次の満月まで2週間をきり、俺達は久々にタルタロスに挑んでいる。
順平「森を抜けたと思ったら、今度は迷宮みたいな場所かよ」
ゆかり「色々変わって、ホント不思議よね」
美鶴「ああ。我々もまだタルタロスを完全に理解できてないからな」
シャドウを倒し進みながらそんな話をする。
順平「おっ!宝箱発見♪」
順平が宝箱を発見して開けた。相変わらず不用心だな。中身は、タルタロスには似合わない程の金銀財宝が入ってた。
順平「うひょ〜!すっげ〜な!」
琴音「タルタロスで、こんなの初めて見たよ」
明彦「ああ。だが、色々出費がある俺達にはありがたい」
美鶴「そうだな」
順平「んじゃ、ありがたくいただきますか!」
順平が金貨に触れようとした瞬間…
風花「触れちゃ駄目!」
風花が大声で止める。
ゆかり「ふ、風花?」
琴音「どうしたの?そんな大きな声出して」
風花「ごめんなさい。でも、そのお金から嫌な気配を感じます」
順平「気配?」
すると、金貨から羽が生え飛び出してきた。
順平「どわあああっ!!」
琴音「お、お金が飛んできた!?」
風花「気をつけて下さい!それはお金に見えてシャドウです!」
ゆかり「これシャドウなの!?」
流石に金貨が飛んでるから、小さすぎて皆四苦八苦してる。かという俺も鍋でガードしている。
ゆかり「こっちに来ないで!ガルーラ!」
ゆかりがペルソナを召喚し、金貨達を風で吹き飛ばした。目が回ったのか、金貨達は動かなくなった。
ゆかり「はあ…はあ…」
琴音「お、お疲れ様…」
翼「これは…」
俺は金貨を見る。やはり宝虫だったか。
翼「こいつは宝虫だな」
琴音「たからむし?」
ゆかり「虫なの!?」
明彦「旨いのか?」
順平「いや、聞くとこそこじゃないでしょうよ!」
翼「当然だ。虫は栄養価の高い素晴らしい食べ物だ。味も風味もいい」
順平「お前もなに普通に答えちゃってんの!!」
いつもよりツッコミのキレが激しいな。
翼「ほい…ほい、ほい、ほい」
ゆかり「いやああああああ!!!!!」
琴音「凄い選別してる…」
宝虫の中に、本物が混じってる場合があるからな。
翼「こっちは食える。こっちは食えない」
明彦「食える食えないはどこで見分けるんだ?」
翼「物による。これなんかは分かりやすい」
俺は真珠のネックレスを真田に見せる。
翼「ネックレスは、節の間に足がある。ブローチやコインは裏側を見る」
美鶴「ほう…よく見ると絵柄が違うな」
風花「桐条先輩、意外と平気なんですね」
翼「指輪はリングの部分に弾力がある。ティアラは水に入れればすぐにわかる。水に浮いたら宝虫だ。軽いからな。取り敢えず、失神してるうちに料理してしまおう」
俺は早速火を熾し、調理に取り掛かる。
翼「口当たりが悪いので、真珠ムカデからは足を取り除き、串に通して焼く。油を熱し、コイン虫の腹部分を下に加熱。軽く塩をふって掻き回しながら油をまわす。ホイッと。背中を上にして並べると綺麗。ティアラからは、卵と幼虫を取り除き、巣を砕いて一緒に煮詰める。瓶に詰め替えたら…完成だ」
【天然♡おいしい宝虫おやつ♪】
・真珠ムカデの串焼き
・コイン虫のせんべい
・宝虫の巣のジャム
琴音「流石に、綺麗だけど色んな意味で食欲がわかないね…」
明彦「とはいえ、世界には虫を食べる習慣もある」
美鶴「ああ。郷土料理みたいなものらしいな」
順平「ま、まあめでたでな見た目だし?ゲン担ぎにはなりそうだな…」
風花「…あむ」
まさかの風花が先に食べた。
ゆかり「ちょっ!風花!?」
風花「…あれ?凄く美味しい」
翼「ほう…」
俺は過去の食べた宝虫の味と比べていた。
翼「やはりタルタロスの方が旨いな。外で狩ると味がグズグズになるんだな」
ゆかり「…あむ」
ゆかりは真珠ムカデの串焼きを食べた。
ゆかり「トロっとしたものが…私もうネックレス付けられない…」
琴音「小魚っぽくて美味しい」
翼「おそらくだが、同じシャドウでも上の方が美味そうだな」
俺は宝虫の巣のジャムを塗ったパンを美鶴に渡す。
美鶴「あ、ああ。すまない」
恐る恐る食べる美鶴だが、食べた瞬間驚きの顔に変わった。
美鶴「甘くて美味だ。それに、本当に宝石そっくりだな」
宝虫の巣のジャムは、甘くて美味なので女性陣に人気だった。
翼「そろそろ行くか」
順平「この食えない方は、捨てちまっていいのか?」
翼「別に構わないが?」
ゆかり「食べられない方を食べてしまうとどうなるの?まずい?それとも毒とか?」
翼「何言ってる。流石に本物の宝石は食えないだろ」
『……』
既に宝石を捨てた順平達は、俺の言葉で固まった。
「「「それを先に言ええええええ!!!!!!」」」
琴音、ゆかり、順平は捨てた袋が落ちていく場所を見ながら、そう叫んだのであった。
風花「あ、あははは…」
美鶴「翼、次からは本物は持ち帰ること」
明彦「だな。流石にあいつらが不憫でならない」
翼「あ〜…なんかすみません」