FAIRY TAIL 内なる鼓動は誰の為に   作:タマン

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お久しぶりです。
すみません、今回はいつもより少し短いです。
明日中には、キャラ設定を投稿します。
すみません。


鉄の森編
9.目覚め


 

 

 

 

 

シャーッ

 

「⋯…ん」 

 

 

聞き慣れた音が、耳に残り、 瞼にじんわりと熱が伝わる。

その心地よくも煩わしい光で、意識が少しずつ浮かび上がっていく。

 

「ぁ-…‥、なんか、体だるい…」

 

体は、鉛のように重い。

試しにカーテンに手を伸ばそうとしてみると、私の腕は陸に上げられた魚の如くプルプル震えだし、数秒で息絶えてしまった。

白昼夢の中をふわふわ漂ってるみたいで、頭の中までもぼんやりしている。

……昨日は、ちょっと無理しすぎたかも。

 

 

ふはぁ…と溜息交じりの欠伸をこぼしながら、まばゆい光から逃れるように半回転。

視線が窓から部屋の入口の方に流れると――

そこには、端麗な佇まいのメイドさんがいた。

瞬きをしながら、ぼんやりと考える。

 

‥‥?なんで私の部屋に美人なメイドさんが?

 

「…ん」

 

なぜここにいるのか、いつから正座していたのかは、分からないけど…

そのまま放置するのはなんか可哀そうだし…私も疲れてるし…

それに、ちょっぴり人肌が恋しい。

 

「あ~、あの……もし良かったら、いっしょに眠りませんか?」

 

貝がゆっくり開くように、布団を上げて入り口を作る。

メイドさんの群青色の目がほんの少しだけ見開かれる。

数秒の静寂の後、手枷を外した彼女は、無表情のままベットに潜り込んできた。

 

 

 

私は、そのままメイドさんを抱き枕みたいに抱きしめる。

決して離さないように。大切に。

今はただ人肌が恋しくてたまらない。

 

「あたたかいですね…」

 

 

少女たちは、再び深い眠りへと落ちていく。

 

 

 

 

 

 

 

「二度寝したせいで、降りてくるのが遅くなったと‥‥」

 

紅茶を飲みながら、昨日買ったケーキを食べる目の前の女性、ルーシィは、

少し不機嫌そうにこちらを見つめていた。

 

つい目をそらして台所の方に目を向ければ、ラップに包まれた朝食があり、

一皿は、すでに洗面器のなかにあった。

ーたぶん、皆で食べる予定だったけど、私が起きなかったから…

 

「すみません、私が…えーっと、」

 

「私の名前は、バルゴです。ルーシィ様にお使いする精霊ですので、今後ともよろしくお願いします、セラ様」

 

「あっ!はい、よろしくお願いします、バルゴさん!私は、セラ・ホープライトと言います!すごくお綺麗ですね!」

 

「?」

 

可愛いらしく首をかしげるバルゴさん。

 

…なんだろう。今日の私なんか変な気がする。

どこか他人事みたいというか、頭が回っていないっていうか…

 

「ん…」

 

頭を抱えながら俯いていると、前方から視線を感じた。

視線を上げれば、そこにはルーシィさんが私をじーっと見つめていた。

私は、焦りながら、口早に言葉を紡いだ。

 

 

「あ、えっと!バルゴさんは悪くないんです! 私がどうしても我慢できなくなっちゃって」

 

「うん‥ん?」

 

「バルゴさんの体に触れたいっていうか、肌のぬくもりが欲しくてたまらなくなっちゃって。」

 

「ん?」

 

「気づいたら私から誘って、抱き合ってて‥」

 

「んっ!?ごほっごほっ!」

 

「本当に、寝ただけなのよね!?」

 

「はい?そうですよね、バルゴさん?」

 

「はい、セラ様の(布団の)中に入れさせていただいて、とても(温かくて)気持ち良かったです」

 

バルゴさんは、頬を赤くして、いいものでしたと余韻に浸っている。

 

「それって、もう完全にやってるでしょ!?あんた達、今日あったばっかりよね!?

てか、セラ。誘っておいて、ネコだったの!?」

 

「な、なに言ってるんですか、ルーシィさん!? そんないやらしいこと言わないでください!」

 

「いや、いやらしいことをしたのはそっちでしょ!」

 

「ち、違います!私、そんないやらしくないです!!」

 

ギャアギャア わあわあ。 静かなはずの朝のリビングに、騒音が響き渡る。

 

 

 

 

結局、誤解を解くのにたっぷり30分。

なぜか途中から、私が自分の好きなシチュエーションについて赤裸々に語っていたような気がするけれど、それは脳の疲れが見せた幻覚に違いない。きっと、いや絶対そう!‥‥お願いですから、そうであってください‥。

 

 

誤解が(一応)解けた後は、ルーシィさんの手作りサンドイッチを堪能し――めちゃくちゃ美味しかった――もろもろをカバンに詰め込んで、私たちはギルドへと向かった。

 

 

 

「ねえ、セラ。さっき、『今日は定例会でマスターがいないので、依頼はミラさんにですね』って言ってたけど…定例会って何のこと?」

 

並んで歩きながらルーシィさんが尋ねてくる。

 

「地方ごとにギルドマスターが集まって、評議会の決定事項や各ギルドでの報告書を共有する会議のことです。ここでの評議会は政府とも繋がりのある魔法界の最高機関で、秩序を守るために悪い魔導士を裁くこともできるんです」

 

「へぇー、秩序を守るため……。じゃあ、私達のギルドも結構目をつけられてるんじゃ……」

 

 

「目は、すごくつけられてますね。後、これは予感なんですけど、近々誰かが呼び出される気がしているんです。なんかこう、ビンビンと感じるというか」

 

 

「なんか、私もそんな気がしてる…」

 

ルーシィさんも思い当たる節があるのか、少し顔を引きつらせる。

そんな時だった。

 

「お前らも今からギルドか?」

 

「あれ?セラ、今日はいつもより遅いね」

 

桃髪の少年と青色の猫が声をかけてきた。

 

「思ってた本人が来たわね…」

 

「ん?なんだルーシィ?」

 

「いや、なんでも。それよりあんた達は、次の依頼どこに行くの?」

 

「?いや、今回はルーシィが選べよ」

 

「前はオイラたちが勝手に決めちゃったからね。今度はルーシィの番」

 

「何言ってるの、チームなんて解消に決まってるでしょ。

…そもそも、この前の依頼だって、金髪の女なら誰でもよかったんでしょ!」

 

「何怒ってんだ…その通りだ」

 

「ほら!」

 

「ちょ、ちょっとナツさん……! 言い方!」

 

私が慌ててナツさんの方へ視線を向けると、

彼は気にした様子もなく、ニカッと眩しいほど白い歯を見せて笑った。

 

「でもルーシィを選んだんだ。いい奴だから」

 

「「!」」

 

その言葉には、一点の曇りも裏表もなかった。

打算も、建前も、何一つない。 

ただ純粋な信頼だけ。

 

(……敵わないなぁ)

 

こういう計算も打算も介さない、裏表がないところがナツさんの凄いところで、私が心の底から尊敬している点でもある。

 

 

…私にはできない。理由や動機を求める私にはできない。この前もそうだったでしょ

 

 

 

私は少し歩くスピードを上げて、ギルドの重い扉を押し開けた。

「皆さん、こんにちは!」と挨拶すれば、ジョッキを掲げる音や笑い声に混じって、まばらに返事が返ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回も大変だった見てぇだな。もしアザとかできてんなら冷やすが、大丈夫か?」

 

声をかけてくれたのは、この前の雪山で助けてくれたグレイさんだった。

 

「今回は大丈夫です。いつも気遣ってくれてありがとうございます、グレイさん」

 

「ああ、気にすんな、俺にはセラみてぇに傷を直接治す芸当はできねぇが、痛みを抑えることくらいはできるからな。…で、そっちは、この前の雪山でいたルーシィだっけか」

 

「ええ、この前はありがと。あんたがいなかったら、雪崩に飲み込まれてたわ。…まあ、その後、雪山にぶっ刺さったんだけど」

 

「あれはさすがに死ぬかと思ったぜ。

…そういや、お前らシェアハウスしてるんだろ?こいつ、結構危なかっしいから、よく見といたほうがいいぜ。

 

「ちょっとグレイさん‥!」

 

そう言いながらグレイさんは、私の頭をわしゃわしゃと撫でる。

恥ずかしくて「やめてください」と言っても、彼は止めてはくれなかった。

 

…実際、私も口だけで

頭を撫でられることは、嫌ではない、嫌ではないのだけど…

 

「あの⋯グレイさん。すごく言いずらいんですけど、頭撫でながらズボン脱ぐのはやめてくれませんか?今、視界一面がパンツです…」

 

「うおっ、すまねぇ!また服が…!」

 

「きめぇ。ロリコンで、変態野郎とか気持ちわりぃ。」

 

「あん!?てめぇナツ、今なんつった?」

 

「うるせぇな露出狂!きめぇ顔でセラの頭撫でてんじゃねえよ」

 

「はあん!? なんだと、てめぇ! 好き勝手ぬかしてんじゃねぇぞ、火ダルマ野郎!」

 

「ああん、やんのかよ? 氷のパンツ一丁野郎!」

 

 

いつものように、至近距離で睨み合い、取っ組み合いを始める二人。

壊れるテーブルに、もっとやれと飛ばされるヤジ、そして脱ぎ捨てられる服———。

 

 

「……ふふっ」

 

目の前で繰り広げられる、あまりにも「いつも通り」で馬鹿げた光景に、

私の唇から自然と小さな笑みがこぼれた。

 

…さっきは、ちょっと私らしくなかったかも。

 

私は自分の両頬を軽く叩いて気持ちを切り替えた。

 

 

 

ちょうどその時、緑茶色のジャケットを着込んだロキさんが、軽やかな足取りでやってきた。

 

「やあ、大変だったみたいだね、セラちゃん。…ところで、そっちのキュートな彼女は噂の新人さんかい?」

 

「はい!ロキさん、紹介します!。こちらの方は、初依頼にもかかわらず、悪事を働いていたエバルーを討ち倒し、私のメンタルケアもしてくれた、凄腕のルーシィさんです!」

 

「ちょっと、持ち上げ過ぎだってば‥!」

 

「ああ、ハッピーからも聞いたよ。迫りくるメイド達を投げ倒して、エバルーを『デストロイ・マウンテン』っていう技で地に沈めたんだってね。その華奢な体でパワー系ってすごいね、君。」

 

「えっ!私、詳しくは知らなかったんですけど、そんなパワー溢れる奥義があったんですか!?…じゃあ、この前の雪山の時も私、いらないことしてたんじゃ…!あの、ルーシィさん。今度ぜひ、そのパワー系の技、私に教えてくれませんか!」

 

「いやいや!誰の話よそれ!?あと、パワー、パワー言わないで!」

 

期待に満ちた目でルーシィさんを見つめていると、

ルーシィさんは「あの猫…!」と言いながら、辺りをキョロキョロと見渡していた。

 

「セラ、落ち着いて。それ、全部ハッピーの嘘だから。

私はそんなプロレスラーみたい技もってないし、しないわよ。……私はただの、星霊魔導士だから」

 

 

「…え!?星霊魔導士だって?」

 

その言葉が耳に入った瞬間、それまで余裕の笑みを浮かべていたロキさんの顔から、サァ……と血の気が引いていった。

 

「うん、そうだけど?」

 

「すまない…!僕たちは、どうやらここまでみたいだ、別れよう!」

 

「‥‥まともに話してもないのに、振られたんだけど!?」

 

 

「ぷぷっ、ルーシィ振られちゃったね」

 

「あんたの…せいでしょうが!この青猫!」

 

ハッピーのホラ話だったと知って、私が少ししょぼくれていると、猛スピードで逃げていったはずのロキさんが血相を変えて戻ってきた。

 

「おい、ナツ、グレイ!喧嘩してる場合じゃないぞ、エルザが帰ってきた!!」

 

 

「「何ぃ!?」」

 

その一言で、ギルドの喧騒が一瞬で氷結した。

ドシン、ドシン……。  

地響きのような重い足音が、一歩ずつ、確実にこちらへ近づいてくる。

 

「え?何?皆して黙り込んで、エルザさんって何者なの?」

 

 

「エルザさんは、妖精の女王(ティターニア)と呼ばれるギルド最強の女性魔導士です!」

 

私は入り口を見つめたまま、誇らしげに胸を張って答えた。

 

「バラのように色づく緋色の髪をなびかせて、幾多の戦場を剣と共に舞う――このギルドに5名しかいないS級魔導士の一人なんです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今後も不定期の投稿となると思うで、タグに「不定期投稿」を付けておきます。
書きたい気持ちは十分あるので、今後とも読んでいただけますと幸いです。

改めまして、ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。

あと、キャラ崩壊しているなどがありましたら、教えていただけますと幸いです。
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