あ!ゲートから野生のドータクンがとびだしてきた! 作:でかすぎ史郎
私達はアルヌスの丘に帰投した。そして皇帝陛下とピニャ殿下、そして私らが来る前に救出されていた帝国貴族達によってイタリカ正当政府を設立。日本を後ろ盾にしつつゾルザル達と戦うことになったらしい。そこは自衛隊に頑張ってほしい所だ。
そして今の私達はというと…
「これがドータクンか。うむ、これは持って帰っても良いのかね狭間陸将」
「ダメです養鳴教授。ドータクンとは対等で友好的な関係を結んでいますので」
養鳴教授という老人がいきなり私を連れて帰ろうとする。
うーん。怖い。
「クロイ、ナ」
「うむ真っ黒だ」
クナップヌイの大地は謎の黒い靄に埋め尽くされていた。
しかもこの黒い靄には嫌なプレッシャーを感じる。教授が試しにビニール袋で掬おうとするが掬えない。まるで影だな。
「これはアポクリフ」
ロゥリィが驚きながら、そう言った。彼女曰く世界が終わる時に出る影とのことらしい。普通は神も人もいなくなった時に起こる現象なのだがなぜか今ここで起こっているとのこと。なるほどそれで門がその原因かもしれないと。
「ふむぅ、なるほど、これはだな…」
教授がみんなに何かを言っている。興味のない話だからスルーだスルー。
調査の結果、門の悪影響である可能性が大だという結論が出たらしい。なんでそうなったのかは知らない。賢い博士がそう言うのだからそうなのだろう。後は何故か日本人拉致被害者を助けたりをしたりもした。
そうしてクナップヌイからアルヌスに帰って数日が経ったある日、日本政府から召集がかかった。
「やあやあ、皆さん。よく来てくださいました」
森田総理が
レレイがハーディから授かった聖術が使える触媒、それを使って彼女は異世界に繋がる門、つまりはハーディと同じ力を持つ聖遺物を作り上げた。
その情報が日本政府に伝わった時、永田町に激震が走ったそうだ。今まではドータクンという劣化した門擬きしか作れなかったのに、ここに来てサイズも大きく固定化もできる上位互換が現れたのかもしれないのだ。そして門は開き続けると悪影響が出るというおまけ付き。そのダブルパンチで騒然となっていた森田総理が武勇伝のように聞かせてくれた。
門の張り直しが出来る。今までは東京23区内という軍隊を派兵するには色々と無理のある立地だったが最低でも門を23区外に移転できる。これは大きい事実だろう。その事実が本当かどうかを確かめる為に私達が招かれたのだ。
「歓迎、ありがとう」
「ごぉん」
そうして政府が所有する施設内に入る。中には大物っぽい人がかなりの数いる。国会で見たメンツもちらほらと。そしてクナップヌイ調査で一緒だった養鳴教授もいる。
私たちはガラス張りの部屋に案内される。中に私達、外に森田総理率いる大物達といった構図だ。そしてレレイと私には様々な計器がつけられている。
「じゃあドータクンさん、門を開いてください」
そう言われたので私はウルトラホールを開く。繋がる場所は私がいた世界だ。今回は何も出さないように調整をしている。
「では閉めてください。次にレレイさんお願いします」
そう言われてレレイにバトンタッチをする。レレイは門を開いた。ちなみに私とレレイが交互に門を開く意味は比較の為らしい。
「…これは!ドータクン氏の物よりも数倍は遥かに大きいぞ。しかも銀座の奴みたいに固定化もできるんだよな」
「これなら門を再設置することも可能なのでは?」
「異世界の先を確かめたい。伊丹二尉、突入してくれ」
私の力、下位互換になってしまった。まあ私には天候変更能力とかあるし。…ちょっとへこむ。
宇宙飛行士みたいな装備をつけた伊丹さんが門の向こうに突入した。向こうがどうなってるかわからないが。大丈夫かなぁ?
[こちら伊丹、ジャングルのようなところに出ました。えっと…あれは、蚊です。筋肉質の巨大な蚊がいます。こちらを見ています。接近してます。帰投します!]
音声だけでわからないがかなりヤバそうだ。
というかジャングル、蚊、筋肉質。これってもしかして。
伊丹さんが門から急いで出ていく。
「レレイ!直ぐに門を閉めてくれ」
「わかった」
だがレレイは門を開いて日が浅い。閉めるのに手間取っている。そして門から奴がでてきた。
「ババァルクウッ!!」
やはりそうか、ぼうちょうポケモン。マッシブーン。ウルトラビーストだ。繋がった場所はウルトラジャングルだったのか。
「ごぉん!(今すぐ出ていけマッシブーン)」
「バァルク!(6;xyd@94)」
「撃て撃て!」
ダメだ。異世界のポケモンだから話が通じない。ついでに自衛官達が撃っている銃弾も。
仕方ない。強制排除だ。
「レレイ、モン、ヲ、ヒライタママ、デ」
「分かった」
マッシブーンはアームハンマーで自衛隊を狙ってきたので私は盾となる形でソレを庇う。格闘タイプの技は残念ながら等倍だ。そしてこれはお前には2倍弱点だろう。
私は『じんつうりき』でマッシブーンを門までぶっ飛ばした。これで強制送還だ。それを見たレレイはなんとかして門を閉じた。閉じた瞬間に地震が起きる。
「ごぉん」
「ありがとうございます。ドータクンさん。また銃弾が効かない相手がいるなんて。異世界とは恐ろしいですね」
「レイ、ニハ、オヨバン」
辺りが騒然となる中、真っ先に口を開いたのは夏目という政治家であった。
「色々とありましたが、これで門を開けることは確定ですね総理。早速、門を閉門、再設置して歪みの解消と門の移転をしましょう。そして異世界への探査ですが、ガブリアス・さっきの巨大な蚊といい異世界には危険生物が多すぎる。これは当分凍結ということで」
「ええ、それがいいでしょうね」
なんか申し訳ない気分になってくる同じポケモンが迷惑かけてて。ポケモンは恐ろしい生き物ですというラベン博士の名言が思い浮かぶ。
そしてこの世界の博士たちはというと。
「やはり!ドータクンの研究を行うべきだ!銃弾すら防ぐ怪物を押し出す念動力。是非とも解析をだね」
「儂も同感だ。特地以上の価値がドータクンにはある」
「待ってください先生方、今は門の研究が最優先です。そういうのは後にしましょう」
大盛り上がりだな。
とりあえず日本政府側は門を閉じるということで納得できたようだ。さてと問題は…
「門を閉じるってぇ!」「そんなの反対だ」「なら日本に連れてってくれよ」
日本から特地に帰ってきてアルヌスだ。
アルヌス町の住民は門を一旦閉じるという選択に大反対だ。まあ当たり前か、一番の庇護者にして一番の上客だもんな。それが無くなると考えれば恐ろしいと思うのも無理もない。
「大丈夫、安心して。またつながるから。レレイを信じて」
「けどあんたらは伊丹さんの身柄を要求したそうじゃねぇか。それはつなぐのに時間が必要だからだろう」
「そうだけど…」
三人娘は門を再開通させる代わりに伊丹さんの身柄を要求していた。自分らだけ利益得ておいて後は勝手にやる。道理が通ってない話だろうな。
ノ||◎皿◎||\ノ||◎皿◎||\ノ||◎皿◎||\
時と場所は変わりここは帝国第二皇子、ディアボがいるアルヌスのある宿。彼は帝国の政変に巻き込まれアルヌスにまで流れてきたのだ。
「ふむ、これでチュンナとやらとやり取りができるのだな」
「はいそうです。チャイナとやり取りができます」
ディアボは携帯電話で中国とやり取りを取っていた、彼は聞いてしまった。ドータクンよりも高度に世界を繋ぐ
「チャイナはレレイ、いや玉璧を渡せば異世界の兵力を渡すと約束してくれた。そうだろうメトメス」
ディアボはそう言って笑いながら従者のメトメスに語り掛ける。彼はレレイを拉致しようとしていた。そして中国と取引を行い自らが帝位になろうと画策していた。
「はい。そして既にドータクン食堂の店主に協力を仰ぎ、レレイ氏を拉致する算段はたてました」
「そうか。ではやるぞ」
そうして彼らは行動を起こそうとドータクン食堂へと移動する。そこではレレイが1人でお茶をしていた。
そこに現れたのはドータクン食堂の店主だ。
「レレイさん。あっしは門を閉じることに反対です。どうにかならないんですかい」
「それはどうにもならない」
「ですが…「大丈夫。門は一時的に閉まるだけ」
「それ、本当なんですかい。神様が力を貸して出来るようになったなんてあっしには到底信じられません」
レレイには確信がある。だが店主には良く分からないまま進んでいる案件なのだ。不安で仕方ない。だからこそディアボの甘言に乗ってしまった。
「それにしてもこのお茶おいしい」
「そうでしょう。そしてよく効くでしょう。それは特別な眠り薬を入れてるんですから。この眠り薬は甘いんですよ。ってもう聞いてないか」
店主がそう言うとレレイは倒れる。それを物陰から見ていたディアボ達が出てきた。
そして彼女の体を担ぎ上げる。
「よくやった店主。これで帝位は俺のものだ」
「しかしよかったんですかい。こんなことして」
「これはな。取引の為だ。貴様らは門を閉じるのが嫌なのだろう。ならば彼女の身柄と引き換えに日本政府と交渉を行うのだ。彼女の身柄が惜しかったら門を開いたままにしろとな。まあ後は我らで上手くやる。任せておけ」
ディアボは心にもないことを言う。
こうしてレレイはディアボによって身柄を拘束された。
ノ||◎皿◎||\ノ||◎皿◎||\ノ||◎皿◎||\
特地、いるの肩身が狭い。けど仕方ない。
今日もドータクンカンパニーの経営とアルヌス町民の説得頑張るか。
そうして昼を迎えようとしていた時…何かが騒がしい。特に自衛隊の駐屯地が。何か起こったか?そういや今日は帝国との決戦が始まるとかいってたからその関係か?
まあいい、私は戦争に関わる気はない。そう思っていたら、自衛官の1人が私に近づいてきた。自衛官の彼は息を切らしながらこちらに叫ぶよう
「ドータクンさん。至急、狭間陸将が駐屯地にくるようにと」
狭間陸将が?それは一大事だな。
私は自衛官の案内の下、陸将がいる部屋へと向かった。
「よく来てくださいました」
「ヨウケン、ハ?」
「銀座側の門がNGOを名乗る団体に占拠されました。彼らによって光ファイバーは切断され日本との通信は途絶、今は作戦、韋駄天を発動し今いる自衛隊全員を駐屯地に集めている状況です」
は?
それってまずいんじゃ。帝国との決戦があるとかいってたんじゃなかったか?
「チュウゴク、ノ、コウゲキ?」
「いえそれはわかりません。ですが彼らの主張は門を国連の管理下に置くことです。さもなければ門を破壊すると。中国の利益に繋がることは確かですが断定はできません」
中国からすれば門が壊れれば
「そこでです。貴方には世界を渡っていただき日本政府に連絡を取ってほしい。」
「ハナシ、ミエテ、コナイ。モン、セカイ、二、1ツ、ダケ」
「そうですな。ですが違う世界へ行く門は作れるのでしょう。そこを経由して日本にいけばいかがかな?」
なるほど。新しく特地世界と日本がある世界が繋ぐことはできない。なぜなら既に門があるからだ。特地と日本を繋ぐ門は世界に1つだけなのが、世界のルール。
狭間陸将の提案はこうだ。①私が得世界から別の世界Aに行く。②そして別の世界Aから日本世界に行く。つまり世界を経由することによって門がふさがれている状況でも日本へと渡れるわけだ。流石は陸将に登り詰めただけはある英知だ。
「ワカッタ」
「ありがとうございます。こちらとしても対応に苦慮していまして助かります」
私はポケモン世界を経由して日本がある世界へと転移した。
早速、私は官邸にかけこんだ。
そこで私は信じられないことを聞いた。
「レレイ、ガ、ユウカイ、サレタ、ダト」
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