処女作なので、温かい目で見ていただけると幸いです。
初めて、書いたのですが、自分で見返すと「何かへんかも?」とソワソワしてしまいます。あと、自分の二次創作と自分が今まで見てきた二次創作を比べたのですが、作者様方の凄さを改めて感じさせられました。
追伸
内容を一部修正致しました。(6月25日)
幼少の記憶は、濃い霧に覆われたかのように、朧げで曖昧だ。
どれほど当時の記憶を辿ろうとも、何処にもいく着くことはなく、ただ霧の中を彷徨い続ける。
多くの記憶が存在することを理解していながらも、たどり着くことは決して出来なかった。
ーーそれでも、あの日、森の中で目を覚ましたあの瞬間から。
霧の中を貫く一筋の光のように、ある記憶だけは、脳内に直接焼き付いている。
それはまるで、古びた幻灯機が影を映し続けるように、何度も、何度も繰り返された。
「・・・んっ、ふぁ〜」
目が覚めると、一番はじめに倦怠感に襲われる。
あくびをしながら大きく伸びをしてみるけれど、気分も機嫌も晴れることはなく、憂鬱とした気持ちが体に重くのしかかる。
「…」
夢を見た。
ひどく懐かしい夢を。
ほんの少しの、けれど私が最も幸福だった、あの時のことを。
未だ見つからない家族との温かな日々を。
「ママ、パパ…」
つい熱いものが目元に込み上げてくる。
私はそれを振り払うように、顔を横に振っては、バチンッと、顔を強く叩いた。
ーーネガティブになるのは、絶対にだめ。いつか必ず会えるって、私自身が信じなきゃ。
んっ!と気合いを入れ直して、視線を前に向けると、そこには美しい白銀の髪を揺らす女性の姿が。
「あっ、おはようございます。ミラさん」
「あら、目が覚めたのね。おはよう、セラ」
食器を洗っていた手を止め、柔らかな笑みを浮かべる彼女の本名は、ミラ・ジェーンさん。
魔導士ギルド「フェアリーテイル」に所属する魔導士の一人で、かつては、最高峰の階級に位置するS級魔導士として、難しい依頼をバンバンとこなしていたギルド最強の一人である。
現在では、主に雑誌の依頼をこなしながら、ギルドの酒場を切り盛りする看板娘兼受付嬢として皆を送り出し、料理とそのチャームさで人々を笑顔にさせている。
ーー時たま、その笑顔に陰りを見せながらも、仕事をこなし続けている。
私自身、ミラさんが今のあり方に至ったわけを知っている。知っていて、私にはどうすることもできなかった。
私の魔法で、ミラさんが背負う苦しみを和らげることも、彼女の代わりにもなることもできない。
だからせめて、今のミラさんの在り方に倣うように、私も前を向いて人と向き合おうと心に決めていた。
「よく眠れた? まだ疲れているようだったら、また後で教えてあげるけど」
いつものように優しい声で気遣ってくれるミラさんに、私も「はい!」と元気よく返した。
⋯⋯ん?今、教えるって⋯何を?⋯⋯⋯あ!
「すみません!料理教えてもらってたのに途中で寝てしまって…」
「ふふ、大丈夫よ、昨日も夜遅くまで頑張ってたんでしょ?疲れてても仕方ないわ」
「本当にすみません…」
さっきまであんな真剣になって、「私もミラさんに習おう」って、私のあり方について再確認してたのに。
あまりの情けなさに、顔がみるみる内に熱くなるのを感じる。
「そう言えば、なんで急に料理なんてやりたいと思ったの?」
恥ずかしくて顔を上げれずにいたので、俯いたまま「実は…」と、昨日の出来事を思い出しながら、言葉にする。
昨日の私は、よく自分宛に依頼を出してくれる料理店で接客の依頼をこなしていた。
一日の仕事を終え、店内のモップ掛けをしていた
丁度その時、料理長が私に話しかけてきたのだ。
「看板メニュー作ってみないかい?」と。
実は店長、私がちょくちょく厨房を見ていたのに気づいたらしく、せっかくなら、看板メニューを作ってみないか?と誘ってくれたのだ。
私自身、いつも火を使わない簡単な料理か、賄いをもらう生活を続けており、他にも色々と作れるようになりたいと思っていたので、快諾し、いざ実践!となったのだが、
料理中、私は何度も失敗しては爆発させ、厨房を散らかしまい、今までで1番早く、厨房を綺麗にして、料理長に何度も頭を下げた。
それに対し料理長は「まだ、これからだから頑張ろう」と優しく撫でてくれた。
この一連の出来事で、自分に気を使ってくれた料理長への申し訳なさと、自分の不甲斐なさから、夜通し自分の部屋でひたすらトライしたのだが、うまくいかず、現在、看板娘のミラさんに料理を教えてもらっていた。
「そういうことなんですが、さっきの続きから教えてほしいです!」
「分かったわ。えっと、さっきの続きだから…。そうね、爆発させないためのポイントがあるのだけど、それはね⋯」
そのあとは、実践も加えて、手取り足取り教えてくれた。途中、大爆発を起こし、ミラさんの頭に破片がぶっ刺さってしまい、ミラさんは「料理って楽しいでしょ」と微笑みながら倒れてしまった。傷はすぐに治すことができたのだが、その後も何度も爆発させてしまい、治療、爆発、治療、爆発を繰り返すことで非常に疲れてしまっていた。
(はぁ⋯⋯ミラさんにすごく迷惑かけちゃった。今度、何か手伝いとあらためて謝罪の品を渡そう)
自己反省でトボトボと歩きながら、遂に完成したビッグかにクリームコロッケを机に運び、料理の出来栄えに目を向けた。
(⋯⋯⋯色々あったけど、実際に完成したものを見るとテンション上がっちゃうなー⋯。出来栄えも中々だし、きっと味の方は、中のクリームが体にジュワッと染み渡って、某料理漫画みたいにバッて素っ裸になるぐらいおいしいんだろうなー。・・・でもなんか食べるのがもったいないなー♪どうしよっかなー♪)
あまりに疲労が積み重なり、脳が異常な興奮状態、つまりハイになっていたんだと思う。
私は「ど・う・し・よ・う・かな〜」なんて、変なダンスをしながら、ビッグかにクリームコロッケをツンツンし始めたちょうどその時、
「「ようこそフェアリーテイルへ!」」
何者かが、ギルドの玄関で物凄い音を立てて入り込んできていた。私は、未だツンツンしていて、背後から聞こえる風切り音に気づいていなかった。
(....そういえば、イグニールの話嘘みたいだったし、ナツさんにあげて元気出させてあげようかな♪もう一個もミラさんにお礼として渡したし、これも誰かにあげたべきだよね!)
「うん!そうし「ドゴォン!!」おっ!?」
ぶちゃっ
吹き飛んできた何かが、私の背中に容赦なく激突する。衝撃に弾かれた身体は、当然のように前方に吹き飛び、机上にある巨大な衣へとダイレクトアタック。机も皿も衣も割れて、破壊音と粘液性のある音が鳴り響いた。
私の体は、先ほど想像していたとおーりに、白いクリームが体に染み渡って、素肌が透けていた。痛みと疲労とショックと悲しみで、私の意識はぷつんと切れた。
(((うっわ....、えっっ(ろ)ぐ)))
周囲の人々は、酷い有様となったセラに顔を引きつらせて(一部を除く)、誰がやったのかと、玄関に目を向けると、そこには、マフラーを巻いた少年と青猫と金髪の少女が立っていた。
読んでいただきありがとうございます!
もし、見にくいなどのことがあれば、教えていただければ幸いです!