あ!ゲートから野生のドータクンがとびだしてきた!   作:でかすぎ史郎

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ストックがないのなら毎日書けばいいじゃない(白目)。


11話 神

 日本から帰ってきた。そしたらなんか町の様子がおかしい。

 

「あっ、ドータクン様だ」

 

「ドータクン様」

 

「生ドータクン様だ」

 

 ドータクン様、なんか敬われてる。

 なぜだ。いい気分ではあるが少し不気味だ。

 ドータクン食堂のデリラ…はいなかったんだ。柳田さんを刺した件で裁判中だ。まあとりあえずそこでなぜこうなったかを聞くか。

 

「おーい、ドータクン様が来たぞぉ!」

 

 食堂の店主がそう言って叫ぶ。

 そして店内、そこには緑色の生地に丸い赤丸がついた、ドータクンの意匠がこらされたエプロン姿の従業員がいた。ポケモンの擬人化みたいだな。

 

「ソノ、エプロン、ハ?」

 

「ああ、ここってドータクン食堂じゃないですか。だから神気にあやかろうと思いまして」

 

「ワタシ、カミ、デハナイ」

 

「ええっそうだったんですか!自衛隊の人にも貴方を敬う人がいて炎龍まで討伐したと聞いたんで、てっきり日本にいる神様だと思いましたよ。まあ神じゃなくても力にあやかるってことで」

 

 あー、なるほど。日本側の神だと認識されてるわけか。

 これってマズくない?

 コッチの神様の信仰をうばっているわけじゃん。なにかされそうで怖いな。私も野生が長い、縄張り争いの怖さは知っている。

 そう思い早速、有識者(ロゥリィ)に相談に行った。

 

「大丈夫よぉ」

 

「ホント?」

 

「私達の使命はぁ信仰の奪い合いじゃなくてこの世界を乱す存在の排除。信仰は後からついてくるものなのよぉ」

 

 世界を乱す存在…もしかして私!?異世界から訳の分からん木の実を持ってきたりしてるし。

 動揺する表情から意図を察されたのかロゥリィは続けてこう言った。

 

「確かにぃドータクンはギリギリねぇ。神でもない存在が神の如き力を持ってるしぃ。どうせならぁ、なっちゃえばぁ神にぃ」

 

 神に神になるように勧誘された。宗教勧誘レベル100みたいな話だな。スケールが大きすぎて話がついてこれない。けど貰えるもんはなんでも貰っておいた方がいいというのは分かる。

 

「ゼヒ」

 

「じゃあ私が正神になったら亜神にしてあげるわぁ。ふふ、正神になる前から優秀な亜神候補を手に入れたわぁ」

 

 待てよ…これって私を縛り付ける鎖なんじゃないか?神になるということは世界を乱してはいけないし乱す輩の排除も義務になるのでは?…しかし神様から世界を乱す輩扱いもされなくなる鎧でもあると。

 神になるのはまさしく鎖であり鎧なのだろうな。実質、鎖帷子だ。

 まあいいか。深くは考えないようにしよう。なるようになるだろ。

 

 それよりは2か月後に始まる伊丹さんとの調査任務だ。

 まだ時間があるから技が鈍らないように鍛えておこう。

 

 ノ||◎皿◎||\ノ||◎皿◎||\ノ||◎皿◎||\

 

「ここがベルナーゴか」

 

 伊丹さんがそう言う。私達は資源調査任務へと赴いていた。道中でレレイが風土病にかかったり(ラムの実で完治済み)、レレイが暗殺者に狙われたり(現在進行形)、レレイが学会発表して導師とかいう凄い立場に成ったりなど色々とあったが目的地についたわけだ。

 

「ハーディ、イル、バショ」

 

「ああそうだな。ハーディに事の次第を問い詰めるんだったな」

 

 そう言って伊丹さんはベルナーゴ神殿の招待状を見せびらかす。この招待状は炎龍討伐時に貰ったものらしい。相手側もこちらに来て欲しいようだ。私達は招待状を使い神殿内部地下、つまりはハーディがいる空間に入り込んだ。

 

「ココ、ガ、ハーディ、イル、クウカン…」

 

『プレッシャー』を感じる。姿は見えないが確実にここにナニカがいる。亜神(ロゥリィ)とは桁違いのナニカが。

 私が戦慄しているとナニカはようやく姿を現した。間違いないあれがハーディだ。論者ガブリアスの証言通り人間の女に近い姿をしている。

 

 ハーディは辺りを見渡すとレレイの中に入り込んだ。

 アレは!依り代話法!奴も使い手なのか。しかしレレイか。お目が高い。彼女の依り代適性は高い。だがそれをロゥリィは許さなかった。

 

「ハーディ!信徒を依り代にすればよかったじゃない」

 

「だって仕方ないじゃないロゥリィ、他の子に憑依してたら精神が壊れちゃうかもしれないじゃない」

 

 え?依り代話法って危険なの?その言葉に驚いた反応をしてたのは私だけではない。伊丹さんもこちらをガン見している。伊丹さんのことをよく依り代にしてたな。いや私のはポケモン世界の依り代話法、バドレックス(ポケモン)の依り代話法だって安全なんだから私のも安全なはず。たぶん、メイビー。

 

「…そこのドータクンの依り代話法に比べたら危険性は高いけど精度はそれ以上よ」

 

 そう言ってハーディはそれを誇示すべく超スピードで私達の後ろに回った。速いな。ロゥリィ以上だ。あれは私の依り代話法でも出来ない動きだ。

 それにしてもコイツ、依り代話法の事も知っているのか。自衛隊の駐屯地くらいでしか使った記憶はないんだが。全て筒抜けということか。

 

「…ガブリアス、サシムケタ、ノ、キサマ、ダナ」

 

「そうね、私の炎龍が倒されちゃったから新しい戦力を補充しようとしたのよ。まあ貴方達のせいで失敗しちゃったけど。そして銀座の門を作ったのも私」

 

 やはりそうか。ポケモンを無制限に召喚し使役出来る存在。これは危険じゃないか。一般ポケモンまだしも高レベル600族や準伝クラスは自衛隊でも苦戦しそうだ。…いや神はこの世界を乱す存在の排除が使命だからそういうことはしないか。

 

「おのれ!」

 

「よせヤオ!」

 

 私が思考を巡らせていると種族を殺された恨みを持つヤオが剣を抜いてレレイ(中身ハーディ)に差し向けた。そしてそれを止めるのは伊丹さんだ。これはいかんな。私は『じんつうりき』で彼女の体を止めた。

 

「やめてくれドータクン殿!伊丹殿!」

 

「ハーディ、ヲ、タオセル、ワケ、デハナイ」

 

「賢明ね、ドータクン。ロゥリィが目を付けてるだけはあるわ。それに…貴方の魂。ふふ」

 

 ハーディはそう言って不敵な笑みを浮かべる。そして話を続けた。

 

「さてと、本題に移りましょうか。私は門を破壊する気よ。その為なら大量のポケモンを召喚してアルヌスの丘に差し向けることすら厭わないわ」

 

「ソレハ、パルキア、ガ、ユルサナイ」

 

 流石にやり過ぎたらポケモン世界の神達が許さないだろう。それにこの特地世界を乱す行為でもある。この世界の神がしていいことじゃない。

 

「ああ、貴方の世界の空間の神のことじゃなくて、別世界のポケモンのことよ。流石にパルキア、いえアルセウス達を敵に回すほど愚かじゃないわ」

 

 そう言って紫色の蜂みたいな生き物を目の前に出してくる。…あれはアーゴヨン。別世界のポケモン、ウルトラビーストじゃないか。なるほど確かにそれは神達の管轄外かもしれない。

 

「い、いや待ってください。その前になぜ門を破壊する気ですか?」

 

 伊丹さんが疑問を呈する。

 彼も自衛官、自国の権益が脅かされるのを黙って見ているわけにはいかない。

 

「門でつながった2つの世界の行く末に関わることだから…門は世界に悪影響を与えてるわ。2つの世界を繋げ続ける事で歪みが生じている」

 

「歪みですか」

 

「そう歪み、例えるなら石の桟橋に船を錨でがっちり繋いだのかのよう。波の流れのように時の流れは止まらない、船は繋がれて動けない、それでも船は行こうとする。するとどうなるかしら?みしみし…きしきし…桟橋にも船にも亀裂が入って最後は…起きたでしょ地震。アレは前兆よ。最後までいったらどうなるかは私にも分からない。とりあえず最悪が起こることは確かね」

 

 ここにいるハーディ以外の全員が青ざめた表情をする。神が最悪なことが起こるというとは、これはヤバそうだ。

 

「最悪を回避する。その為なら私はこの世界にポケモンという恐ろしい生き物をこの世界に放っても構わないと思ってるわ。なぜなら、まだそっちの方がマシだからよ」

 

「ナルホド、イチリ、アル」

 

「炎龍を倒した勇者達よ。貴方の勇気に免じて機会は与えましょう。クナップヌイにお行きなさい。歪みの一部がそこにはあるわ。それでどうするか決めなさい」

 

 そうして神ハーディへの謁見は終わった。レレイには神の依り代のお礼として聖術が扱える触媒を渡されることになった。

 今の私達はベルナーゴの街中にいる。

 

「デ、ドウスル、イタミ」

 

「…暗殺者への対処だよなぁ」

 

 私達は、いやレレイは暗殺者に狙われている。理由は帝国の第一皇子ゾルザルの嫉妬だ。炎龍を倒した英雄に嫉妬とか皇族としてどうよと思う。器が小さいんだろうな。

 

「コノママ、デハ、アルヌス、二、ヤツラ、クル」

 

「だよなぁ」

 

「ゾルザル、シメレバ、イイ」

 

「けど日本は帝国との交渉中だし下手な真似をするわけには…今、連絡が入った。講和派を救出、帝国との交渉は決裂したと」

 

「ツマリ?」

 

「ゾルザルをシメに行ける。ちょっと帝都内にいる特戦の人らに連絡とって来る」

 

 最高だな。ドータクン食堂の看板娘、デリラが策略によって犯罪者にさせられた恨みもある。それを晴らすチャンスだ。

 伊丹さんは自衛隊の人と連絡を取り計画の詳細を詰めていく。そして結果的に皇帝と皇女ピニャの救出もしろと指示が下った。

 なして?ちなみにゾルザルをシメるのは陽動作戦の一環として組み込まれた。

 

 まあいいか。やってやるぜ。

 

 ノ||◎皿◎||\ノ||◎皿◎||\ノ||◎皿◎||\

 

「やめてください。ロゥリィ聖下」

 

「ご乱心だ!ご乱心だ!」

 

 今の私達はロゥリィの付き人として皇太子府に潜入している。

 そしてドンパチと暴れてゾルザルのいるところまで突っ走っている。私の技構成は『じんつうりき』『きんぞくおん』『てっていこうせん』『さいみんじゅつ』のガチ戦闘構成だ。

 

「皇太子府、流石に広いわねぇ。どこにゾルザル坊ちゃんがいるのやら」

 

「イイ、ワザ、アル」

 

 そうして敵兵の一人に『さいみんじゅつ』をかける。これは眠らせる感じの『さいみんじゅつ』じゃない洗脳する感じの『さいみんじゅつ』だ。

 

「ゾルザル、ドコ?」

 

「大広間にピニャ殿下と共に」

 

 救出対象のピニャ殿下とも一緒にいるんだな。

 丁度いい。ゾルザル脅してピニャを救出同時にやってやろう。

 

「…薄い本が厚くなりそうな能力持ってるなドータクン」

 

「イウナ」

 

 伊丹さんがそう語り掛けてきた。

 失礼な。それはスリーパーの役割だ。

 洗脳した敵兵に道案内をさせ皇太子がいる大広間へと向かった。そこには大量の貴族のような人とピニャ殿下がいた。真ん中にいるのがゾルザルかな?

 

「何者だ!」

 

「はぁーい、ゾル坊ちゃん」

 

「ロゥリィ・マーキュリー」

 

 辺りに緊張が走る。そういや特地世界ではロゥリィは有名人だったな。

 

「お久しぶりですね。ゾルザル殿下」

 

「お前は…来るなぁぁぁぁ!!!近衛、オーガーを放てぇ!」

 

 伊丹さんが挨拶をするとゾルザルが異常反応を示した。なにやったんだ伊丹さん。とにかく何らかの因縁があるようだ。

 そして問題は…ゾルザルの近くにいるオーガーとかいう怪物だな。10m以上あるんじゃないか。かなりデカいな。しかも分厚そうな鉄板で完全武装している。『じんつうりき』一発では仕留められなそうだ。それが複数いる。厄介な。

 私がどうしようかと考えているとレレイが爆轟魔法を使いオーガーを爆撃し瞬殺した。…いつ見ても凄まじい威力だ。これは負けてられないな。

 私は『てっていこうせん』をオーガーにはなった。炎龍を穿つ超火力。もちろん炎龍未満の格のオーガーに耐えきれるわけもなくそのまま絶命した。

 

「アレは、炎龍討伐の報告に会った白銀の光線。そしてあの見た目。かつて銀座にて我らを蹂躙した怨敵、緑の鐘です」

 

 おっ、私の事も認知してくれていたんだ。

 そして後はレレイと伊丹さんがゾルザルに暗殺をやめるように脅して

 今はピニャ殿下と帝国の皇帝陛下を車に乗せて大脱走に興じているところだ。凄い数の騎兵がこちらを追っている。

 

「絶対に奪還せよ」

 

「ソウ、ハ、サセン」

 

 私は『じんつうりき』で

 

「おい、車の進みが遅いぞ」

 

「仕方ないだろ重いのが乗ってるんだから」

 

 自衛隊達がそう言いあう。確かに遅いな。馬に追いつかれそうになっている。

 重いの?ああ、私か。400kgあるもんな。

 

「スマン」

 

「じゃあモンスターボールに戻ってくれドータクン」

 

「ソレニハ、オヨバナイ」

 

 軽くなるだけじゃ足りないだろう。ここは敵を倒して軽くなった方が一石二鳥だろう。私はもう一度、『てっていこうせん』を追手に向けて横なぎに放つ。『てっていこうせん』は体力(HP)の半分を持っていく大技。それを2回放った。つまり私はひんし状態になる。そしてポケモンがひんし状態になるということは小さくなるということだ。

 私は縮んだ。これで重さもなくなるはずだ。

 

「お前、本当に色々と能力あるよな」

 

 伊丹さんにそう言われた。まあポケモンですから。

 追手も私の『てっていこうせん』で全滅した。

 よしこのまま、アルヌスに帰投だ。

 

 




●ノ||◎皿◎||\ドータクンの解説④
・説明
 遂に帝国方面の話に関わることになった本作主人公。だが帝国との因縁が薄すぎるので強い戦力Aに成り下がっている。カッコいいシーンってやつをつくってあげたい。

・技
『じんつうりき』『てっていこうせん』
『きんぞくおん』『さいみんじゅつ』

 いつにないガチ構成。

・特性
『ふゆう』

 地面タイプの技を無効化できるがこの先、地面タイプの技を使う敵は出てこない。つまり産廃特性。

・性格
 なんだろう。
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