シャドウって食べれるんだ   作:シャト6

6 / 12
今回は何も無し

琴音達は現在、美鶴や真田先輩が言ってた仲間候補である人物の事を探している。俺も色々と調べてみる。すると、別の噂を耳にした。ウチの学校のE組の【山岸風花】って女子が、どうやら虐めにあってるようだ。

 

翼「高校生にまでなって虐めとか…」

 

まだガキから大人になれないんだろうな。

 

(精神年齢を既に数えられない人の言葉である)

 

んで、その山岸風花が最近登校していないらしい。家にも戻ってなく親が捜索願いを出したそうだ。だが、周囲では山岸は死んだことになっており、その怨霊が、虐めてた女子を襲ったとか。んなわけあるはずもないが…

 

翼「けど、これだけ探して見つからないとなると…いや、あの場所はまだ探してないな」

 

俺がまだ言ってない場所。それはポートアイランド駅前の裏通りだ。

 

翼「あそこの噂も色々と聞いたが…ま、俺だけなら大丈夫だろ」

 

俺は家を出て、ポートアイランド駅前の裏通りに向かった。んだが…

 

翼「何で彼奴等がここにいるんだよ」

 

裏通りに入る琴音達を見て、俺は頭痛を覚えるのであった。俺は急いで琴音達を追い掛けた。

 

「あちゃ〜。彼女今『サイテー』とか言ったよね。ヒゲ男くんも大変だ。こんなアグレッシブなコと一緒だと…サ!!」

 

順平「ぐっ!痛って…」

 

ゆかり「順平!」

 

「「「「アハハハハハハ!!」」」」

 

ジュンペーの奴が殴られたのを見て、周りの連中は笑っていた。

 

翼「…おい」

 

俺は頭にきて、殴った男の前に立つ。

 

「ん?何なの君?この子達の仲間?」

 

翼「ああ。ウチの連れが世話になった…な!」

 

俺はジュンペー殴った男の顔面を、ヤクザキックで蹴り倒す。

 

「グヘッ!!」

 

「なっ!?このヤロー!」

 

「調子に乗んなよ!!」

 

翼「テメェ等もああなりたいか?…失せろ!!」

 

俺は裏路地にいた連中全員を睨み付ける。覇王色出してないが、それでもこの辺にいる連中なら充分だった。

 

「その辺でいいだろ」

 

すると、ニット帽を被った男が出て来た。

 

「知らねえで来てんだ。俺が追い出す。いいだろ、そんで」

 

「バァカかテメーは」

 

俺が睨むのを止めてニット帽の男を見てたから、他の連中も元に戻っていた。

 

「今更そんで済むかよ!テメェもヤんぞ、コラ!」

 

するとニット帽の男は、叫んでた男に頭突きをする。

 

「うおっ…つ、つええ…」

 

いや、お前が弱いだけだろ。

 

「テンメェ…今三途の川、渡ったぞ!ただで帰れると思ってんのか!?」

 

翼「なんだ、駄賃が必要か?なら俺がお前を含めた全員に支払ってやろうか?」

 

俺は片手で骨をポキポキと鳴らして見せる。

 

「い、いや、特に…」

 

「「「きゃははははっ!ダッセー、ちょーウケるっ!」」」

 

翼「テメェ等も少し黙ってろ。女でも…俺は容赦しね〜ぞ?」

 

俺がそう言うと、女達も黙り込んだ。

 

「テメェ…確か『荒垣』とかいったな…そうだ、『荒垣真次郎』…!テメェも確かツキ高だな?」

 

「チックショ〜!おっぼえてろよ!!」

 

そういう残して、琴音達に絡んでた連中は逃げて行った。さてと…

 

順平「スゲーッス!先輩、つえ〜ッス!」

 

ゆかり「翼君もありがとう」

 

翼「お前等…」

 

真次郎「その顔…お前ら、アキの病室にいた…バカ野郎が!帰れ。お前らの来るトコじゃねえ」

 

ゆかり「待って!」

 

ゆかりが荒垣先輩を呼び止める。そしてここに来た理由を話し出した。暫く黙って聞いてると、荒垣先輩があることを言い出した。

 

真次郎「その山岸って奴、死んでるかもって。もう1週間かそこら、家にも戻ってねえって話だ」

 

翼「やっぱりそうか…」

 

俺はポツリと呟く。

 

琴音「翼君、やっぱりってどういうこと?」

 

翼「ああ。俺も美鶴からメール来てたんで色々と調べてみたんだよ。仲間候補のこと。けど、その前にウチの学校のE組の山岸風花が不登校になってるって噂を聞いてな。まさか家にまでいないのは予想外だったが」

 

家にも帰ってない事も知ってたが、俺は敢えて嘘をついた。

 

真次郎「そうか、アキの奴…あの日出来なかった事の『代わり』ってか?ったく…過去を切れねえのは、どっちだってんだ…」

 

ゆかり「…?」

 

真次郎「なんでもねえ…」

 

過去…か。真田先輩や美鶴に何かあったなこりゃ。俺個人で調べれる範囲調べてみるか…

 

真次郎「知ってんのは、そんだけだ。…もういいか?」

 

翼「ええ、ありがとうございます」

 

そして俺達は荒垣先輩と別れ、寮に戻った。さて、戻ったら説教の時間だな…寮に戻った俺達は、ラウンジでバカ3人をソファの前で正座させた。俺はソファに座ってる。

 

翼「そんで、美鶴や真田先輩、俺にも相談なく、何の準備も無しにあの路地裏に行った理由を聞こうか?まあ、理由は分かってるが、何でそんな行動になったかを事細かく聞かせてもらえますか?」

 

順平「いや〜…その〜…」

 

琴音「最近噂になってた怪談の話を調べてまして…」

 

ゆかり「それで、行ってない場所があの場所だった訳でして…」

 

翼「この…ばっかもーん!!!!!

 

俺の大声が寮全体に響き渡る。

 

翼「岳羽!伊織!お前らはあの場所が危険だって知ってただろ!汐見は転校して間もないから知らないとは思うが!」

 

順平「で、でも!なんとかなったし!」

 

翼「それは荒垣先輩と俺が助けに入ったからだろうが!!」

 

ゆかり「で、でも!翼君もあの場所に1人で行こうとしてたんでしょ?」

 

翼「確かに岳羽の言う通りだ。だが、現に俺はあそこにいたチンピラ連中に負けたか?」

 

ゆかり「うっ…負けてないです」

 

琴音「むしろ返り討ちにしてました」

 

翼「そうだ。だが、お前等がいた分無茶できなくなった。汐見や岳羽が、人質にならなくて安心したくらいだ。けど、手も足も…まして何も準備してないならあんな場所に行くな!万が一があったらどうする!!」

 

美鶴「そ、そこまでにしたらどうだ翼」

 

美鶴がそう言うと、俺は美鶴と真田先輩を睨む。

 

翼「そもそも、年上の2人が寮にいたならこいつらの行動を見るべきでしょうが!2人もラウンジにいて、どっちもついて行かないなんて…」

 

明彦「それは…」

 

俺は真田先輩…いや、真田と美鶴も正座させて、更に説教をする。

 

翼「だいたい美鶴や真田には、年上としての自覚が…」

 

そこから俺の説教は、影時間まで続いたのだった…影時間になり、説教が終わると、全員フラフラになりならが、各自の部屋に帰って行った。因みに女性員は涙を浮かべており、若干だが罪悪感が生まれた瞬間でもあった。翌日、今日の昼休みに山岸の事を確認する為、職員室に集合となったそうだ。んで昼休み。職員室には俺、美鶴、琴音、ゆかり、ジュンペーが集まった。先生と向かい合わせで顔黒茶髪ギャルが、頭を抱えて座っていた。

 

美鶴「先生、事情を伺いに参りました。『山岸風花』という生徒について…」

 

「違うのっ!」

 

すると茶髪ギャルが突然叫んだ。

 

「違うのよ…こんな…こんな事になるなんて、思わなかった…風花…」

 

ゆかり「あれ…あなた、確か、前に…」

 

美鶴「山岸をどうしたんだ?」

 

江古田「おいおい、桐条君、そんな言い方ないだろう?森山も困ってるじゃないかね。なぁ、森山。話したくなければいいんだぞ。お前が余計な事を言って、山岸が変に思われてもいかんよ」

 

森山「風花ってさ…ちょっと突っついただけで、いつも世界の終わりみたいな顔すんだ…すぐ分かったよ…コイツ優等生のクセに、根っこ、アタシらと同じだって。どこ踏んづけときゃ立てないか…アタシには丸分かりだった。…だから!あの日もほんの遊びのつもりだったの!5月29日…風花を体育館に連れてって…外から鍵かけて…」

 

順平「ちょっ、おまっ、閉じ込めたっつ〜事かよ!?」

 

琴音「どこが遊びなの!」

 

森山「夜中んなって、自殺とかされるとマズいからって、マキが1人で学校行ったんだ…でもマキ帰って来なくて、翌朝…」

 

ゆかり「校門で倒れてるのが見つかった、か…」

 

森山「風花を出さなきゃって体育館に行ったら、まだ鍵が掛かったまんまで…ヤバいってすぐ開けたんだけど、そしたら風花、消えちゃってて…アタシら皆ビビって、次の晩から夜な夜なあの子を探しに行ったの…でもその度、行った子が帰って来なくて…皆次々、マキみたいに…!」

 

美鶴「なるほどな…ところで、連日の山岸風花の欠席を、先生は『病欠』と届けていらっしゃる。だが実際は行方不明で、先生はそれをご存じだったはずだ。…どういうおつもりです?」

 

江古田「何を言ってる。生徒の為にした事だよ。皆色々、将来の為に都合があるんだ。子供の君らには分からんだろうがね」

 

美鶴「失踪して警察沙汰になる問題児など、ご自分の組にはいないという事ですか」

 

江古田「ほ、本人の為だ。こんな事で学歴に傷がついてはいかんだろ?親御さんも、そういう話で納得してんだよ!」

 

美鶴「保身の為には、教職の本文すらも捨てるか。下衆め…!」

 

江古田「ゲっ…いや…そんな風に…言わなくたってさぁ…」

 

翼「いや、下衆以外何があるんだよ」

 

俺は言わなくていい言葉を江古田に投げつけた。

 

翼「警察沙汰になる生徒は見て見ぬふり。親御さんに話を付けた?どうせ学校の方で捜索してますとかなんとか、嘘言ってんだろ?」

 

江古田「う、嘘なんかじゃ…」

 

翼「あんたの言葉、誰が信じると思う?言ってみろよ?江古田先生??」

 

俺は江古田の真正面に立ち、顔を近づけそう言う。

 

江古田「そ、それは…」

 

翼「会長も言ってたが、自分の保身の為に教職の本文すら捨てる。そりゃそうだよなあ!警察沙汰になった生徒は、嫌でも警察の人達は過去を調べる。となると、その時担任だった江古田先生の名前も分かってしまう。自分の教師経歴に傷なんてつけたくないですよね?」

 

江古田「あ…う…」

 

翼「こんなのが教師になるなんて世も末だ。担任や授業を受ける生徒が不憫でならない」

 

俺は敢えて、職員室中に聞こえるように言う。江古田が知ってるんだ。最低でも学年の先生や校長、教頭の耳には必ず入るはずだ。すると案の定、同じ学年の先生達は焦った顔をする。ウチの担任の鳥海先生だけは、江古田を睨んでいた。なんだかんだでちゃんとしてたみたいだ。

 

美鶴「翼、もうその辺でいい。江古田先生、もう結構です、外していただきたい。後は我々が」

 

江古田「い、いや、しかし…」

 

翼「あんたはいなくても必要ないんだよ」

 

美鶴「…この件については、追って沙汰があるでしょう」

 

江古田「はぁ…」

 

ため息を吐いて、江古田は職員室を出ていった。

 

翼「因果応報、自業自得だな」

 

美鶴「病院へ運ばれた君の友人について、なにか気付いた事は無いか?どんな細かな事でもいい」

 

森山「……『声』だ…自分を呼ぶ『声』…そうだ…皆病院送りになる前の晩…そういえば同じ事言ってた…気味のワルい『呼び声』を聞いたって…」

 

順平「声…?」

 

ゆかり「先輩…もしかして、今回の事件って!?」

 

美鶴「間違いない…ヤツらの仕業だ。誰が影時間に落ちるかを事前に知る方法は無いとされていたが…なるほど、『声』か。つまり影時間へは『落ちる』ではなく、ヤツらによって『落とされる』という事だな」

 

いや、普通に森山がいる前で話してるけど…大丈夫か?んで、放課後今度は生徒会室で話し合う事が決まった。やれやれ…

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室…

 

 

 

 

 

 

 

 

美鶴「…よし、揃ったな。今夜、この学園への潜入作戦を行う。目的は『山岸風花』の救出だ」

 

順平「あの、イマイチ分かんないスけど!山岸って学校の中にいるんスか?」

 

ゆかり「しかも、何で夜に?0時になっちゃったら、学園は…」

 

美鶴「その通り。山岸もそうやって、タルタロスに迷い込んだんだ」

 

ゆかり「じゃ、まさか山岸さんって、体育館に閉じ込められてからずっと…」

 

翼「おそらくそうだろうな」

 

順平「そんな!10日も前の話じゃないッスか!それ…どう考えても…」

 

翼「ジュンペー、それ以上は言うな」

 

俺はジュンペーを睨んで、出そうとした言葉を引っ込めさせる。

 

翼「確かにお前の言う事は、普通に考えればそうだろう。だが、助ける前からマイナスなイメージを持つな」

 

美鶴「翼の言う通りだ」

 

明彦「それに、タルタロスは影時間の間にしか現れない。なら山岸風花は、日中は何処にいると思う?」

 

琴音「どこにも居ない…?」

 

ゆかり「言われてみれば…」

 

明彦「こいつは仮説だが、恐らく山岸は、あの時からずっと影時間にいるんだ。つまり10日と言っても、山岸にとっては影時間を足し合わせた分しか時が過ぎてない。生存の可能性はある」

 

順平「おおっ、マジっスか!?」

 

真田先輩の仮説を聞いて、少し表情が明るくなる。

 

順平「あ…でも影時間って、慣れたオレらでも、

いるだけで結構バテるじゃないスか。あれを10日分ぶっ通してのは…」

 

ゆかり「そう言えば、そうね…」

 

翼「なら「なら、このまま見殺しにするのかっ!」」

 

俺のセリフに被せて、真田先輩がそう叫ぶ。

 

明彦「方法はある。山岸と全く同じ方法で中に入るんだ。同じ場所へ行って、0時を待つ。そうすれば短時間で辿り着ける」

 

ゆかり「その方法で大丈夫なんですか…?」

 

翼「なら逆に聞くが、他にいい案があるなら言ってくれ」

 

ゆかり「そ、それは…」

 

俺の言葉に、ゆかりは顔を背ける。

 

美鶴「正直に言えば、私はこの作戦には諸手を上げて賛成はできない。最悪、二重遭難という可能性もある。しかし…」

 

明彦「助かる可能性があるのに、放っておくなんて俺にはできない…後悔したくないんだ。お前らが行かないなら、俺1人で行く」

 

こりゃ絶対過去に何かあったな。

 

美鶴「…分かった。危険は承知だが、このまま放置するわけにもいかないからな」

 

こうして俺達は、夜の学園に忍込み、山岸と同じ方法でタルタロスに挑むことになったのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。