負ってるリュックを見る。
順平「何でタルタロスに、そんな荷物持って来てんだよ…」
翼「何でって…調理するためだが?」
「「「「!?」」」」
俺の言葉を聞いて、全員が驚いた顔をする。
順平「えっ!ちょっと待って…お前今、調理って言ったか?」
翼「言ったが?」
美鶴「佐藤、確認だがここがシャドウの巣窟なのは知っているのか?」
シャドウ?
翼「ああ、あの黒い生き物の事ですか。勿論知ってますよ」
美鶴「そうか…聞き間違いではなかったか…」
桐条パイセンは頭を抱えていた。ってか、そろそろ行かないと時間が勿体ない。
翼「んじゃ、俺はそろそろ行くので」
俺が1階の扉に向かうと、結城以外の連中が止めに来た。
順平「ちょっと待て〜い!」
ゆかり「何普通に入ろうとしてんのよ!」
桐条「流石に許可できないな」
翼「いや許可も何も、俺は5年も前からこのタルタロス?って塔でシャドウ食の研究してんですけど?」
桐条「なんだと!?」
岳羽「5年も前から…」
順平「嘘だろお前」
まあ、俺は最初から抵抗はなかったからな。魔物とか、
翼「ってな訳で、俺は行きますので」
そういう残し俺は中に入って行った。
桐条「慣れているとはいえ、彼1人では危険だ!汐見、岳羽、伊織!悪いが君達を彼を追ってくれ!」
岳羽「あ〜もう!何でこうなるかな!」
伊織「仕方ねぇよゆかりっち。流石に俺もほっとけねぇし」
汐見「あ〜もう!」
んで、俺の後を汐見、岳羽、伊織が追いかけて来た。
翼「なんだ、ついてきたのか」
岳羽「「ついてきたのか」じゃないわよ!」
伊織「ま、なんだ。流石にクラスメイトの奴を見捨てる程落ちぶれちゃいないってことよ」
汐見「もう、1人で行ったら心配になっちゃうじゃんか!」
翼「まぁいいけど」
岳羽「そういえば、彼を含めてキチンとした自己紹介してなかったわね。知ってると思うけど、一応しておこうか。私は岳羽ゆかり。佐藤君と同じ2年生だよ」
伊織「俺っちは伊織順平。俺もお前と同じで2年だ。ジュンペーでいいぞ」
汐見「私は汐見琴音!少し前に転向してきたから知ってるよね?」
翼「佐藤翼だ。2年生で同じクラスだ」
順平「んじゃ、自己紹介も終わったしちゃっちゃと進んじゃいますか」
そして俺達4人の塔攻略が始まった。少し進んでいくと…
岳羽「シャドウ発見!」
すると岳羽が背後から弓矢で先制攻撃をした。するとシャドウは囁くティアラに変身した。
岳羽「先制決まったよ!イオ!」
すると岳羽は、額に拳銃を突き付け撃った。すると背後から何かが出てきて、囁くティアラに攻撃した。
順平「弱点にヒット!流石ゆかりっち!」
どうやら、このシャドウという個体には、それぞれ弱点が存在するようだ。っと、倒したならさっさとしないと。
翼「さてと…」
俺は囁くティアラの髪の毛を切っていく。
岳羽「な、何してるの…」
翼「何って、消える前に食える部分を切り落としてるんだよ」
順平「切り落とすって…その前にそいつの食えるとこ髪かよ!」
翼「これは一見髪に見えるが、食感は蕎麦と同じだ」
岳羽「嘘でしょ…」
琴音「言われてたからある程度覚悟はしてたけど、やっぱり生で見るとちょっとね…」
翼「まぁ、流石にこのティアラは食えないがな」
順平「このティアラはって、食えるのもあるのかよ…」
あるけど何か?ま、女子にはキツイだろうがな…んで次は臆病のマーヤか。そいつもサクッと倒してくれた。後は俺の出番だ。
順平「そいつも食えるのか?」
翼「そうだ。このままでは食えないが、マーヤにも色んな種類があり、下処理の仕方も違う。臆病の場合は塩水に付けてよく洗い乾燥させる。マーヤやスライムは下処理は違えど、乾燥させれば高級食材になる。これは俺が開発した干機だ。こうやって、マーヤを挟んでおくと、歩いている間に乾く」
階を更に登っていくと、またシャドウが出てきた。
翼「おっ!今度は死甲虫か!」
あれは初めて食ったサソリと同じで、肉厚なんだよな♪んで倒してもらって顔の部分だけ削ぎ落としておく。
桐条『今日はだいぶ登ったな。本日はこの辺にしておこうか』
順平「サンセー!もう俺腹減って腹減って…」
桐条『丁度その階に転送装置がある。それでエントランスまで戻って来てくれ』
桐条パイセンの言う通り転送装置があり、俺達はそれを使って1階エントランスまで戻って来た。
桐条「皆、お疲れ様だ」
岳羽「まぁ今回はそこまで登ってませんから」
ぐう〜…
すると誰かの腹が鳴った。
順平「すんません。オレっちッス」
岳羽「も〜ジュンペーったら」
琴音「私もお腹すいた〜」
翼「腹が減ったのか?なら丁度いい」
俺はテキパキと調理器具をセットする。
翼「今日取った獲物で料理を振る舞おう」
『えっ!?』
俺の言葉に、全員の顔が硬直する。
翼「まず死甲虫は、頭、足、羽を落とす。身にも切れ込みを入れておく。熱も通りやすく出汁が出て、鍋全体が美味くなる。内臓も簡単に取っておく。苦いし歯触りがよくない」
説明しながら俺は調理を進めていく。
翼「そして昨日街で出会った歩きキノコを入れて、マーヤを刻んで入れる。味を見ながら暫く煮込むと…完成!」
【死甲虫と歩きキノコとマーヤの水炊き】
『……』
俺は4人に御椀によそった鍋を渡す。
岳羽「うぅ…」
桐条「流石にシャドウを食べるのは生まれて初めてだ…」
順平「けど、すっげ〜美味そうな匂いしますよ」
琴音「…あむ!」
汐見が4人の中で先に食べた。
岳羽「ちょっ!」
桐条「大丈夫なのか!」
琴音「…美味しい!これ凄く美味しいよ佐藤君!」
順平「マジか!」
翼「そうだろうそうだろう♪」
汐見に釣られ伊織も食べる。
順平「なんだコレ!めちゃくちゃ美味い!」
翼「そうだろう♪そうだろう♪」
桐条「…ズズッ」
桐条パイ…先輩も食べた。
桐条「な、何だこの味は!調理次第でこんなにも変わるものなのか!」
翼「そうでしょうそうでしょう♪♪」
岳羽「……」
岳羽も恐る恐る箸を動かす。
岳羽「…なにこれ?」
翼「俺があの時出したマーヤの内臓の干物」
岳羽「…ズズ〜ッ…うわっおいしい!」
桐条「マーヤがこうやって食べれるとはな」
翼「果汁に浸して食べても美味しいですよ」
そして鍋はあっという間に空になる。
翼「それじゃあ締めは…」
俺は嘆くティアラの髪の毛を取り出し、別の鍋に湯を沸かす。
桐条「それは?」
順平「ああ。嘆くティアラの髪の毛ッスね」
桐条「か、髪の毛を食べるのか!?」
翼「見た目は髪の毛ですけど、まずこうやって熱湯で湯がいて…水気を切りさっきの鍋の残り汁に入れれば…締めの蕎麦の完成!」
【嘆くティアラの髪蕎麦】
桐条「た、確かに見た目は蕎麦にも見えなくはないが…」
汐見「ズルズル…」
ここでもトップをゆく結城。流石はここでのリーダーだ。
汐見「…ホントだ。蕎麦と同じ食感と風味だね」
順平「へ〜。どれどれ…ズズズ〜…おっ!本当に蕎麦見てぇだ!」
2人に触発され、女性陣も食べる。
岳羽「…本当だ。上品なお蕎麦食べてるみたい」
桐条「うむ。そこらの蕎麦よりちゃんとしているな」
そして見事全員完食したのだった。
『ご馳走様でした』
順平「あ〜腹いっぱいだ!」
岳羽「あたしも〜」
桐条「ああ。まさかシャドウがあそこまで美味だったとは…これは新たな発見だ。佐藤、Excellentだ!」
翼「まぁ、俺もシャドウが食べれるのを知ったのは5年前ですしね。それに、今まで色々と調べてキチンとした下処理を行えば、大抵のシャドウは食えますよ」
岳羽「あたしにはそこまでの探究心はないわ」
翼「ま、俺もまだまだ知らないシャドウはいますけど、10階までのシャドウなら、殆ど食ったことありますし」
桐条「それも凄い事だが、君が影時間を自由に行き来していた事にも驚いた」
翼「ああ、この時間影時間って言うんですね」
桐条「そこでだ。君にも是非、特別課外活動部に入部してほしい」
岳羽「ちょっ!先輩!」
翼「とはいっても、俺にペルソナ?ってのは出せませんよ?」
桐条「分かっている。君に求めるのは、今回みたいなシャドウを調理し、汐見達の体調管理を任せたい」
岳羽「ちょっ!またシャドウを食べるんですか!?」
桐条「仕方あるまい。今はいいが、どんどん塔を登っていくとすぐに転送装置があるとは限らない。そうなった場合、佐藤のような調理ができ、尚且つその場で食材を調達する事が必須になるだろう」
翼「ま、俺はまだ見ぬシャドウを調理できるならいいですけど」
桐条「なら決まりだ。これからよろしく頼む」
こうして俺は、特別課外活動部に所属することが決まったのだった。ま、シャドウは汐見達が倒してくれるし、俺はこいつらの体調管理と栄養管理に気を使いますか。いざとなれば、対抗できるし…