シャドウって食べれるんだ   作:シャト6

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動く鎧

俺は家に戻り、出発の準備をする。鍋、フライパン、鉄板、包丁、調味料。んで今回は10時間とはいえ空腹状態のはず。

 

翼「消化に良い物を作らないとな」

 

道中であいつに出会えば、いい出汁が取れるんだが…そして学園で合流した俺達は、ジュンペーが鍵を開けてた場所から潜入した。

 

順平「すんなり入れたっしょ?オレって、なんつ〜か天才?」

 

ゆかり「自慢するほどの事?」

 

美鶴「昼間のうちに鍵を…ブリリアント!」

 

明彦「グッジョブ。どこかで捜索の下準備だ。お前達の教室でいいな?」

 

ゆかり「あの人達…なんなの?」

 

順平「ブリブリとかって、なに?どういう意味?」

 

翼「ブリリアント…つまり『素晴らしい』や『見事』って意味だ」

 

順平「へ〜…日本人は日本語使って欲しいよナ…」

 

翼「まあ、美鶴の場合は無理だろな」

 

んで、俺達の教室で準備する。

 

ゆかり「電気つけましょうよ…」

 

翼「あほか。電気なんかつけたら、俺達が学園に不法侵入してるのが一発でバレるぞ」

 

明彦「いいから始めるぞ。この時間は、主電源が落ちている。それに暗いままの方が、都合がいい」

 

ゆかり「なんかコソコソしてて、ヤだなぁ…」

 

いや、実際コソコソしてんだよオレら…

 

美鶴「まずは、体育館の鍵を手に入れるぞ。『職員室』か『校務員室』にあるはずだ」

 

そして俺らが職員室。美鶴と真田先輩が校務員室に決まった。んで、案の定バカがテストの答案とかないかと言い、美鶴にすれば処刑と言われ焦っていたのだった。1階に降りた俺達は、さっさと職員室に行こうとする。

 

ゆかり「なんか、聞こえない?」

 

すると、何か音が聞こえてきた。

 

ゆかり「な、なに…?わ、私達の他に…誰かいるの…?ととととにかく、隠れよう!」

 

俺と琴音、ゆかりは柱の陰に隠れる。んで、やってきたのは警備の人だった。

 

ゆかり「警備の人か…脅かさないでよ…」

 

琴音「ゆかりちゃんって、幽霊信じてるの?」

 

ゆかり「そ、そんな訳ないでしょ。犯人はユーレイなんかじゃないって、突き止めたしね。それにね、ユーレイなんてね、言うほど怖いって訳じゃ…」

 

いや、そう言いながらも、未だに俺の服を掴んでるのは…

 

ピロピロ…ピロピロ…

 

ゆかり「ウギャ!」

 

自分の携帯の着信音でビビるなよ。ってかマナーモードにしとけっての。

 

ゆかり「ケ、ケータイ!?私の!?しかも、迷惑メールだし…」

 

「「……」」

 

ゆかり「ハァ…でもさ、普通ビックリするでしょ?」

 

琴音「確かにビックリするけど…」

 

翼「その前にマナーモードにしておけよ…」

 

ゆかり「あっ…」

 

「「「……」」」

 

何とも言えない空気が流れたのであった。

 

翼「別に誰でも何かしら怖いんだ。恥ずかしがる事はない…んだが」

 

ゆかり「な、なによ…」

 

翼「いや、別に…」

 

未だに俺の服を掴んでるゆかりであった。んで、何故か対抗して琴音も反対側を掴んでいる…腕を…そして職員室に行き体育館の鍵をゲットした俺達は、1階の玄関ホールに戻った。玄関ホールには既に順平、美鶴、真田先輩がいた。

 

美鶴「よし、影時間に入ったら、私が位置を割り出す」

 

そして影時間に突入したが…見事に全員と逸れたのであった…

 

翼「ま、こうなるとは思ったけどね」

 

俺は武器を構えてそう呟く。今後の事を考えて、美鶴に斧を用意してもらっていたのだ。

 

美鶴『…ない…の…遠く…』

 

美鶴の通信も役に立たないっと。

 

翼「ま、1人の方が色々と力出せるからいいんだけどね」

 

俺は美鶴達はもちろんだが、あいつだけは未だに怪しんでるんだよね。琴音達と合流する為に進んで行く。道中でシャドウに出会ったが、嘆くティアラとかだからな〜。テーブルは食えんし。そんな風に進んで行くと、ようやくジュンペー達と合流した。後は琴音だけみたいだ。

 

順平「お〜、ようやくお出ましだよ。心配したぜ…ったく」

 

琴音「おまたせ」

 

明彦「今後は、こういう入り方は無理だな…」

 

翼「でしょうね」

 

順平「あ、つ〜かさ!ここ来る途中に『声』聞かなかった?え〜と、なんつったらいいか…」

 

「誰…?人…なの?」

 

順平「わ、わ、こ、この声!」

 

声がする方を見ると、行方不明だった山岸風花がいた。

 

明彦「『山岸風花』か?」

 

風花「は、はいっ…!」

 

順平「おおっ、生きてた〜!すげ〜!もう大丈夫だぜ!オレら、救助隊だからサ!」

 

明彦「よかったな…俺達と一緒に来い」

 

風花「ありがとうございます…私…」

 

すると山岸はしゃがみ込む。

 

琴音「だ、大丈夫!?」

 

風花「は、はい…ごめんなさい、気が抜けちゃって…」

 

翼「無理もない。10時間とはいえ、飲まず食わずだったんだからな」

 

明彦「フッ…俺の判断は正しかったな。美鶴に連絡を入れておくか」

 

風花「ここ、一体どこなんですか?私、学校にいたはずなのに、なんでこんな…」

 

翼「それはここを出てから説明する。まずはここを急いで出る事だ」

 

明彦「そうだな。美鶴、聞こえるか?」

 

真田先輩が美鶴に通信するが、相変わらずノイズが酷い。取り合えず念の為真田先輩は、山岸に召喚機を渡していた。んで、俺が背負って塔を降りる事になった。最初は恥ずかしがってた山岸だが、やはり10時間もタルタロスにいたため、体力の消耗が激しく、すぐに大人しくなった。

 

順平「月、デカッ!明るッ!…てか、こんなギラギラしてたっけかぁ?」

 

明彦「月の満ち欠けは、シャドウの調子に影響するって説がある。もっとも、人間も同じだがな。…ん?前も丸かった?」

 

順平「な、なんスか!?」

 

明彦「おい、4月に寮が襲われた日、月を見たか?」

 

琴音「丸かった気が…」

 

明彦「今日が6月8日…モノレールで戦ったのが5月9日…寮の襲撃は4月9日…全て『満月』だ!」

 

今日が満月…となると、嫌な予感が当たりそうだな。

 

風花「…なに…これ…今までのより…ずっと大きい…しかも…人を…襲ってる…」

 

明彦「クソッ!」

 

こりゃまずいな。仕方ない説得は後にして、先にゆかりと美鶴と合流するか。

 

翼「すみません!急いでエントランスに戻りますよ!」

 

明彦「なに!?」

 

順平「いや無理だろ!」

 

琴音「どうやって戻るの!?ここには転送装置ないんだよ?」

 

翼「説明は後だ!山岸、しっかり掴まってろよ!ボイスアーマー!」

 

俺は山岸と琴音達に、ボイスアーマーを装着させた。

 

琴音「これって!?」

 

明彦「前にマンドレイクの声を防いだ…」

 

翼「じゃお先に!」

 

俺達はスキマを開いて、急いでエントランスに戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スキマから出てきた俺達の前にいたのは、壊されたバイクと、巨大なシャドウ2体の前に倒れてるゆかりと美鶴の姿だった。

 

明彦「くそっ、1体じゃないのか!?美鶴!岳羽!」

 

美鶴「うっ、くっ…」

 

ゆかり「コイツッ!攻撃がっ…効かないっ!」

 

順平「真田サン!シャドウの気ぃ逸らさないと!」

 

明彦「分かってる!…貴様らの相手はこっちだ!」

 

美鶴「明彦、気を付けろ…こいつら、普通の攻撃が効かない」

 

普通の攻撃が効かない…か。なら、シャドウでも出せないこれならどうだ!

 

翼「能力ディスク!『黄猿』!!」

 

俺は秘密道具を使って、黄猿の能力をセットした。

 

翼「おやおや~。美鶴達に手を出したお前さん方、生きて帰れるとは思わない事だね~」

 

俺は素早く巨大シャドウの背後に回り込んだ。

 

翼「光の速度で蹴られた事はあるかい?」

 

俺がそう言いながら、2体のシャドウは同時にエントランス端まで吹き飛んだ。

 

美鶴「なっ!?」

 

ゆかり「あのシャドウが…簡単に吹き飛んだ…」

 

明彦「馬鹿な!?」

 

順平「いやいやいや!!佐藤バケモンかよ!!?」

 

琴音「強いとは思ってたけど…まさかあそこまで強いなんて…!?」

 

順平「お、おい、アイツ…!?」

 

森山「ふ…風花…」

 

エントランスに、寮で待機していたはずの森山がいた。

 

美鶴「バカなっ、何故…来た!?」

 

森山に気づいた山岸が、森山のところに向かってしまう。それを見たシャドウ達は、山岸と森山をターゲットに切り替えた。

 

風花「…ペルソナ」

 

すると、山岸はペルソナを召喚して、自分と森山を守った。だが、シャドウはそれでは止まらない。俺は素早く山岸達の前に立つ。琴音も同じな様で、俺の横に並ぶ。

 

風花「私が、怪物たちの弱点を探ります。少し時間をください…!」

 

その間、シャドウは琴音、ジュンぺー、真田先輩に任せる。暫くして…

 

風花「お待たせしました。いつでも調べられます。タイミングを指示して下さい!」

 

そして1体のシャドウを解析する。

 

風花「私に…こんな力があったなんて…」

 

明彦「期待通りの能力だ。分析力なら美鶴以上か…!」

 

そして山岸の分析力のおかげで、なんとかシャドウに勝利したのだった。俺?俺は倒したのを確認した段階で、食える部分を採取してたさ。

 

風花「えっと…あの人は何をしてるんですか?」

 

ゆかり「ああ…あれ?」

 

順平「大方、あのシャドウが食えないか調べてるんだろうよ」

 

風花「えっ?…あの…あれって食べれるんですか?」

 

美鶴「まあ、驚くのは無理もない。私達も最初は驚かされたからな…」

 

翼「お~い!悪いけど、このシャドウの鎧に挟まってる生き物を取ってくれ!」

 

ゆかり「これだよもう!!」

 

そして、気絶してる森山と疲労が一番多い山岸を除いた連中で、巨大シャドウの鎧の隙間に挟まってる生き物を取り出した。作業中にゆかりと琴音、声には出さなかったが美鶴も驚いていたのはお約束である。

 

翼「見た目は貝っぽいし、まず水抜きをしてみるか」

 

鍋に水を入れ貝モドキを入れると溺れた。

 

琴音「あ、溺れた」

 

翼「流石に水で砂抜きは無理か。そもそも砂抜きが必要なのかどうか。切ってみるか…内容物が気になるので、内臓は取っておく。スライスした身はスープに。油と…動く鎧の切り身に薬草と調味料。ほいっと。頭は…蒸す。後は、定番もやっておくか」

 

貝で定番と言えば、鉄板で貝殻のまま焼くあれだ。

 

 

翼「できたぞ!」

 

 

 

【動く鎧シャドウのフルコース】

 

・動く鎧の俺風炒め

・動く鎧のスープ

・焼き動く鎧

・動く鎧の蒸し焼き

 

 

 

琴音「ゆかりちゃんはどれから食べる?」

 

ゆかり「えっ!?じゃ、じゃあスープ…じゃなくて!これ食中毒とか大丈夫なの?」

 

翼「安心しろ。毒消しの薬草を入れてある。それに別で薬もある」

 

明彦「匂いは悪くないな」

 

順平「なんか、ほのかに鉄の匂いが…」

 

翼「琴音、ほれ」

 

俺は焼き動く鎧を琴音に投げた。

 

琴音「あっつい!!?フ~ッ!フ~ッ!あむっ!」

 

流石の俺も躊躇する食材を、琴音はすぐに食べた。最近俺よりシャドウ食楽しんでない?

 

琴音「うっ…!」

 

『(死んだか!?)』

 

琴音「美味しい~!!うわ~なにこれ!凄く美味しいよ!!最初は味がないと思ったけど、遅れてくる!味が!!」

 

ゆかり「食中毒の症状ってどれくらいで出るの?」

 

順平「物によるだろ…」

 

翼「むぐっ…」

 

ゆかり「あっ」

 

翼「モグモグ…うん、こんなものか。悪くないが、もっと上手く調理できたな。そっちのはどうだ?」

 

順平「えっ!…ま、まあ薬草と炒めたやつなら大丈夫っしょ…あむっ」

 

美鶴「ど、どうだ伊織?」

 

順平「なんかねっとりしてるっスけど、不味くはないっスね」

 

「「「…ごく」」」

 

ゆかり、美鶴、山岸の3人は、スープを飲んだ。

 

翼「どうだ?3人共」

 

ゆかり「なんか…キノコっぽい味がする」

 

美鶴「確かに…」

 

風花「初めて食べましたけど…美味しいですね」

 

琴音「でしょう♪あたしも最初は抵抗あったけど、翼君が美味しく調理してくれるからさ。蒸し焼きも上手にできたね。こんなの絶対美味しいに決まってるよ♪…」

 

しかし、琴音は無の表情になった。

 

琴音「…カビ臭い」

 

翼「あちゃ~。兜の臭いを閉じ込めてしまったみたいだな」

 

ゆかり「オエ」

 

そして、動く兜の鎧は見事に完食されたのだった。山岸も最初は抵抗あったが、最後は『ご馳走様でした』と言ってくれた。こうして、山岸の救出と、満月に出るであろう巨大シャドウの討伐は無事に終了したのであった。

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