FAIRY TAIL 内なる鼓動は誰の為に   作:タマン

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遅れてしまい、大変申し訳ございません。
感想の返信にて、11月中に書き上げると書いていたのですが、
間に合わず、申し訳ありませんでした。
毎回言っており、薄っぺらく感じると思いますが、私が悪いので何度でも謝罪します。


今回も悩みに悩んで投稿したものなので、読みずらいところや誤字があれば、教えていただけると幸いです。





5.私にできること

「…ルナ先輩‥!」

 

 

セラ達目の前には、純白の髪にメイド服を身に纏った少女が笑顔で立っており、少女の手にはナイフが握りしめられていた。

ナイフを握りしめ、笑みを浮かべるこの少女は、セラが何度かお手伝いに行ったキャッツラブの店員であり、また、半強制的にセラに先輩呼びを確立させた人物でもある。

 

セラは、まさかの先輩登場で困惑していたが、すぐに彼女にどうしても聞きたいことがあったと思い出し、食い気味に前に出ると

 

「ルナ先輩!何でここにいるんですか!?キャッツラブが、えっ‥な店になったのと関係しているんですか!?」

 

 

 

「わ!?…急にびっくりした‥

えっと、とりあえず分かんないことが多すぎるから、まず1ついい?

…あなた、誰?」

 

 

「あっ!‥‥セラ・ホープライトです!」

 

セラは、とんがり帽子で顔が見えていなかったと気づき、帽子と金髪のカツラを外すとルナに笑みを浮かべながら、自身の名を述べる。

一方、ルナは眉間に皺を寄せて、セラを数秒見つめると

 

「知らない子ですね・・・」

 

 

「えっ?」

 

 

「あと、さっき言ってたキャッツラブって何?猫を愛でるお店ってこと?」

 

 

 

 

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

 

「‥‥‥この子、えっえっ、しか言わないけど、大丈夫?新手のしゃっくり?私が、摩ってあげようか?」

 

 

 

思ってもいない返答の連続で、口が「えっ」しか言えなくなったセラは、

頬をムニムニして、何とかルナに聞き返そうとしたその時、

 

 

 

 

「‥‥あ!!」

 

 

 

ルナは、突然何かに気づいたかのように声を上げる。

 

セラは口を開けながら、その声にある種の期待を込めてルナに目を向けるが、

 

 

 

「何か私を知ってる風だったけど、ごめんね。今ちょうど、準備できたみたい!だから…!」

 

 

 

戦おう!と、ルナの右手から黒い物体が生じる。

 

 

 

「さっきまでは、様子見だったけど…

 

 

相手が妖精の尻尾なら出し惜しみなしよね!!」

 

 

 

楽しもー!と言わんばかりの緊張感のないルナの声とは裏腹に、

ルナの手元では黒い物体が槍状に変形する。

 

彼女はその矛先を、未だ硬直するセラに向けると、容赦なく振りかぶる。

当然、混乱状態のセラではその槍に反応できるもなく

 

 

「え・・?」

 

 

「おい!あぶねぇぞ!!」

 

 

 

間一髪で、セラの体をナツが掴み、横にぐわんと引っ張ると、槍がセラの顔ギリギリを横切った。

 

 

 

「おい、しっかりしろ、セラ!」 

 

 

 

ルナが笑っていながらも本気にヤリにきていたことに、更なるショックを受けたセラは周囲の異変に気づかない。

代わりに気づいたナツが、立ち上がり上を向くと、空間中に亀裂のようなものができていた。

 

 

 

「!上だ!」

 

 

 

ナツの声と共に、ルーシィとハッピーも状況を理解すると、未だ放心セラの手を掴み、右に向かって走る。

 

 

 

一方、ナツはその場にとどまると、空に向かって大きく息を吸い込む。

 

 

 

「ふぅぅっ…火竜の…」 「にがすわけねぇだろ」

 

 

 

ルーシィ達の耳には、ナツの声にかぶせるように重く低い声が響く。

 

 

 

次の瞬間、ルーシィ達は謎の衝撃と共に、ナツの元へと放り投げられた。

 

 

 

「「「ぐっ!!」」」

 

 

 

「咆哮!!」 「穿て」

 

 

 

ナツの声と共に、彼の口からは、うねる様な紅蓮に輝く炎が。

 

一方、重く低い声と共に、裂け目からは、白妙に輝く光が放たれる。

 

互いが衝突するとせめぎ合いながら、数秒ののち、白と赤が煌めく美しい爆炎となった。

 

 

 

その花火であるような爆炎を見上げるルーシィは、ナツが防ぎ切ったんだと安堵するが

その直後、爆炎から飛び出した四つの白い光が、ナツ達に向かって急降下する。

 

急降下した光は、何とか炎の拳で抵抗しようとするナツの拳を通り抜け、ナツ含む4名の体を貫いた。

 

 

 

 

「「「「くっっっ!!??」」」」

 

 

 

四名は、まるでイナズマを受けたように体を痙攣させながら、誰一人動けなくなる。

 

 

 

「よし、これなら簡単に回収できる。」

 

 

白の輝きを放った人物が、倒れているルーシィに近づく‥、その時

 

 

 

「っ‥!」

 

 

 

驚きの声を上げたのは、ルーシィに触れようとする人物ではなく茶色のローブを身に纏った少女

 

 

「不意打ちで、手加減するやつがいるか?なあ、セラ!」

 

「店長・・・!」

 

更なる驚きでセラの拳には力が入らず、掴まれた拳を離すことができないでいると、目の前の人物、彼女曰く店長なる人物は、セラの体を自身に引き寄せ、セラの額に振りかぶった自身の額を力強くぶつけた。

 

 

 

「ぐっ!」

 

 

 

セラは、額へのダメージでふら付きながらも、何とか相手の顎を目掛けて足を蹴り上げるが、その足は空を切る。

 

空を切ったその足は、店長によって掴まれると、ハンマー投げのように投げ飛ばされ、セラの体は木々を砕いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、取り敢えず二つゲットできたな。ルナ、そっちは…」

 

 

 

店長なる人物は、ルーシィ達の元から立ち上がり後ろを向くと、そこには炎を纏った拳が。

 

 

「ルーシィ達に何してんだァ!!」

 

 

「っ!」

 

 

 

その拳が店長の頬に直撃すると、彼女の体は数メートル後退することになるが、倒れることはなかった。

 

 

 

「オマエもよく動くもんだ。

 

…だが、最初の一撃を喰らった時点でお前の負けだ」

 

 

 

店長が笑みを浮かべながらナツに視線を向けると、ナツの体は再び痙攣し始めた。

 

 

 

「くぅっ!?また‥か!」

 

 

 

店長は、ナツが未だ硬直する間に距離を詰め、手のひらをナツの体に押し当てると、ナツの体からは、ひときわ大きな炎が噴き出す。その炎に動ずることなく、その炎の中に腕を数秒間浸からせた後、炎は消え、ナツは気を失ったように倒れこんだ。

 

 

 

「くっっそあついな!分かってはいたが、少しでもズレてたら焼け死んでたな!」

 

 

店長は、死の予感をすぐそこに感じながらも、死んでなくてラッキーと自分の幸運を笑い飛ばす。

そんな高らかな笑いが響く中、木々の方から勢いよく飛びだした人物が一人。

 

 

 

「ナツさん達に何を…‥」

 

 

 

セラは、距離を詰め、店長を木々に吹っ飛ばす程の力で殴りかかろうとしていた、いたのだが…

距離を詰める中、セラは突如、拳を地面に叩きつける。

 

 

 

「え?」

 

 

 

彼女の目の行き先は、一点に留まり、離れることはできない。

その行き先、店長の腕の部分へと、離れようとも目が吸い寄せられる。

 

 

 

「うっ…!」

 

口を押え、えずくセラ。

彼女の目の前に映ったのは、黒く焼き切れたような腕。

そして、手首の先、ドロドロと形を崩して零れ落ち続けている店長の手が。

それを見た瞬間、体液がこみ上げる感覚と共に、酷い頭痛に襲われる。

その不安定な状態に、耐えきれないと彼女は目を瞑るが。

 

 

 

「ううっっぐぅ!!」

 

 

 

(なんで、なんで見えるの、、?)

 

 

 

確かに目を瞑っているはずなのに、目を手で強く抑え込んでいるはずなのに、

 

暗く閉じた視界には、先ほどの光景が映し出される。

 

それだけではない、記憶にないはずの血に濡れた大地、千切れた足、真珠のように輝く眼球、鼓動し続ける心臓が、代わりばんこに映し出させる。

 

その永遠に感じるような地獄の最中、

 

彼女の近くで、まるで目の前から発しているような、か細く、弱々しい声を聞いた。

 

 

『■、■■■■■■■■■■■■■■■』

 

 

 

 

 

その言葉を聞くと共に、だんだんと何度も見せられた光景は薄れていく。

 

完全に消え去ったと同時に目を開けると、目の前には生い茂る草木が。

 

 

 

(あれ‥?なんで私倒れて…)

 

 

 

自身が倒れていることに気づき、店長はどこ?と、うまく動かない体を何とか動かすと、数メートル先に店長が立っていた。

 

 

 

「なぜだ。‥‥なぜ俺は、こんなにイラついている?」

 

 

 

彼女の発する言葉は、自身への怒りに満ちたものであったが、その理由まではわからない。

 

その理由よりも気にするべきところがあると、セラの視線は店長の腕へと移動する。

 

彼女の目が映したもの、店長の腕部分にあったのは、丈夫に締まった筋肉質な腕であり、先ほどの焼き切れ、こぼれ落ちる腕など、どこにもなかったのだ。

 

 

 

 

「‥‥おい、ルナ」

 

 

 

「もー‥動けるなんて聞いてないんだけど。そのせいで逃げ切れなかったし、めっちゃ熱かったよ!」

 

 

 

「おい、ルナ!さっさとやれ」

 

 

 

「?あー、分かった!今やる」

 

 

 

セラが、店長に目を向けていると、店長の目の前にルナが突如現れ、店長から何かを受け取っていた。

 

 

 

「ふぅ・・・・」

 

『儚幻の魂に輪郭を‥』

 

 

 

ルナがそう言うと、店長たちの目の前にルナと同じ姿、形をした少女が三人現れる。

セラは、その三人に目を向けると何かを感じ取ったのか、それとも今するべきことを思い出したのか、重い体に鞭を打って立ち上がる。

 

 

 

 

 

「っ!!」

 

 

 

「…後は頼んだ」

 

 

 

「!了解!」

 

 

 

 

 

セラは足を接収(テイクオーバー)させ、店長に一直線に進むが、黒色に輝く槍を持ったルナが立ちふさがる。

 

 

 

「行かせない!」

 

 

 

一閃の槍が迫る中、セラは避ける訳でもなく、更にスピードを上げ、接収した腕を槍にぶつける。

 

 

 

バリバリッ!

 

 

 

「いや、嘘で!?」

 

 

 

その拳は、槍の先端から全てを砕き、ルナの目の前に迫ると、そのままルナの体を突き抜ける。

 

 

霧散したルナの体を突き抜け走る最中、左右の上部から迫る槍と人影を目が捉える。

 

セラは、なんとか当たる直前に、体を右に捻り左側の槍を避けると、そのまま右側の槍を接収した腕で打ち砕く。

 

更には、その捻りの勢いを殺さずに体ごと回転させると、今度は接収した足で、左側の槍を踏み砕く。

 

体を一回転させ着地したセラが正面に目を向けると、そこにはルナと同じ容姿をした少女三名を担ぎ、空間にできた亀裂に入る店長の姿が

 

 

 

「待って!」

 

 

 

「…あと少しが足りなかったな、セラ」

 

 

 

自分ごと亀裂に入る勢いで距離を詰めるセラだったが、亀裂はギリギリで閉じ、勢い余ったまま地面を転がる。

 

 

 

「私がもっと早く動き出せたら…!」

 

 

 

 

 

少女は、自身の判断の遅さを悔いながら、倒れているナツ達の元に向かおうとすると、そこには黒に輝く剣を振りかぶろうとする彼女の姿が。

 

 

 

「!!」

 

 

 

バリンッ!

 

 

 

「おー!よく間に合ったね。足も腕もは持っていくつもりだったんだけど‥‥ 

 

今回はそうはいかないかー、さすが、妖精の尻尾!」

 

 

 

見慣れた笑みをしているはずなのに、得体の知れない恐怖感を感じる。

その恐怖から、今すぐにナツ達を彼女の届かない場所にと、ナツ達を両手で持ち上げ逃げようとするが、突然ナツ達の体から白いイナズマが

 

 

 

ビリッ!

 

「っ!?」

 

 

 

先程味わった、体の硬直。彼女の足は、二、三歩、歩を進めるが、うまく動かずに転びそうになる。

 

 

そんな状態のセラの隙を逃すことなく、ルナが距離を詰める。

 

セラは、ナツさん達だけでもと、ルナが来る方向とは逆方向の地面にナツ達を放り投げるが、

 

ルナに背を向けることになったセラは、避けることなどできるはずもなく、その無防備な腹に槍が貫通する。

 

 

 

 

 

「ぐぅああっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・体も頭も痛いでしょ?

 

…実は私が生み出すこの黒いのはね。無色な魂にできるシミ、誰もが持つ邪心、苦しみ、怒りをかき集めてできたものなの。

だから、これに傷をつけられた者は、無数の魂のシミを体内に流されて、そのシミによる鼓動(こえ)によって苦しめられるってわけ。」

 

 

 

ルナは勝ちを確信したのか、ナツ達を襲わずに腹を抑え苦痛な顔を浮かべ倒れるセラの前に立ち、自分の持つ能力を自慢げに説明する。

一方セラは、涙をぼろぼろと流しながら歯を食いしばり、ナツ達のところに進む。

 

 

 

 

 

「…言っておくけど、もう一度、担いで逃げれると思わないでね。

店長のイナズマを喰らった者は、一定時間、魔力と人に反応して、さっきみたいなイナズマが発動する帯電状態になるの。今回は、店長が結構時間かけた魔法だから、残留時間も結構長いかもね。」

 

 

 

「…」

 

 

 

「…もし、君がその人達を守りながら戦おうと考えてるなら、

槍による痛みと共に、いろんな人の醜い部分を感じ取ることになるけど、耐えられるの?

 

腕がなくなったのを見たぐらいで、壊れそうになってた君が」

 

 

 

 

 

「…」

 

 

 

ルナの言葉を聞いた上で彼女は進み続け、ナツ達の傍まで移動すると、手をナツ達に向け、緑色の光を生み出すが、その光を拒むようにイナズマがほとばしる。

それを見届けた彼女は、彼らを守るように立ちあがり、涙を拭きながら目を正面に立つルナに向ける。

 

涙を拭いルナを見つめるその瞳には、確かな決意が宿っていた。

 

 

 

‥‥正直、色々あって頭の中ぐちゃぐちゃで、今もズキズキ痛むけど、

 

やるべきことだけは、はっきりしている。

 

ナツさん達を逃がすことができないのなら

 

ルナ先輩が暗に伝えていた「一人で逃げればいい」ことも承諾したくないのなら

 

 

 

私がナツさん達を守りながら戦い、彼女を無力化する。

 

それが、今の私の役割、私にしかできないこと。

 

 

 

…ルナ先輩達の事情は、ここを乗り越えた後、エバルー伯爵に直接問いただせばいい。

 

 

 

 

 

「……そう、分かった。そんな決意に満ちた目を見せられたなら、私も本気で答えるよ。

 

正直、さっきまでは死にそうな顔してて、やりずらかったし。」

 

 

 

 

「それじゃあ、さっそく始めるね。

 

 

 

『儚幻の魂に輪郭を』」

 

 

 

彼女の言葉と共に、彼女と同じ容姿をした少女が10人、セラ達を囲うように顕現する。

 

 

 

 

 

一方、セラは、ナツ達を一か所に纏めると目を閉じながら心を落ち着かせる

 

 

 

今の私にできる最大を…

 

 

 

高まる彼女の決意と共に、両腕、両足が、千斎茶色の肌に覆わ、指は鋭い爪に豹変する。

 

「…」

 

先ほどまでは気づかなかったが、今まで体の一部分しかできていなかった接収を、今では手足同時に発動できている。きっかけがなんであるか気になるところだけど、今は…

 

「準備できた?」

 

「はい」

 

 

セラは、返事と共に戦闘態勢に入る。

正直、長期戦になればなるほど不利になるのは私の方だ。

だから、ナツさん達を守りながら戦いに中で、ルナ先輩の弱点、能力の性質を見つけて

無力化させる方法を考えなければならない。

 

 

 

「それじゃあ、行くね」

 

 

 

先に動いたのは、ルナの方であった。

 

全方位から黒の槍と剣を持ったルナ達が、セラに向かって走り出す。

 

対して、セラは体を小刻みに動かし、11名の少女を見まわす。

 

 

 

(一番早い人から順番に…)

 

 

 

バリンッ!

 

ガンッ!

 

 

 

彼女は、11名の少女での動きのズレを見破ると、槍と剣がセラとナツ達に近づく順番を先読みし、

セラを狙う、槍と剣は爪で切り裂き、ナツ達を狙う槍は、足で押し出して地面に突き刺し、飛び回るための足場に。

 

その後は、分身を蹴り、爪で切り裂き、更には地面に突き刺さった槍を振るう。

 

 

 

それが終わると分身と槍や剣は、霧散するように消えるが、数秒もすればまた姿を現し、襲ってくる。

 

一方、セラのローブには切り傷があり、当然体にも切り傷が残ると共に、無数の響く声が。

 

そんな劣勢な攻防が、繰り広げられる中。

 

突如、一人のルナの分身が距離を取る。それに倣って、他の者も下がりだした。

 

 

 

「さすがに、我慢ならない!

 

君‥違う、確か名前が…、そうセラちゃん!」

 

 

 

「は、はい!?」

 

 

 

「セラちゃん…あなた、‥なんて格好で戦ってるの?!!」

 

 

 

「えっと、どういうことでしょうか?」

 

 

 

「そ、その‥‥あなた、その中身、す、す、す素っ裸じゃないよね!?ローブから薄っすら見えたけど、ズボンが見えなかったよ!!」

 

 

 

「‥‥‥‥!」

 

 

 

「さっきは、あんな決意を決めてた顔をしてたけど!ちょっとかっこいいと思ったけど!露出が趣味の変態さんだったの!?」

 

 

 

「それは、絶対に違います!‥‥服も‥一応着てます。」

 

 

 

「…その‥はどういう意味!?」

 

 

 

「違うんです!…これには深い事情があるんです。」

 

 

 

「‥‥‥ふーん。

 

…分かった。セラちゃんの言い分を信じるよ。

それじゃあ、気を取り直してやろっか。今のままだと、私が勝つのは目に見えてるけど」

 

 

 

「‥‥」

 

 

 

黙り込むセラ。彼女のなかでは、恥ずかしさがあったが、それ以上に助かったと安堵していた。

 

なぜなら、先の戦闘での情報を整理する時間を得られたからである。

 

 

 

 

 

彼女は、戦う前の前提として、次の二つを挙げていた。

 

 

まず第一の前提として、ルナ先輩の魔法はただの分身魔法ではなく、魂に形を与え、操る魔法だと思う。

このことは、魂の一部分を武器として扱うことができることと、ルナ先輩の『儚幻の魂に輪郭を』という言葉、そして一回目の時に現れた三人の分身‥あれは直観だけどナツさん達だと感じたことからである。

それに実際、私がキャットラブのバックヤードで小休憩をしている時、よくルナ先輩が「私と寸分たがわない分身が働いてるんだから、私はさぼってないの!」とさぼりに来ていたけど、そのような時は、よく、気絶したように眠り続ける客がいたという報告を聞いていたことからも、この前提は正しいと考える。

 

 

 

二つ目の前提としては、一つ目の前提のことと、分身だと思って槍ごと殴りかき消したルナ先輩は、間違いなく本物であったと感じたことより、ルナ先輩は、自身の魂にも操ることが可能だということ。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、この前提の元、戦っていたけど、

 

戦闘を通して、ルナ先輩の能力は、魂を完全に操作するのではなく、その魂に強制力を働かせる能力だと思った。

 

まず、11人の分身が襲ってきた時、走り方、視線、槍や剣の振り方が、それぞれの分身によって異なっていたが、私とナツさん達に武器を振るうという圧はどの分身からも感じていた。それに‥‥私の‥服装問題の時も、ルナ先輩が下がり、少しして、他の分身も攻撃をやめ下がりだした。まるで、王の命令に従う臣下のように。また私の服装について話した時も、鼻の下を伸ばす者、顔を赤くする者と反応に違いがあったこと。

 

そして、なにより全ての魂を完全に操作するとなると、本体への負担が大き過ぎるため、今の戦い位の時間、操作し続ける事は難しいと思う。

 

このようなことより、ルナ先輩の能力は魂への行動の強制であり、彼女達の動き方、呼吸の仕方などは、彼女達自身によるものだと考える。

 

 

 

そして、これらのことを踏まえた上で‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

セラが、黙り込む中、

 

やり直しを宣言したルナが、「じゃあ、スタート」と、再び襲い掛かり、セラの目の前に迫るその時、

 

 

ボワッ!

 

 

 

 

セラの目の前には、見慣れた炎と、足を止める一人の分身。

 

 

 

「あっつ!!」

 

 

 

「!」

 

 

 

セラは、その姿を見ると共に、何か思いついたような顔をし、両腕と両足の接収を解く。

 

 

 

(30分!30分間、接収を使わずに耐えてみせる!)

 

 

彼女の心の宣言と共に、

セラ:1人(素手)vsルナ:11人(槍or剣) 

の30分間の極限バトルが幕を開けた。




ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

オリキャラに対して、フェアリーテイルに出ているあるキャラと少し能力が似ていると感じると思いますが、私自身もそれを理解した上で、オリキャラを作りました。


あと、DAY BREAK編は、後2話で終わると思います。

最後になりますが、私の拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

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