FAIRY TAIL 内なる鼓動は誰の為に   作:タマン

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お久しぶりです。約三か月ぶりの投稿になります。

うまく文章を書けないでいたことと忙しかったため、投稿するのが遅くなってしまいました。申し訳ありません。



相変わらずの駄文です。
これからも不定期的な投稿となると思いますが、読んでいただけると幸いです。








エバルー屋敷編
4.DAY BREAK


<セラ&ルーシィハウス>

 

 

(これとこれと···あと、これも!)

 

一階の二畳余りの納戸にて、セラは鼻歌交じりに棚を漁っていた。

今でこそ楽しそうな顔を浮かべるセラだが、先程までは、依頼書に書かれていたある言葉にトラウマが蘇り、依頼に行きたくない!とルーシィ達に駄々をこねにこねていた。それも、台所の清掃を済ませると熱も冷め、冷静になり今に至る。

 

 

 

「セラ―、まだかー?」

 

 

 

「すぐ行きまーす!」

 

 

セラは、ナツに返事をしながら床にある荷物をカバンに急いで積めていくが、最後に残ったぶつを見て手が止まってしまう。

 

 

「うっ‥‥‥‥‥」

 

(‥‥恥ずかしいけど、これがないと私、なにもできないし···)

 

「‥‥よし!」

 

 

少女は、少しの葛藤の後、未来の私に任せた!と最後の荷物をバックに押し込み、玄関に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

〈シロツメ町行きの馬車内〉

 

 

 

パタン

 

「んんっ···」

 

 

本を閉じて、背伸びをするルーシィ。

手持ち無沙汰になったため、ポケットに入った依頼書を取り出し、依頼内容を確認する。

 

 

「んっ‥!!」

 

 

「····改めて思ったけど、本を取ってこればいいだけなんて、簡単なお仕事よねー」

 

 

ルーシィは、余裕ねーと依頼書をピラピラさせる。

 

 

「あれ?嫌がってたわりには、けっこう乗り気?」

 

 

「トーゼン。なんたって、あたしの初仕事だからね!」

 

 

腕をビシッと立てながら、意気込むルーシィは、セラに目を向けると

 

 

「んっ··んっ!!」

 

 

「··············?セラ、それ何してるの?」

 

 

ルーシィは、吐息をあげるセラを見た後、セラの手元にある水晶玉に目を移す。

水晶玉のなかでは、エメラルドグリーンに光る物体が蠢いていた。

 

 

「んんっ···ふぅ。·····ちょうど、2時間!」

 

 

セラが深く息を吸うのと同時に、水晶玉の光も薄れていく。

それを見届けたセラは、顔を上げ、ルーシィに目を向ける。

 

 

「これは、具用魔水晶(ラクリマ)の不良品です!··本来なら、中にある魔力を自由に動かして遊ぶ玩具なんですけど、私が買ったのは、自分の魔力を流して維持しないといけないんです···。」

 

 

「へぇー···、えっ!?それを2時間もやってたの!?」

 

 

「はい!いろんな形に変えれるので、全然飽きませんよ!今、簡単にやって見せると··‥」

 

そういう意味じゃなくて・・・と言いたげなルーシィをよそに、セラは、魔水晶(ラクリマ)に魔力を与えると、中でエメラルドグリーンに光るつぶつぶができ、集合しながら一つの形を成す。それは、ルーシィにとって見覚えのある形だった。

 

 

「‥‥あっ!これ、プルーじゃない!?完成度高いわね!」

 

 

セラは、良いリアクションをするルーシィを見て嬉しくなったのか、意識を魔水晶(ラクリマ)に向けると

 

 

「えっ!?踊ってる!?」

 

 

魔水晶(ラクリマ)のなかでは、プルーがプルプル震えながら踊り始めた。

 

 

「ねぇねぇ、セラ。次はお魚さんやってー」

 

 

「いいですよ!···はい!」

 

 

「わあー、お魚さんだー!美味しそう···」

 

カプッ

 

 

本当に泳いでるかのような魔力でできた魚を見て、よだれを出しながら、魔水晶(ラクリマ)にかぶり付くハッピー。

 

 

「ホントに生きてるみたい····。

すごいわね。セラ!」

 

 

「ありがとうございます!でも、ナツさんは、魔水晶(ラクリマ)を使わないでもできるんですよ!」

 

 

そうですよね!とナツに目配せするセラ。その当人はかというと

 

 

「お、おう···」

 

 

ナツは、前回の馬車と同じく、顔を真っ青にして横になっていた。顔を膨らませており、いつ出てもおかしくない状態だった。 

 

 

「もう、それ何かの呪いなんじゃないかしら···」

 

 

ルーシィは、前回と同様にナツを哀れんだ目で見つめる。

一方セラは、ナツを見ながら何か考え事をし始め、

 

 

(··んー、私の治癒で酔い止めもできてたら良かったけど…ん?待って、酔い止めはできないけど、ナツさんなら‥)

 

 

「ナツさん、ちょっと試しに治癒かけてみますね。」

 

治癒(ヒール)

 

セラがそう唱えるとナツの体全体が薄いエメラルドグリーンの光で包まれる。

 

 

「···んん?おっ!お、おおー!!うめぇー元気でてきたぁ!!」

 

 

「うわ、ビックリした!えっ!?セラの治癒って、酔いも直すの!?」

 

 

「酔いは直せないですけど、酔いのだるさに負けないぐらいに元気になったんだと思います。私の治癒、なぜか、ナツさんには良く効くみたいで、全体的に力を引き出すことができるんです。あと‥おいしいらしいです。」

 

 

「うおお!馬車で酔ってねえ!!」

 

 

ナツは、乗り物で、初めて酔わずにいられていることに嬉しくなって肩をぶん回していた。

 

 

「ナツだけ····わっ!?危ないわよ!ナツ!」

 

 

「うおおー!!全然酔わねぇー!」

 

 

嬉しさのあまり、立ってシャドウボクシングを始めるナツ。

 

 

「ちょっと元気になりすぎじゃない!?」

 

 

「···あれ?ちょっと、多かったかもです‥。…ナツさん、ちょっと落ち着いてください」

 

 

セラは思ったより効果がでたことに少し驚きつつ、水晶を横に置いて、興奮したナツを抑えるべくズボンを捕まえようとすると、

 

 

ガタン

 

 

「「えっ?」」

 

 

馬車のタイヤが大きな石を踏んだのか、ひときわ大きな揺れによって、二人の体が傾く。一方、水晶は、これからのことを察したかのように床にコロコロと転がる。

 

 

「おっとっと…、わあっ?!」

 

 

バランスを崩したセラは、ナツのズボンを掴んだまま、背中から地面に向かって落ちていく。

一方、水晶玉は、ワイがセラの頭を守るんや!と言わんばかりにポジションにつくと

 

 

ゴン!

 

「いっった!?」

 

 

水晶玉の上にセラの頭が乗る。

これで、地面に着かないぜ!と言うように輝く、水晶。

だがしかし、

 

 

「「がっ!!」」

 

パリ―ン

 

 

ナツという更なる衝撃で、水晶玉は命をおとす。

 

 

「「‥‥」」

 

 

沈黙する二人

 

 

「「」」

 

 

唖然とする二人。

馬車の外では、そんな彼らを笑うように鳥が鳴いていた。

 

 

 

 

 

 

リアル〇イジ! 恐怖の電流鉄骨渡り!

 

  -¥100000J LOST

                       

 

玩具用魔水晶

      

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       計-¥130000J

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと着いた!」

 

 

「あい!」

 

 

「今日だけで、二つもご臨終しちゃった‥‥」

 

 

「その、··わりい‥‥」

 

 

「いえ‥。私が持ってこなければ、こんなことになってなかったですから···」

 

 

気持ち良さそうに背筋を伸ばす二人と背中を丸めて沈む二人。そんな中、

 

 

くぅぅーーん

 

 

まるで小動物が餌を求めるような音が鳴り響く。

 

 

「ルーシィ‥‥」

 

 

「私じゃないわよ!?」

 

 

「え、じゃ‥」

 

 

一体、誰だ?と後ろを向くと、

そこには、赤面しながら泣きべそをかくセラが立っていた。

 

 

「ううっ····」

 

 

それなりに思い入れのあったものが二個も壊れ、さらにはこんな恥ずかしいところを見られては、12歳の少女には耐えられなかった!

 

 

「め、飯おごってやるよ!」

 

 

「私もそんなに食べれないし、ほとんどあげるわ!」

 

 

「ルーシィ、オイラにもちょうだいー」

 

 

「なんでよ!?」

 

仲間の優しさ(一匹は除く)を身に浴びたセラは、このためのチームだったんだとしみじみしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご飯を食べた後は、ルーシィの提案によって、セラとルーシィ、ナツとハッピーに分かれて、別行動をとることになった。

 

 

「あっ、あそこのアイス屋さんの魔法アイスは、自分の魔法で味が変わるんですよ!

すごいですよね!あっ!向こうにあるのは、·····」

 

 

先程まで泣きべそをかいていた少女は、楽しそうにこの街の紹介をしていた。よほど、食事でご満悦だったに違いない。

 

 

「へぇー、仕事終わりに行くのもありね。‥それにしても、詳しいのね。ここ、何度か来たことあるの?」

 

 

「はい!喫茶店での依頼で、何度か。…その喫茶店では、接客を主にしているんですけど、雰囲気が良くて、一緒に働く人達もいい人ばかりで、すごく楽しいです!‥‥いろんなこともありましたけど··」

 

目を輝かせながら楽しそうに話していたセラだったが、急に何かを思い出したように顔を暗くする。

 

 

「?あっ、その顔で思いだしたんだけど、私が連れていこうとした時、なんで、行きたくないーって言ってたの?」

 

 

「えっ!?えっと‥‥実は··」

 

 

少しの躊躇いの後、目を泳がせながら話し出すセラ。それを固唾を飲んで聞くルーシィ。

 

 

話によると、ちょうど1ヶ月前に、いつものように喫茶店に行き接客をしていた所、急に後ろからケツを触られ驚き後ろを向くと、そこには依頼の本がある屋敷の主、エバルー伯爵がきっっしょい面で見てきたのだが、セラの顔を見たとたん、舌打ちをし、悪口、所謂言葉責めによって、ノックアウト!セラは、今までにない経験に、パニックとショックと恥ずかしさで、無事にトラウマ入りしたのである。

 

※ちなみにその後、放心状態だったセラは、

喫茶店の先輩によって何度も口にパンケーキを詰められ、無事一命を取り留めました。

 

 

 

 

「大丈夫なの?今回の依頼‥」

 

 

「大丈夫です!実は今回、秘策を持ってきたんです!これさえあれば、乗り切れるはずです!」

 

鞄をパンパンとたたきながら、自信ありげに胸を張るセラ。

 

 

「‥分かったわ。でも、無茶したら、ダメだからね」

 

 

指をピッと突き出すルーシィ。

それに対し、セラは、了解です!と元気よく返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、目的の物を手に入れ、身に纏ったルーシィとセラは、依頼主の家に向かって歩いていた。

その道中、

 

 

「ここの道を左に曲がったところにあるのが、···先程話した喫茶店、キャットラブです!」

 

 

ジャジャーンと自慢気に紹介するセラ。

ルーシィは、一体どんな店なのかと視線を向けると

そこには、壁一面にピンクのハートがたくさん貼られており、店の前にかけられた看板には、猫耳を着けたハイレグ女性の写真とキャッッットゥーな一日をあなたに‥といった文章が書かれていた。

 

 

「へ、へぇーーー、せ、セラもキャッッットゥーしてるのねー」

 

 

顔を赤くして、目を泳がせるルーシィ。

 

 

「あ、あれ?‥わ、私、知りません!こんな、キャッッットゥーな店知りません!」

 

 

「で、でも、キャットラブって書いてあるけど···」

 

 

「う……うそです、こんなの!」

 

 

「ちょっと待って!?セラ!」

 

 

セラは、あまりにも衝撃的な店の様子を見て、現実を受け止めることができず走り出してしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<依頼主の屋敷前>

 

 

「··ごめん、待たせたわね‥」

 

 

「すいません、私が、取り乱したばかりに··」

 

 

「あ、やって来‥‥た?」

 

 

「遅えぞ、お前ら、なにし‥‥」

 

 

そう言いながら、ナツ達が振り向くと

そこには、髪をツインテールにし、メイド服を身にまとったルーシィと全身茶色のローブを身にまとった金髪のセラがいた。

 

 

「「…」」

 

 

ナツ達は、唖然としすぎで開いた口が塞がらない。それを見たルーシィは見惚れていると勘違いしたらしく、うッふーんとセクシィーなポーズをしていた。

 

 

「ど、どうしよ~、冗談で言ったメイド作戦、本気にしてるよ~!」

 

 

「今更冗談とは言えないし、こ、これで行くか!」

 

 

「聞こえとるわ!!」

 

 

たまらず、鞭で突っ込みを入れるルーシィ。

 

 

「イテテ、ところでよ、セラはなんでローブなんだ?」

 

 

「私のことは、気にしないでください!!」

 

 

Don't touch meと臨戦態勢をとるセラ。

それと同時に、中から「入ってください」と声がかかる。

 

 

中に入った一同は、依頼主のカービィ・メロンとその奥さん会い、そのまま客室に通された。

 

 

 

 

「どうぞ、お座りください。」

 

 

 

「おー!!ふかふかだぞ、このソファー!!」

 

「ふかふかだー!」

 

「あんたら、落ち着きなさいよ‥」

 

「失礼します」

 

 

ソファーに座る一同。ナツとハッピーは、あまりのふかふかさに背もたれに思いっきり背中を預けていた。

 

 

 

「まさか、うわさに名高い妖精の尻尾の魔導士さんがこの仕事を引き受けてくれるなんて···」

 

 

「そっか?こんなうめぇー依頼、良く残ってたなあって思うけどな」

 

 

仕事内容と報酬が釣り合ってないから警戒して誰も引き受けなかったのだろうと察するルーシィ。

 

 

「…しかも、お若いのにさぞ、有名な魔道士さんなんでしょうな」

 

 

「ナツは、火竜(サラマンダー)って呼ばれてるんだ」

 

 

「おお!!その(あざな)なら耳にしたことが」

 

カービィはナツの(あざな)に驚きつつも、ではこちらも‥とルーシィとセラを見るが、服装を見て

困惑したように固まってしまう。

 

 

「・・・・・・そちらのお二人方は、従者か何かでしょうか?」

 

 

「あたしも妖精の尻尾の魔導士です!」

 

 

「私なんて、まだまだ無名ですもんね…」

 

 

 

「あっ、セラは幼天使(リトルエンジェル)って呼ばれてるんだ」

 

 

「そうなの!?」

 

本人が一番驚いていた。

 

「セラ‥‥ああ!すいません、金髪になっていたもので気づきませんでした。その名と顔は、もちろん存じておりますよ。」

 

「!本当ですか!?あと、ちなみにこれはカツラです。」

  

 

「ええ。以前、魔物の群れが町に迫っていた際に、率先して討伐してくださりありがとうございます。私どもの家もちか「ゴホン、そろそろ」···」

 

 

「··すみません、話が脱線してしまいましたね」

 

 

「……いえいえ!」

 

(ちか‥近い?あれ?‥確か、私が魔物を倒してたのは、ここと真逆の方だった気が····引っ越してきたのかな?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ンンッ!それでは、仕事の話をしましょう」

 

 

カービィは、穏やかな表情を崩さず話し出す。

 

 

「私の依頼したい事は、ただ一つ。

エバルー公爵の持つ、この世で一冊しかない本、『日の出(デイ・ブレイク)』の破棄または焼失です」

 

 

「焼失‥、ならナツさんの得意分野じゃないですか!」

 

「おう!屋敷ごと燃やしちまえば、探す手間が省けるな!」

 

「あい!」

 

 

名案だ!と膝を叩くナツと賛成ー!と手を上げるハッピー。

 

 

 

「そんなのダメに決まってるでしょ!?確実に牢獄行きよ!」

 

 

すかさず、ツッコミを入れるルーシィ。

一方、セラは、彼女が常識人かつツッコミ担当になってくれていることにただひたすらに感謝と手を合わせていた。

 

 

「···最後になりますが、依頼成功した暁には、200万Jお払いします」

 

 

「「「「!?」」」」

 

「にっ!?」

「ひゃ!!」

「くぅ!!?」

「ジュウェールゥ!?」

 

 

「「「「…」」」」

 

 

「200Jだったら、お魚さん一匹しか買えないよ・・・」

 

「てっきり、『に!?』『ひゃく!!』『まん!!?』『ジューウェェルゥ!?』だと思ってました···」

 

 

「···よし、もう一回やるか!」

 

「もう一回やるの···?」

 

 

 

 

 

 

「「「「!?」」」」

 

「にっ!?」

 

「ひゃ!!」

 

「くぅ!!?」

 

「まん!?」

 

 

「‥‥‥お、おやおや‥値が上がったのを知らずにおいででしたか···」

 

「200万!?ちょっと待て!3等分すると··‥うおおお、計算できん!!」

 

「か、簡単だよ!オイラが100万、ナツが100万、残りがセラです」

 

「頭いいなぁ!ハッピー!」

 

「私、0なんですか!?」

 

「最初の計算にも入ってないんだけど!?私!」

 

 

本来の報酬金20万Jから200万Jになったことに対し、騒ぎ出す一同。

 

 

「‥なぜ、急に報酬金を増やしたのですか?」

 

急に真面目な顔になるセラ。

 

「冷静になるのが、早い!!」

 

 

 

「それだけ、どうしてもあの本を破棄したいのです。‥私はあの本の存在が許せない…」

 

 

今まで穏やかだったカービィの顔が若干曇る。それに気づいたルーシィとセラは、引っかかりを感じていると

 

 

「‥おおおおっ!!行くぞ、お前ら!!燃えてきたぁ!!」

 

「ちょ、ちょっと!!」

 

「ま、待ってください!」

 

「あい!?」

 

 

顔を燃やしたナツが、ルーシィの手を握ると、ルーシィもセラの手を握り、セラもハッピーの手を握って、仲良く連結した状態で部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

一方、そんな彼らを険しい顔で見送るカービィとその妻。

 

 

「···あなた、本当にあんな子供たちに任せて大丈夫なんですか?」

 

「…」

 

妻の問いに対し、カービィは答えず、開いたままのドアを見つめる。

 

「···先週の件で、警備が強化されています。そのため、今では屋敷に入るのにも難しくなっているんですよ」

 

「分かっている‥分かっているが…

あの本だけは・・・、この世から消し去らねばならないのだ・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「200万、200万、本を燃やして200万!」」

 

 

「元気ね、アンタ達…」

 

 

エバルー公爵邸に向かう一同。ナツとハッピーは、報酬が吊り上がったことにより、テンションが上がり、歌を歌いだす始末。

そんな二人を見て飽きれるルーシィ。

 

 

「‥‥」

 

 

一方、フードを深くかぶり黙り込むセラはかというと

 

 

(あ、あれ?い、今になってすごく恥ずかしくなってきた···!この中を見せないといけないし、も、もし、うまくいかなくて、また悪口なんて言われたら‥!)

 

 

町で自分を鼓舞していたセラはどこへやら、今は足を震わせながらチビチビ歩くセラ。

 

 

「大丈夫、セラ?」

 

 

そんな様子のセラに、心配になり声をかけるルーシィ。

 

 

「えっ!?はーいい!だいじょーbです!」

 

 

指でbの形をしながら、声を上ずらせるセラ。

めちゃくちゃ緊張してるじゃない…と呟くルーシィは、少し前かがみ、セラと目を合わせる。

 

 

「だいじょうぶ!私たちは、チームなんだから、一人が無茶する必要はないのよ。無理ならできる人にやってもらって、自分はできることをすればいいの!セラの治癒魔法なんて正にそうでしょ?皆が適材適所で動けば、今回の依頼も余裕よ!なんなら、

依頼ついでにエバルー伯爵の靴を隠してやるわ!」

 

エバルー伯爵の相手は私に任せてと元気よく意気込むルーシィ。

そんな彼女を見たセラは、一緒に住む人がこの人で良かったと嬉しそうに笑みを浮かべる。

 

 

「···はい!ありがとうございます、ルーシィさん!」

 

 

ルーシィのおかげで、少し落ち着いたセラは自分の顔をパンと叩いて気合を入れなおす。

 

 

 

 

いつもの表情に戻ったセラは、いざゆかんと歩こうとした時、周囲を見てある違和感を感じ取る。

 

 

 

 

 

「······あれ?こんなに木々が生えてましたか?」

 

 

「あっ、ほんとだ。さっきまで、ぽつぽつあるくらいだったのに‥‥」

 

 

「「…」」

 

 

木々が風によって揺れる。まるで、囁くような木々の擦れる音と共に異様な緊張感が漂っていた。

 

 

 

「!」

 

ヒュン!

 

 

セラは、木々から飛んできた刃物を避ける。

 

 

(どこから!?··!上!)

 

「ルーシィさん危ない!」

 

 

ギンッ!

 

 

「!わーお、その腕すっごーい!」

 

上からルーシィを狙ってきた人物の攻撃をセラが片腕で防ぐ。

 

 

(ローブ越しじゃ顔が見えないけど、この声!)

 

 

「なんだ、てめえ!」

 

 

ナツの炎を纏った腕は、その人物を通り抜けると、その人物は霧散するように消え、刃物だけが地面に落ちる。

 

 

 

「おっとと、危ない、危ない」

 

 

気が付くと謎の人物は、いつの間にか私達と離れた場所に立っていた。

 

 

「さっきの会話から察するに、この前来た、泥棒のお仲間さん?」

 

 

ローブ越しに謎の人物を見たセラは、確信した。彼女は、キャッツラブで働いていた先輩であり、私にパンケーキをパンパンにぶち込んだ人物。

 

 

「‥‥ルナ先輩‥!」

 

 

 





読んでいただきありがとうございます。

次回は、オリジナルキャラを交えたセラの戦闘シーンぱーと2になると思うで、楽しみしていただけると嬉しいです。
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